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ここは管理人u16の趣味雑記をのせたブログです
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ZAZEN BOYZ@渋谷AX(12/20)を見てきました。

ザゼンの単独は4のレコ発→一昨年の年末に続き三度目。
最初は1stと3rdを未聴で行き"RIFF MAN"すら知らずに慌てふためくという愚行を犯し、その次の赤坂ブリッツでは普段やらない曲をやるというコンセプトのライブだったせいでやっぱり知らない曲ばかりで慌てふためくという悲しい思い出が浮かんでしまうザゼンではあるが、ライブ自体が外れだったことは一度もないうえ今回は死ぬほど聞き込んだ『すとーりーず』のレコ発、しかも曲はそれこそ"半透明少女関係"までYoutubeで予習したうえでの今回のライブ。間違いなく楽しめるに違いないと喜び勇んで渋谷にレッツゴー。

7時にバンドの面々が登場。相変わらずの面々であるが、ドラムの松本さんが髪結わえてた。だよね!あの長い髪邪魔だったよね!だろうと思ってたよ!
そして中心に固まって配置された楽器をそれぞれが手に取り、裂帛のカウントとともに爆音を打ち鳴らす。それを四回ほど繰り返した後さっそく『すとーりーず』から"サンドペーパーざらざら"。まあ当たり前というかその腕はいささかも衰えておらず、鳴らす音のキレは本当に半端ない。ここまで完璧に爆音で鳴らされるとほとんどCD通りでも全然違うものに聞こえる。
んでそっから"RIFF MAN""HIMITSU GIRL'S TOP SECRET""SI・GE・KI"と代表曲を連打。"RIFF MAN"はもちろん移民の歌アレンジで、何度聞いてもアガらざるをえない。
そしてそこからは『すとーりーず』の曲を中心とした流れに。基本的にはCD通りだが、その複雑な曲構成にも全くバンドがぶれるようなことはなく、そのミニマルかつスリリングなグルーヴには単純なリズムとは違うファンキーさがあって聞いてて本当に楽しい。むちゃくちゃなように見えて実は完璧に息があっているこの四人のアンサンブルは月並みな表現で申し訳ないが本当にケミストリーというものが見えて、またその楽しそうに演奏する姿を見てもうメンバー変更はないだろうなと勝手に確信してしまう。
ただ個人的にすごく期待してた"天狗"もアレンジゼロで盛り上がりもしなかったのはちょっとショックだったかな。ボーカルの音がちっちゃかったせいであの落語調のラップ?が聞こえなかったのも少し残念だった。もちろんかっこよかったけど。
そういう意味で「これは明らかに今後のライブで演奏されていくだろうな」と思ったのは"サイボーグのオバケ"。小気味いいカッティングのリフ主体の4/4拍子ファンクは意外とありそうでなかったし、ブレイクの使い方も非常に意識的でライブ映えする。しかも曲が終わった後もベースだけ残して、そのあと向井がいつものMC悪ふざけをした後カウント→再度爆発の流れはザゼンにしては珍しいほどベタでこれはこれからのライブのいい味付けになるだろうと思った。
んでそのあとなんとあの坂田明氏が客演(普通に告知されてたらしいね…情弱で申し訳ない)。
『すとーりーず』にもサックスは一つとして無かったし、ジャムっぽい要素も薄かったわけで、いったいどういう風に使うのか…やっぱり"SUGAR MAN"とか"赤とんぼ"とかやって終わりかな?と勝手に想像してたわけですが、そこはさすがザゼンボーイズ予想を裏切ることに関してはもはや右に出るものなし。まさかの"暗黒屋"を地獄のノイズソングに大変身というとんでもない技に出てきたのだ。
まあ確かにある意味でゆら帝の"ロボットでした"のような意味でフリージャズ…というかキャプテン・ビーフハートやペル・ウブのような変態ガレージサイケに近い曲ではあったが、しかし一切ジャム部分もノイズ部分もないこの曲であそこまでキチガイじみたドロドロのノイズジャムを繰り出そうとは…いやはや向井の音楽素養には恐れ入る。
無論客も終始フリーズしたままだったが、それに罪悪感でも感じたのか次の"COLD BEAT"では間奏で何とカシオマンに吉田さんに坂田氏まで歌わせて、挙句の果てには観客にまでコーラスを求めるというザゼンでは珍しいほどフレンドリーな一面を見せていて、それはそれで面白かった。
そして本編ラストはなぜか(というわけでもないが)"はあとぶれいく"で〆。やたら熱唱していたのは本当になぜだったのか。とても何となくだが前回の赤坂ブリッツでなぜか二回も歌ったThe Smithの"This Charming Man"を思い出した。
そしてアンコール。向井秀徳はストラトを持ち、他の面々は楽器を持たずにマイクの前に並ぶ。坂田氏も現れその手にはサックス。はてアカペラ安眠棒かな?と思ったら何と"KIMOCHI"!ストラトの美しいアルペジオに坂田氏が先ほどの鬼気迫るフリーサックスとは真逆のあまーいメロディを乗せ、そして四人全員でゴスペラーズよろしくガチであのド直球ラブソングを歌い上げる!しかもきっちり一人ずつソロパートがあり、全員無駄にうまいwいやーほんと今回はザゼンのひょうきんというかユーモアな部分がこれ以上ないほどよく現れたライブだった。なんかホモくさいと思ったのは内緒だ。
そしてラストは"Asobi"。いつも通りのサイケデリックでクールなハウス仕様で素晴らしいものだった。

