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ここは管理人u16の趣味雑記をのせたブログです
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今月ディスクレビューやってない。
が、金がなくて全くCDを買っていない。
というわけで自分が何百回と聞いてる超大ネタをやることにします。

Mogwaiの最高傑作と聞かれたら迷わずこれを挙げる。
コアなファンは初期らしい。まあ理解できなくもない。Mogwaiの先鋭性がもっとも現れていたのは初期だろう。1st『Young Team』の吐き気がするほどの重苦しい怒りが3rd以降薄れていっているのは間違いない。
『Rock Action』からMogwaiが辿っていった道は、誤解を恐れずに言えばポップへの道といえる。
曲を短くし、分かりやすいリフとメロディを軸に置き、構成にメリハリをつけ、ノイズは控えめに。それを面白くないと考えるファンがいるのも理解できる。
ただ、俺はもちろん初期のパンクスピリット溢れるMogwaiも好きだが、そうやって強度をつけていったMogwaiのほうが好きだ。
先鋭性と普遍性のバランス。アートとポップのバランス。いくらポップに振れようともそれを演奏するのは間違いなくMogwaiなわけで、何の面白みもないポップスが出来上がろうはずもない。いやむしろ根底をアヴァンギャルドに据えたMogwaiができる限りの力をもってポップなものを作ったとき、最高の作品が出来上がるのではないか?
それが『Mr.Beast』である。

まず最初の二曲だ。
ゆったりとしたリズムから段々と盛り上がっていく"Auto Rock"から爆音ノイズヘビメタの"Glasgow Mega Snake"へ。これほど素晴らしい導入もない。静謐から轟音というMogwaiの特色をよく表した二曲である。
また爆音を今までのようなノイズで表すのではなくBlack Sabath風のヘビィな爆音で表現するという今後のMogwaiでよく使われる手法もこれが初めてである。決して音程のない純粋なノイズを垂れ流すわけでもなく、しっかりとしたリフで曲を構成して、だがその音自体は今までのMogwaiのような個性的なディストーションで彩る。ロックであってロックでない、このころのMogwaiを象徴する一曲とすらいえる。
そのあとの4曲もまた絶品の一言だ。歌入りの優しく美しい"Acid Food"、同じく歌入りだが轟音が気持ちいい"Travel is Dangerous"、どこか物悲しい"Team Handed"、そして代表曲の一つである"Friend of the Night"。
"Acid Food"と"Team Handed"は今までのMogwaiの域を出ないが、他の二曲はなかなか考えられない曲である。なにせメロとサビがあるのだ!その美しいメロディと構成はもはやJPOPとすら言えるかもしれない。
ただしその音像自体はJPOPのような甘っちょろさは一ミリとしてない。"Travel is Dangerous"のサビで響くファズギターはあくまで完全に今までのMogwaiである。決して抑揚のないBarry Burnsのボーカルの上で鳴る殺意に満ちたStuartのギターは耐え難い美しさを描きあげ、それはまるでbloodthirsty buthersのようですらある。
そしてライブの代表曲、"Friend of the Night"だ。
この曲にはボーカルはないが、やはりメロとサビ、そして間奏がある。また爆音も控えめで、どちらかといえばクリーントーンのギターとピアノが主体だ。
だがそこには初期にはない…いや本当は最初からあったがあまり目立たなかったMogwaiの素晴らしさである美しいメロディがある。ボーカルでは表せない抑制された感情を表すギターの美しさは筆舌に尽くしがたい。間奏の後にじわじわと混ざるディストーション、そして最後のサビ…今まで何度聞いたかわからない。今までのMogwaiのどの曲とも違う、抒情性と侘び寂びの狭間に位置する名曲である。
この4曲ほど完成された並びを俺は知らない。いくら聞いても色あせない物語がある。
もちろんそのあとも素晴らしい。今までと違い明るく開放感のある"Emergency Trap"は前の3曲にあった悲しみを和らげる役割を果たしている。
そこでさらに明るい曲を持ってくるべきところに"Folk Death 95"を持ってくるあたりがさすがMogwaiというべきだろうか。
前作『Happy Songs for Happ People』の"Killin All the Flies"や"Travel is Dangerous"に近い曲で、せわしないがやはりどこか悲しいギターアルペジオと力強いリズムから段々とファズを入れて盛り上げていき最後に一気に爆発させるこれぞMogwai!といった曲だ。最後の音圧たるや恐るべきものがある。
そしてさらに"I Chose Horeses"で小休止をはさみ(正直この曲は冗長であまり好きではない。まあ他の完成度が高すぎるだけだが)、最後に地獄の爆音ノイズソング"We're No Here』でガッツリ締める。
"Like Herod"、"My Father,My King"、"Ratts of the Capital"などなど今までMogwaiがやってきた真黒なノイズがここでも存分に発揮されている。これを今までのような感情豊かな曲群の後に聞くとまた感慨というか快楽もひとしおである。やっぱりMogwaiはこうでなくては!とガッツポーズの一つでもしたくなってくる。
美しい導入、殺意に満ちた爆音、もの悲しさをひたすらに美しく表現した中盤、明るい後半に一つスパイスを挟んで最後の最後にまた爆音。アルバムとしての流れも非の打ち所がない。

確かに彼らのパンクスピリットは減退したかもしれない。売れて落ち着いてしまったと思われても仕方ない。
だがやはり1stは何度も聞くタイプのアルバムでもないし、どこか表現している感覚も一面的なように思う。「アヴァンギャルドなポストロックバンドが世界への怒りを表現したアルバム」の一言以上の力はそこにはない。
ここには様々な感情がある。美しさ、明るさ、悲しさ、楽しさ、怒り。時雨にはまる姉すら聞けるポップさもあるし、もちろんアヴァンギャルドさも失われていない。
少しづつ進化…というか深化を重ねていき、音楽的強度をつけたMogwaiが作り上げたこのアルバムこそ最高傑作だと改めて言い切らせてもらおう。
正直これ以降のMogwaiのアルバムは確かにポップすぎるというか、このアルバムで完成させたポップとアートのバランスを縮小再生産している感は否めない。自分としてもそろそろ元のパンクスピリットを取り戻してほしいなと思っていたりもする。
まあもう年だしねみんな…しょうがないかもしれない。どんな〆だw
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