瀬戸の花嫁は個人的２００８最高のアニメだった。
グレンラガンもすばらしかったが，どちらにも共通しているのが意識的なエンターティメント性の強調といえる。
エヴァ以降，もはや基本とすら言えるほどロボものは哲学を必要とし，俗に言うスーパーロボットものはもはやギャグの産物と成り果てていたそのとき，八十年代スーパーロボットものをパロディ化（シンボル化？）した脚本と戦闘，必殺技，そして絶叫にあふれたカタルシスの権化のような演出で一世を風靡（残念ながらフォロアーは生まれなかったが…）したグレンラガン。
そしてそれと双璧をなすのが瀬戸の花嫁だ。
学園コメディ，と言えばもはや超巨大クリシェといえるが，そこに　ドタバタ　をつけると一気にその数は減る。
ましてやごくごく単純明快なキャラに節操ゼロの設定，そしてウンチクゼロのハイテンションコメディとなるともはやそれはひとつしかなくなる。
随所にうる星やつらの引用が見られるこの漫画では，テーマはない。シリアスシーンはほぼゼロ，それこそグレンラガンのような絶叫バトルシーンとおざなり程度にはさまれる恋愛シーン，そしてほとんどすべてを埋め尽くすギャグ，ギャグ，ギャグ。それも声優，作画，SE全てに力をこめられたギャグだ。
とかく最近のアニメは頭を使いすぎる。谷口悟郎は　アニメは作品ではなく商品だ　といった。くだらない自己満足のアート性に身をゆだねる時間があったらそろそろ誰もが笑わずにいられないギャグアニメを本気で作ってみてはどうか？