まあ本領というわけではないし『すとーりーず』のレコ発としてはそのポテンシャルをしっかりと転化できたライブだったとは少し言えないかなとは思うが、ザゼンの違った側面…ユーモアや楽しさ、そしてアヴァンギャルドさがいつもよりずっと前面に出ていてなかなか刺激的だった。
それこそ"RIFF MAN"とか"HIMITSU~"的な変拍子ファンクをずっとやっていくわけにはいかないわけで、『すとーりーず』はシンセやイーブンキックなどというような飛び道具を使わずにそこから抜け出ようとしたアルバムだと個人的には思っているんだけど、今回のライブもそういう意図というか…ザゼンボーイズの底知れなさとでもいうべきものが垣間見れたと思う。
ぜひ『すとーりーず』の曲を今後のライブでさらに練り上げ、今までの曲ともっとうまく融合させたライブを見てみたいと思う。

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もう師走。
ということで色々総括していこうかなと。今回は音楽で。
今年よく聞いたアルバムを適当に挙げていきます。

Live Album - James Blake
ひこうき雲 - 荒井由実
Life - 小沢健二
Centipede Hz - Animal Collective
Singles - Flipper's Guitar
Take Care - Drake
グレイテスト・ヒッツ! - 山下達郎
すとーりーず - ZAZEN BOYZ
元気ですか - 中島みゆき
The Essential Simon & Garfunke - Simon & Garfunke
The Keychain Collection - Gang Colours

とにかくいえるのはメロウなものばかり求めた一年だったということ。
アニソンに走りまくったのも渋谷系やニューミュージック、大瀧詠一関連にはまったのも何もかも全てその一言で説明がついてしまう。就活に苦労した一年でもあったのでそのせいだとは思うが…あれほどアニメにはウンチクぶちまかしておいて音楽となると我ながら批評性のひの字もねーなと反省するほど。

というわけで癒しを求めた上の10枚なわけですが、その中でも上位二つは圧倒的。
去年あれだけ騒がれたJames Blakeをまた挙げるなんて恥ずかしい話ですが、あの声とライブならではの刺激的な音像は傷ついた心に最適すぎて抗えない。特に"A Case Of You"~"Love What Happend Here"の美しさと言ったら…Mogwai『Mr.Beast』と同じくらい繰り返して聞いた。
"Love What Happend Here"のライブヴァージョンはぜひ聞いてください(http://www.youtube.com/watch?v=u5ecVFFZglY)。どうやら最近ライブでやっている新曲も同様の路線のようで、次のアルバムが楽しみでしょうがない。もうこの人はダブステとか関係ないと思う。ただの天才的なソウルシンガーでシンガーソングライター。
そういう意味で『ひこうき雲』も同じような聞き方かな。一曲目(http://www.youtube.com/watch?v=M-qCuF-qQIU)が美しすぎて聞くたび泣きそうになる。もっと早く聞いていればよかった。この音数の少なさ、メロの独特な美しさ、歌の細さと力強さは俺の中でかなりJames Blakeと合致する。感情を吐き出すのではなくできる限り抑えて、そのうえで滲み出るような感覚。まあ優れたSSWって大体そうかもしれないけど。特にこの作品は全体的に悲壮感はないんだけどどこか物悲しい感じが通底としてあって、何度も聞けた。
あとオザケンはいい発見だった。俺の中で"ラブリー"と"ドアをノックするのは誰だ?"は春香さんが歌っている。まっすぐに明るい歌詞と曲はアホみたいな表現だがウキウキするなと。だけどくだらない自己肯定だのR&Bのパクリだのセンスのない感じでももちろんなく、パーフリといいこんなのがオリコンを賑わせていた90sがうらやましくてしょうがない。"今夜はブギー・バック"とかハルカリカヴァーしか知らなかったけどそりゃオザケンファンが切れるわけだよあんなカヴァーじゃ。上の話じゃないけどこういう地味で物悲しい感じだからいいんだろうと。あんなロッキンエレクトロにしたら何の意味もない。ぜひ声優にカヴァーさせてアニメのOPとかにしてくれ!
あとはまあ…ただのポップスかな。
ただ、アニコレとザゼンの新譜はそんな緩みきった俺の耳にもしっかり届いた。どちらもライブ感のあるリズムの強いアルバムで、なかなか熱くなれました。
ザゼンは来週ライブに行くのでとても楽しみ。

