ここは管理人u16の趣味雑記をのせたブログです
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ホステスをしていた女子アナ志望学生の内定が取り消されたというニュースには本当に暗澹たる気分にさせられた。
「高度の清廉性」などという企業言語で着飾り、企業の名前を冠して堂々とくだらん男の支配欲を主張する世界が存在するというその事実。
もちろん女子アナに「高度の清廉性」などというものが必要ないことは本音以前に建前としても明らかだ。半ばタレントに近い彼女らの私生活に妙な保守性を求めようとするのはそれこそ彼女らをコンパニオン程度にしか見ていないただのそこらの飲み屋で管を巻いているハゲオヤジだけであり、そんな下半身事情が企業の内定取消理由として成り立っていることが逆説的に女子アナという職業がコンパニオン以上の価値を見出されていないことを表してもいる。
そしてもし他に「高度の清廉性」が求められる職業があるとしたら、それはきっと女性声優だろう。
芹澤優の指輪が写る写真が載ったツイートにまるでさもマナーに欠ける行為をしたかのような批判のリプライが飛び、そしてそれを内々で注意し黙って消すでもなくまるで本当にマナー違反をしたかのように謝罪のツイートをさせられるという事実だけを見ても、いかに女性声優という業界が上で描いたような処女性の上に成り立っているかということがよくわかる。
いや、実際のところそうではない人達も多い…むしろ声優としての活動を主としている人たちにはそのような価値観と無縁なキャリアを歩んでいる人ばかりではあるが、しかしやはり中心となって活動する女性声優に求められているのは可憐で清純なアイドル的なイメージだということは間違いない。

その中でも、竹達彩奈はまさにその中心に位置する人だろう。
幼児体型にわかりやすい萌え声、黒髪ロングで清楚かつかわいらしい身振り。もはやいちいち具体的事例を挙げて説明する意味を感じられないほどに、典型的なアイドル声優である。
そんな彼女が沖井礼二や川本真琴など、そのパブリックイメージに似合わないいわゆる渋谷系と言われるようなアーティストを従えて作ったのが前作『apple symphony』である。
そもそも渋谷系…さらに言えばその参照元であるフレンチポップスもあまり歌唱力を必要とせず、またJポップやその亜流である(狭義の)アニソンとも近い関係性を持っているジャンルなだけに、お世辞にも歌がうまいとはいえない彼女がアーティストとして活動するにあたっては良いチョイスだったと思う。
そのクオリティもまた見事なものであり、前作は花澤香菜の『claire』とともにアニソン業界だけでなくもっと広い邦楽の年間チャートのそこここで見ることが出来た。
そしてれから1年半経ち、上梓されたのが今回取り上げる『Colore Serenata』である。

まず人脈から整理すると、基本的には前作と同様の小林俊太郎と沖井礼二のコンビが基調となっていることに変化はないが、少し広がっていることが見受けられる。
赤い公園、FRONTIER BACKYARD、サンボマスターに川嶋あいなど、「オシャレ」と言われる渋谷系とは縁が無さそうなアーティストが曲提供をしている(赤い公園やFRONTIER BACKYARDはバックをバンド本人たちが演奏している)。
各アーティストはそれぞれ自分の個性を殺すことなくアルバムに広がりを与えており、スカパンクな"週末シンデレラ"、フィードバックなギターが心地いい"クレンジングラブ"、80sポップスな"齧りかけの林檎"、予想外にかわいらしいバラードな"永遠にキミのことを愛したいと言わせて"などなど、前作に比べ音楽性という面ではバラエティに富んだ一枚といえる。
しかしそれではまとまりが無くなっているかと言われれば、むしろ逆である。

今回のこの『Colore Serenata』は、コンセプトアルバムとなっている。
モチーフは「プリンセス」だそうで、全体を通して歌詞は「恋に恋したお姫様が外の世界を夢見て飛び出す」という、ディズニーなどでよくある童話の流れを汲んでいる。
一例を挙げてみよう。
「パパよりも好きな人ができたの 旅立ち Flying high 恋するみつばち」
「週末ちゃんとする時間もない 平日ほんと寝る時間ない ほんの今日くらいはいいでしょ?」
「慌てなければ 望まなければ 平和な日々過ごしてきたのに」
「甘いだけじゃ足りない 辛いだけじゃせつない 欲張りでもいいでしょ?」
作詞も先ほど書いたアーティストに一任しているとは思えないほどに一貫したトーンがアルバム全体に通じている。これはコンセプトについての説明やディレクションを相当したのではないかと推測される。
また、作曲面においても、バンドサウンドを基本としたカラフルなポップスという全体的なトーンがあり、ドラムの鳴りやギターサウンドなどプロダクションにおいても統一感が見られる。
といってもこのようなモチーフはアイドルが歌うにおいて典型的と言ってもいいものではあり、これが彼女としての表現となっているかは難しいところである。
もし、彼女が冒頭で書いたような状況にいなければ。