個人的に期待してたBeach HouseとGrizzly Bearの新譜がかなり微妙だったのが痛かった(あとMogwaiのリミクスアルバムも)。明らかに前回の延長上なんだけどメロがとても弱くて、いや俺がメロばっか気にしすぎだったせいももちろんあるんだけど…うーん。そんなアルバム出した時に限ってどっちも単独来日するっていうね。悩むわ。
それでも何とかEmeraldsやItalとかは追ってたし、今でもAsap RockyとかSpaceghostharp、Kendric Lammer周辺はDrakeの2ndにはまった自分としては買いたいなと思うし、ノイズ系もエレキング参考にいろいろ買っていきたいなーとは思ってるんですけどねー。金が…ほんと世の中金ですわ。

逆にアニソンにはかなりはまった。
まず何をおいてもアイマス曲。"Colorfull Days"と"shiny smile"はもはや俺の中で"ひこうき雲"と同レベルの神曲。歌詞もよすぎる。んでアニメもあんな神とあっちゃそりゃ就活中USインディもダブステも目もくれずアイマス曲リピートしまくるというものです。
生すかも前半は素晴らしいの一言だった(後半はあまりにも順当な選曲過ぎて微妙だったけど)。正直上でいった渋谷系や大瀧詠一回帰は完全にこれのおかげ。ミキミキの"ねーえ?"と"夢で逢えたら"は珠玉。それぞれの書下ろしもとてもレベルが高いし、いやーアイマスサウンドスタッフは化け物揃いすぎて何なんだろうねほんと。
他にも最近曲をダウソで買うということを覚えたので、単体で色々買っている。ほんとアニソンって安いし色々思い入れあるしでどうしてもこっちに流れちゃうんだよね。いかんなぁとは思うけど。

来年はもう少しきっちりインディを追っていこうと思います。洋楽も邦楽も(毎年言ってる気がするな…)。
まあね!来年からは社会人ですから!お金腐るほどできますから!ええもうCD買いまくりですよ!月に10枚は基本ですよ!ライブもフェスもガンガンですよ!え?ライブもフェスも行けるわけない?知らねーわ!死んでも行ってやるわ!こちとら社会人の奴らに脅されまくりでもう早くもやってられない度MAXだっつーんだよ!もうヤケになって買ってくしかねーだろーがよ!モラトリアム終了ですよ!地獄の日々スタ→トスタ→ですよ!日頃の鬱憤モッシュとダイブで解消ですよ!うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお

『中二病でも恋がしたい!』の最新話をみて考え込んでしまった。
よくできたアニメである。アニメとしての品質がすごく高いのは京アニだから当然(これも凄いことだが)として、シナリオも分かりやすいうえに楽しく、中二病というギミックをラブコメに活用するその手腕は誰でも思いつくようなものと言えばそうだがかなり綺麗であり、キャラもしっかりかわいく書かれているし本当の良くてできてはいるなと感心した。
だというのに全く引き込まれない。
むしろイライラする。回を重ねるごとにムカついてくる。基本的に『シュタゲ』とかでも中二病系痛いギャグはあまり好きじゃなかった方なのでギャグに関しては体質としてしょうがないと思いつつも、ここまで山場になって、先述した上手さが発揮されてきてもやっぱりイライラは止まることがない。
なぜだろう。まあ素直に切れよという話なのだが。
ネットでは真面目に見てる人はほとんど絶賛という感じなのでどうも探しても答えが見当たらない。もし俺のように訳も分からずイライラしている人がいたらと、自分なりに出した答えを書いてみたいと思う。

俺はまずこのアニメを見て『ハルヒ』を思い出した。
お前電波女の時もんなこと言ってたね?とか言われそうでまあその通りなのだが(http://u16n.3rin.net/Entry/154/)、そりゃそうというか要するに『電波女』も『中二病』も『ハルヒ』直系のラブコメ青春ものだと思っている。
んで、どの辺が『ハルヒ』かはちょっと考えればわかるので置いといて『ハルヒ』との違いについてだが、大きく言える違いはヒロインの扱いだろう。
ハルヒは間違いなく中二病であり、周りもしゃーねーなこいつという目で見ていたが、結局はその中二病的な誇大妄想とそれに基づいた行動力が魅力的な女性ということになっていた。
が、『中二病』においてはヒロインはマジでかわいそうな女の子である。
中二病のせいでまともに友達もおらず、しかもその中二病も父親が死んだせいであり、守ってあげなくちゃしょうがないかわいそうな女の子だ。
俺はまずここが許せない。
結局中二病なハルヒを主人公が(同情とかじゃなく)好きになるからいいのである。『ハルヒ』においてキョンがハルヒを守ってあげる描写など一つもない。ハルヒは確かに痛いが逆に言えば夢を持ち自分を持った女として書いてあるからである。そこにキョンは惚れる。
それをマジでかわいそうな女の子にしたらそれこそ上で貼った『電波女』の記事で書いた「メンヘラ美少女を助けるクールな俺というオナニー視点から脱却していない」という批判が丸々当てはまるじゃねーかということである(電波女もそうだろうがという人は記事を読め!)。
何が悪い。所詮アニメのヒロインなどチンポしゃぶり機。萌えアニメなど風俗!オナニー視点で当然だろう!という方もいるかもしらん。正直俺もその気持ち少しわかる。
俺だって怖いくらいに自我ありまくりの岡田磨里ヒロインも正直あまり好きではない。話のヒロインとしてはいいと思うがキャラとして萌えるかというとノーサンキューである。いやむしろその気持ちがわかるからこそ、だからといってヒロインのエゴをエロ同人よろしく消去しまくりただただ主人公に惚れて好きだ好きだいうだけのマシーンとしてしまっていいのかという話だ。話として面白いかとかこれだからオタクはみたいな旧世代ジジイのつまらん説教ではない。お前それで萌えんのか!?そんな単純でいいのか!!という話である。
むしろそういうつまらんヒロインが嫌だからきりりんやあずにゃんのような一応それなりのプライドというか自我を持ちつつでも最終的にはチンポしゃぶりまーす!な絶妙なバランスのキャラ(いや結局チンポしゃぶるんかーい!と言われそうだがそのバランスが大事なんだって!)がみんなに好かれていると勝手に考えていたのだが、ここまで『中二病』がもてはやされる現状を見てると考えを改めざるを得ない。