最近ネットでよく見る言葉に「オタサーの姫」というものがある。
バカバカしいので意味は説明しないが、言ってしまえばアイドル声優そのものが大きなオタサーの姫と言える。
いわゆる飲みサーのようなリア充空間…つまり女性価値における戦場で戦う気力のない女性たちが、オタク業界というランクの低い場所へと降りてその希少価値を高める。そのような側面が、間違いなくアイドル声優にはあるというのは否定しがたい事実だろう。
彼女らは従える豚の強い忠誠心の証として金銭を受け取り、その代償として処女妄想に出来る限り殉じる。自らの思った通りに生きてかつそのマイナスを超える性的価値を保持し続ける誰が言ったかSATC女子とは逆の、妥協点と馴れ合いの世界。
何度も言うように女性声優業界その全てがそうだとは断じて思わない。だがしかし、「声優」という本来アイドルと全く関係ない肩書を忘れて唾棄すべき演技を堂々と垂れ流しながらくだらないアーティスト活動だの写真集撮影だのに勤しむ声優たちと、それをただただアイドルとしてだけ見て追い掛け回し、だがそこに少しでも男の影を見出せばまとめて襲いかかるファンともいえないような連中を見ていると、何があるべき姿なのかわからなくなってくる思いが頭をよぎる。

そんな中で彼女は歌う。
このアルバムのリードトラックである"クレンジングラブ"。
SMAPからゆるキャラにまで曲提供するポップさを持ちながら、天井潤之介氏を虜にするような音楽性も併せ持つ特異なバンド「赤い公園」が作詞作曲編曲演奏全てを担うこの曲で、ポップスとは思えない朴訥としたドラムとベース、攻撃的なディストーションギターを後ろに彼女はこう歌う。
「知ったふうなふりして私を語らないで 胸の内は誰にも見せはしないのよ
とんだ可愛い私を信じないで 柄でもないわけでもなくないはずもない
人並みに疲れるしあぐらもかくけれど 私の泣き声を私は知らない
クレンジングラブ ほらさらけ出す 何より危ない秘密よ
シャララ さあ歌いましょ お化粧を落としたほんとの声で」
誰よりも豚どもの理想を叶えている彼女は、一体どんな気持ちでこう歌っているのか。
嘘だと知って騙される豚どもはどんな気持ちでこれを聞いているのか?

彼女のライブに行った。
驚いたのは開催一週間前にまだチケットを買えたということで、確か即完だと聞いている花澤香菜とは随分差を開けられたのかなという印象だった。
そこにはもちろん人生の9割を竹達に捧げているような連中ばかりで、もはや驚くこともないけれど、逆に少しだけ見えるグッズを買うために並ぶ若い女性はどんな心境で彼女のライブに行くのか気になりもした。
バンドはベース沖井さんキーボード小林さん、ギターがヒックスヴィルの小暮さんにドラムがノーザンブライトのゲンさんということで、まさに渋谷系バンドといったところか。
カラフルな音像が特徴でもあった竹達のライブにストリングスやブラスがなかったのは少し残念ではあったが、もちろんオケで流すし何よりそのバンドの実力はまさにそこらのバンドなど勝負にならないほどであり、かといってアニソンバンドのようなセッションミュージシャンじみたつまらん演奏もほとんどなく、沖井さんは飛び跳ねながら冗談みたいな音量のベースをうねらせ、ゲンさんは手数の多いエネルギッシュな演奏で場を沸かせた。
アンコール、本当に仲の良さそうなバンドの紹介の後、最後の曲は"ライスとぅミートゅー"だった。
まるで緊張の糸が切れたかのように彼女はあちこち走り回り、歌詞を間違え、楽しそうに「アイラブビーフ!アイラブポーク!」とコール&レスポンスをしていた。
俺は最初1stを借りた時、鉄壁のアーティストを揃えてこんなバカな曲を作る発想が全くわからなかった。だが、今なら少しだけ分かる。
彼女ははみ出そうとしているのだろう。
清楚で可憐な女性声優というイメージから。豚どもの妄想から。
それはもちろん平野綾のように大きく逸脱しようという試みではない。ファンは間違いなく大切な存在だろうし、美貌を持つ女性が全てその性的魅力を最大限武器にして生きていかなければいけないという道理はない。
ただ、真綿のように首を絞める監視社会で、イメージを恥じることなく押し付け非難する連中を相手に、一瞬でもただ歌う女性でいたいという願いを叶えたのがこのアルバムだったのかなと思う。
そしてそれは決してつまらない彼女の逃避願望で終わるとも思えない。
花澤香菜のような等身大じみたイメージとも、お仕着せのアニソン歌手とも、坂本真綾のようなアーティスト然とした態度とも違う、このイマジネーションに溢れたカラフルなファンタジーを受け取る人は、それこそYUKIやきゃりーぱみゅぱみゅのように、きっとどこかにいるはずだ。
そしてより強固なファンタジーを持つ悠木碧が彼女と近しいという事実は何かを表しているに違いない。
悠木碧のアルバムが2月に出る。ライブも春にやる。
楽しみだ。
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