そういう意味で『中二病』の主人公も許せない。典っ型的ゼロ年代主人公である。
色恋興味ありません。友達のあいつはなんかやたらモテるかどうとか気にしてるけどどうせ女性なんて俺には関係ないし。だけどあの子はかわいそうだから、別にその子と付き合えるとかセックスできるとかそういう事なんてまあああああああったく頭にないけどでも気が引けるし助けちゃう!あれ?お前俺に惚れてたの?いやぁ気づかなかったなぁだってほらお前を助けたの純粋に義侠心からだし!まあでも好きっていうならお前意外とかわいいし付き合っちゃう?
死ねえええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
死ね!マジで死ね!こういう主人公全滅しろ!リトも死ぬ?一夏さんも京介も死ぬ?いいよもうしょうがない!他のごまんといるゴミクズ主人公ぶっ潰せるならもうそれは避けられない犠牲というやつだよマジで!
何なん?何なんお前?んなわけねえだろ。そんな高校生男子いるわけねえだろ!いいか高校生男子なんてな!若い女がいりゃまずセックスするかどうか考えるもんなんだよ!とりあえずできるかどうかとかそういうの置いといてまあまず下らん妄想するもんなんだよ!それを表に出して努力する奴がDQNで「いや…別にそんなん興味ねえから」とか強がっておいて裏で悶々としてるのがオタクってだけなんだよ!マジで興味ねえ奴なんているわけねんだよ!それがはるか昔から未来永劫続く生物の本能ってもんなんだよ!何お前チンコついてんの?去勢でもされたの!?
あの子はかわいそうだから?義侠心で助けただけ?
ふ ざ け る な
いいか例え百歩譲ってそうだとしても!助けた時点ではそういう対象としてみてなかったとしても!もしいい感じになってきたら意識しまくるに決まってんだろうが!ヤれるかどうかむっちゃ考えるにきまってるだろうが!かわいいんだろ?かわいこちゃんランキング(爆笑)四位なんだろ!?そんな奴となんかいい感じになった瞬間爆裂的に頭はエロモードでヤるためだけに全てを懸けるもしくは全然気にしてない素振りを見せつつ会うときいつでもそういう妄想が頭から離れなくなるそれが男子高校生ってもんだろうがアホかああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
失礼。
多分に偏見(というか自己体験からくる悲しいコンプレックス)が混ざっていることは認めます。
だが、少なくとも上で書いたような主人公がもう沈黙シリーズのスティーブンセガールくらい共感とは程遠いキャラであることは疑いの余地がないと思う。
むろんアニメとはファンタジーであり、いくらラブコメとはいえ共感とは違う尺度でのキャラ造形というは当然あり、くみん先輩などの例を見るに『中二病』というアニメはあまりリアリティを重視しない方向であるというのは見て取れる。
が、くみん先輩を異種とみるレベルのリアリティは間違いなく存在してるわけで、そこに平然とああいうヒロインや主人公をぶち込めてあまつさえその関係性は異種としない(つまり森サマーに「あんたいい加減ぶりっこやめなよ」と言わせながら主人公の友達に「お前いい加減その女に興味ないポーズやめろよ」と言わせない)リアリティの尺度の混在というかずれがやはり俺のイライラを加速させるのだと思う。
根底にあるのはオタク全体の「女なんて興味ない」ポーズの蔓延である。
いいじゃないか恋に生きて。愛を叫んで何が悪い。病気とか世界の危機とかそんなん関係なくただ女が好きだから好きだと叫ぶその心に共感できない気持ちはわからんでもないが、しかしだからといってここまで主人公を去勢して自分にリンクさせるその気持ち悪さはさすがにわからん。
そんな去勢されたフリの連中にこそアマガミ二期ラストを見てほしい。これぞ愛を叫ぶケモノの美しさである。恥も外聞もすべて捨てて叫ぶその姿こそラブコメの真骨頂であったはずである。何も障害なく、ただただすり寄ってくる女が好きだといったその瞬間にようやく恋に目覚めるような白馬の王子様症候群野郎がセックスする場面などではなかったはずだ。
『電波女』も確かにそんな感じはある。だがやはり大事なのは、主人公の丹羽がエリオを助けた理由に間違いなく「エリオがかわいいから」という非っ常に下い理由が含まれているという事実だ。これがあるとなしとではこの作品の価値は大違いになる。
そして何より3話である。
エリオを現実に戻すため海に飛び込んだとき、二人は決して仲が良くならない。あんな素晴らしいラブコメイベントの後彼らは口喧嘩を重ね、「なぜこんなことをする!?」と怒りの表情で叫ぶエリオに丹羽はこういう。
「みんななかよく!」
くだらない戯言である。エリオもそういう。「嘘くさい。私は傷ついた!」そして丹羽がさらにこういう。「絶対に傷つけあわないまま円満に終わる関係なんてないだろ」と。そこで初めてエリオは笑う。わかるだろうか?これはそういうことである。絶対に傷つけあわないまま円満に終わる関係なんてないのだ!でもみんなかよくするのだ!そんな関係の代表こそが恋愛なのだ!
俺はこれを見て『宮本から君へ』という漫画を思い出した。それはある意味で上のような誰も傷つけあわないラブコメへの批判だと思う。『電波女』はただのエリオちゃんがかわいいハーレムものなどではない。もっともっと複雑な視座から書いた、それこそ『ハルヒ』のさらに先を行く現代流ラブコメなのだ。
『中二病』も確かに傷つけた。主人公は「中二病をやめろ」といった。だがそれは傷つけ「合い」ではない。主人公は攻撃されない。唯一されそうな部分もカットしていたし、そのシーンもあくまで「逃避するヒロインに言い聞かせる」というものだっただろう。当然だ。何しろヒロインはチンポしゃぶり機なのだから。その歯は全て抜いてあるのだから!
きっとこの後ヒロインは主人公の言う通り中二病をやめるのだろう。しかしそれを悪く思った主人公がヒロインを後押しし、彼女は中二病に戻るのだろう。吐き気がする。全て主人公の思い通りだ!ヒロインに自我などない。落ちた女はただただ男の言う事を聞いて、突っ込まれたチンコの気持ちよさにそのトラウマすらも忘れ去るわけだ!女が社会性を取り戻すかも、社会などに寄りかからない夢を持った人間になるのかも男次第というわけだ!そしてその女の変化に男は何一つ影響も受けない!
そんなことはない?六花のおかげで主人公は中二病を許せるように成長できた?そんなの免罪符どころかギャグにもならない。だって今まで9話かけて「中二病=恥ずかしい」というクソみたいな等式を描いてきたじゃないか!六花もいじめられない。誰も中二病を忌避しない。『電波女』や『ハルヒ』のように中二病を嫌う周りを描かないことで、全てを笑いに転化して決してシリアスにしないことで、何よりも六花の中二病という病気を父親の死とかいうテンプレもいいところなトラウマと繋げることで、中二病もいいと思えることを当り前で当然のことにしてきたじゃないか!
大体にして六花の中二病を必死に直そうとする周りが意味わからん。お母さんが戸惑う?現実を見てない?アホか。お母さんあまりにも子育て不慣れすぎますよ。そんなんそれこそ中二病だからの笑い話だろうが!現実を見てるんだろ六花は!?まともだけど父親の死が受け入れられない(笑)から中二病なんだろ!?じゃあほっときゃ治るだろ!周りは治ってるだろ!もし父親の死で治らねえんだったらそれはもう「父親の死を受け入れられない」っていう病気だよ!それはまた違う処方箋だよ!少なくとも中二病やめさせることで治るのおかしいだろ!むしろ家族みんな「中二病だねー」で笑って済ませてるけど主人公だけ悩むくらいがちょうどいいだろ!
俺にとって9話以降のシリアス展開はつまらん恥ずかしいことに四苦八苦する愚か者か、もしくはトラウマで籠る女の子を助けるよくあるギャルゲ展開である。間違っても男と女が恋という戦争をするラブコメなどではない。

『さくら荘のペットな彼女』が批判されている。
何故かというとリアリティがないかららしい。曰く「イギリスに無理やり帰したところでいい絵が描けるわけない」「漫画と両立できるだろ」「親が言うならともかく友人がしゃしゃり出るか」「美術界に評価などない」。
まあ俺としても正直出来がいいとは思わない。確かに荒が目立つ。エゴも強すぎて共感しにくい。いろんな意味で取材というか情報を得た上で書いているような感じはしない。
だが、俺は『さくら荘』の方が『中二病』より圧倒的に好きだ。
空太が打ちのめされるからだ。ましろも七海もリタも先輩も全て、空太を苦悩に突き落とす。もちろんラノベのマナーとして下の意味では『中二病』の何倍もチンポしゃぶり機である。だが話としては明らかに主人公をひたすら打ちのめすようにできている。
確かによくわからない理由で空太を好きになる女が二人もいる。だがただすり寄るだけの女ではない。彼女たちには夢という空太よりも大事なものがある。そのためなら空太に好かれなくてもいい。むしろ空太を傷つけるようなことになってもしょうがないと考えている。そして空太は彼らを見て、時には羨み時には嫉妬し時には影響を受けて時には反発しあい、もちろん空太自体も周りに影響を与えて夢へと必死に進んでいく。
そんなの当り前だ。自分のことを何よりも優先させる女などいるはずがない。周りに影響され、周りに影響させて生きていくのが人生であり物語なのだ。だというのにそんな女が蔓延してる。ハーレムアニメなら構わない。それを作る全ての人、見る全ての人が風俗だと自覚しているから。
だが、むしろそれと対極にあるべきラブコメアニメで、しかも上っ面では古き良き純愛もののような書き方をしつつ、だがその実ヒロインと主人公の関係性が完璧にハーレムものでしかない紛い物をみると、そしてそれを何も考えず賛美する連中を見ると、俺ははらわたが煮えくり返りそうになる。本当にペットな彼女なのはましろではない。六花だ。
言っておくが俺はアニメの風俗部分を、ハーレムものを全否定する気など全くない。むしろ大好きである。『IS』『ロッテ』『おにあい』『武装神姫』どんとこいである。もしハーレム嫌いだったら素直に冒頭で「『とらドラ』こそリアルな恋愛ぃ!」とかいう戯言を吐いている。そっちのほうが明らかにわかりやすい。
だが違うのだ。男向けのラブコメは『とらドラ』のようなものを目指してほしくない。『ハルヒ』『電波女』そして『さくら荘』のようなアニメを目指してほしい。確かに男のためのエロを書きつつ、ただそれを、自分の風俗具合をしっかり把握して、そのうえでしっかりと傷つけあう関係を書くべきだとそう信じている。
確かに『中二病』はよくできたアニメである。アニメとしても話としてもとてもよくできたエンターテイメント作品である。だがあらゆる意味でそこにエゴはない。ただ人を悦ばせることしかできないアニメである。
それはそれでいいだろう。ある意味で『おにあい』も『武装神姫』もそうだ。しかし彼らには「風俗アニメを作ろう」という強い意志があり、そのサービス精神はまた違う意味での個性、エゴとなり、俺を楽しませてくれる。
『中二病』のスタッフはきっと「いいアニメを作ろう」としか考えていない。自らの作るアニメの嘘くささに気づくことなく、これが真摯なアニメだと勘違いしてひたすらに作っている。だがそれは真摯などではない。本当に真摯なのはいい悪いなどという尺度を完全に諦めている『武装神姫』の横谷氏であり『おにあい』の川口氏である。
京アニは『日常』から「いいアニメを作ろう」と考え始めているように思う。それは無理だ。彼らにそんなことはもうできないと俺は思う。お餅など書いたところでもうどうしようもない。いいからブヒれるだけのハーレムアニメ作ってろよ。心からそう思う。

裏って表がなんだよという話ですが。
あんまりバカ売れとかはしてないけどこれはやべーな!というアニソンを紹介したいと思います。


1.HELP!!-HELL SIDE- (作詞:こだまさおり 作曲:corin)
http://www.youtube.com/watch?v=BkWbqTfU-uY

とにかくこんな凄いロックンロールがこんなアニソン僻地に存在することに驚いた。
「はぁ?どうせ無駄にメロがいいメタルもどきだろ」という方は黙って上のURLをクリック。
シャッフルじみたドラムにバカみたいに音がでかいベースがひなっちのようにブリブリうなり、つまらんフレーズなど弾かずひたすらパワーコードのギターは勢いだけがありまくり、そして竹達のヘッタクソな歌はメロを捨てラップに近い速射砲リリックにすることで解決。むしろきちんと曲の意図を読んだノリノリな歌唱はとてもマッチしてる。
とにかくリズム隊が異常。ドラムとか何なの?馬鹿なの?ってくらい無茶苦茶。二回目のブリッジとか普通にアホみたいな8ビートが蔓延るこのアニソン界…いや邦楽界でここまでぶっ飛んだドラム叩ける奴がいるとは。残念なことにCDにも表記がないが、作曲のcorinが結構なオリコン作家なのでセッションミュージシャンか…しかしすごい。ちなみに完全に原作のキャラを把握し、その特徴をしっかりつかみつつ個性をだし曲との融合を果たす完璧な作詞をみせるこだまさおりは今アニソン界で畑亜紀に次ぐ売れっ子作家なので要注目である。
というわけで第一弾はこれ。まあアニメ自体は如何ともしがたかったがOPだけは死ぬほど素晴らしかったので、アニソンにガチで注目しだしたきっかけのような曲(注意:HEVEN SIDEは大したことないです)。


2.BEAM my BEAM  (作詞:只野菜摘 作曲:Low-tech son)
http://www.youtube.com/watch?v=Ve4VIX3yG2s

二回目サビの前に無音(作曲者いわくわざと)が入ったことで無駄に有名になった曲である。
一応言っておくと俺も無音はいらなかったと思う。
だがそれを補って余りある素晴らしさがこの曲にはある。
まあ言ってしまえばよくあるヒロインみんなで歌おうEDなのだが、まず歌詞がやばい。
ひたすら無駄にバカ明るい、「あなたのチカラにわたしのチカラを 無限大パズルがかさなる!」「最高のパートナーシップ Forceを結んで限界のFenceきっと乗り越える」頭悪ぃ!マジ頭悪ぃ!だがその無茶苦茶ともいえる明るさは、もうMOSAIC.WAVE直系躁全開爆裂ノリノリ電波アニソンの上に載ることでなんかもうよくわかんないパワーを生む。ギターにキーボードによくわかんないSEになぜかリズムはドラムンベースでちょっと落ち着け!もうちょっと整理しよう!と言いたくなるクソアニソンの典型サウンドデザインなのだが、意外といいメロとアニメのアホみたいなハーレムノリが合わさってここまで突き抜けられると許せてしまう(間奏のジャジーなピアノも楽しい)。
ハイライトはラストサビ前である。「一緒にいると世界が広がる 信じる女の子は無敵 パラレルパノラマ大冒険!」「どんな女の子だって好きな人のためになら何一つ後悔しないよ!」そして最後のコーラスへと続く。びーまいびー!らぶごーずおん!びーまいびー!らぶごーずおん!…なんか泣けてくる。
ちなみにこれのカップリングも素晴らしい萌え渋谷系で最高なのだがそれはまた別の話。


3.ワグナリア賛歌~a day of 伊波まひる (作詞:uRy 作曲:岡部啓一 編曲:田中秀和)
http://www.pideo.net/video/xuite/e394f9b7fa245cce/

『WORKING!!』のキャラソンの一つである。
まあ正直この企画は微妙だった!
というか男陣の曲があまりにも微妙で泣けた。一応全部買いましたよ…買いましたけどー!なんかこう普通のロック過ぎるんだよ!歌もキモいし!歌詞もキモいし!え?女も下手だしキモい!?んなことねーし最高だし!八千代さんとかなんでこんなロリ声!?とか思ってねーし!
だが、伊波ちゃんのキャラソンはなんかものすごい最高だった。
とにかく突飛なことをせずひたすら誠実にポップスを鳴らすのだが、そのセンスの良さがやばい。こんなに音数多いのにわやくちゃしないという手腕はさすが今のアニソン界を席巻するMONACAである(ちなみにこのMONACA実はナムコのサウンド部門の人たちで、つまりはあの神曲だらけのアイマス曲を作った人たちである)。
特にカップリングであるこのワグナリア賛歌伊波ちゃんVerは本当にやばい。どの楽器も決して自己主張せずただひたすら裏方に回り、下手くそな藤田咲の歌をフォローする。それは渋谷系がアニソンに濾過された行く先ともいえるしスピッツに影響された新しい形のインディミュージックとも云々。
何より最高なのはブラスだ。最後のサビで明るくもどこか切ないメロディに乗っかるフレーズはキラー過ぎて毎度そこに行くたび泣きそうになる。『WORIKIG!!』のOPEDは本当に名曲ぞろいだがそのどれもがブラスが印象的に使われていて、MONACAには本当にブラスの素晴らしさというものを教えられている。
男陣は微妙といったが女陣はなかなかよかった。といってもこれ多分ネット配信とかしてないしCD買うほど素晴らしいというわけでもないが、とにかく伊波ちゃんのCDだけは買っても後悔はないのではないだろうか。俺はなかった。つか三期まだかい!


4.i Love (作詞 作曲:azusa)
http://www.youtube.com/watch?v=Mg677L6As6k

azusaは最近の中でもトップクラスで期待しているアニソン女性SSWである。
アマガミ二期でテンション上がった時期に勢いでアルバムを借りたんだが、その完成度に圧倒されてしまった。珍しく彼女は作詞作曲アレンジ全てに関わるタイプのアーティストなのだが、それが道理というか、様々なタイプの曲があれどサウンドデザインが一貫しているのだ。特に生音へのこだわり、音数の少なさ、ドラムの鳴りの美しさはなかなかアニソン全体を探しても見つからない。
またボーイッシュな歌唱や今時珍しいほどまっすぐな歌詞は、無駄に音数が多い曲の上バカみたいなカラオケ歌唱で壮大な歌詞を書く最近の女性アニソンシンガーにはない素朴な良さがあり、かなり好感が持てる。顔もかわいいしね!
そのアルバムの中で一つ選ぶとしたら、やはりアマガミ一期1クールOPのこの曲だろう。
感じのいいドラムとベースの上で優しいキーボードが曲を彩り、まるで90年代のような具体性あふれる歌詞で恋を綴る。「会える日まで指折り数えてた 今じゃ会えない日のほうが少ないね」「最後の恋にしようって誓ったこと 今はまだ内緒にしておこうか 一人でにやける午前0時過ぎ」もう初期ミスチルかおめーわ!といいたくなるこっぱずかしい歌詞が並ぶ!だがあの顔と声とメロディで歌われたらこれもありかなと思ってしまう!
あんまり活躍してないようで、アマガミ二期の後は武装神姫とまあパッとしない(素晴らしさは置いといて)アニメでその名を見るのが本当に惜しいなぁと思う。さっきも言ったが藍生エイルだのLisaだのただ歌がうまいだけのつまらんアニソンシンガーばかりが妙にもてはやされる時代、ぜひこの古き良き女性SSWの佇まいを持つ彼女に売れていってほしいものである。


5.No One Knows M (作詞:辻純更 作曲編曲:川田瑠夏)
http://www.youtube.com/watch?v=oPXXtiztm-o

友人のスト魔女狂に教えられた曲である。
めんたま飛び出た。いやあんまりジャズには明るいほうではないが、しかしこんなハイセンスなバップを作る人がアニソン界にいたのか?しかもキャラソン如きに曲を提供するようなレベルで?
というわけで慌てて作曲家をググったら何とこの川田瑠香という人バークレー音楽大学でガチに音楽習った人らしい。ちなみにさっき書いた"BEAM my BEAM"のカップリング(というかOPも)の作曲者でもある。いやはや驚きが隠せない。何を間違ってアニソン作家なんかになったのだ!無駄に顔もかわいい。謎である。
しかもジャズとしてかっこいい(いやほんとにかっこいい。ブラスとかドラムとか、そこらによくある似非ジャズものなんかよりよっぽどジャズしてると思う)だけでなくアニソンとしても100点満点である。アメリカだからジャズ。うーんナイスアイディア!シャーリーならロックかなーとか思った自分の浅はかさにトネールである。小清水の歌唱も最高の一言。ただひたすらにイケメン声で「No One Knows 見たことない光の世界へ 加速してゆくよ そう見せてあげるよ」なーんていわれた日にゃおめー惚れてまうやろ!ずっと前から惚れてるけど!
先に言った友人にぶっ殺されそうだが正直言うとスト魔女の音楽は玉石混合だが、これとか一期ED,劇場版EDとかは文句なし掛け値なしの最高アニソンである。アイマスといいけいおんといいいいアニメは音楽がいい!これは最早常識といえよう。


6.いままでのあらすじ (作詞:畑亜紀 作曲:神前暁)
http://www.youtube.com/watch?v=ouAVDyROVq0

まさかのラストである。
正直このコンビであれば普通に考えればもってけだろうが、あえてこちらにさせてもらう。
音楽としても素晴らしい。神前氏のロックセンスが全開となった曲である。イントロのシタールじみたリフといいひたすら勢い爆発のバックといいしっかり最高なメロといい、まさに現代アニソンの雄の素晴らしさが微塵なく発揮された良曲。
だが神前氏の素晴らしさが最も現れた曲はやはりそれこそ"もってけ”であったり"motto☆派手にね"
のような代表曲だと思う。ではなぜこれを選んだか。
それはアニソン作詞界最大の鬼才畑亜紀の才能が最も現れた曲だからだ。
歌詞を見てほしい(http://www.kasi-time.com/item-41992.html)。むちゃくちゃの一言である。ほぼ完璧に意味消失のナンセンス、「愛ゆえに頭ゆるんで恋ゆえに心ゆがんでさみだれのそらもとどろにほととぎす」「年は歳を追い越してゆく それもあたりまえの業界談 表裏がウラがオモテで意外腹黒さが最小値」まったく意味が分からない。もうなんかある意味初期ゆら帝のようなサイケじみたキチガイっぷりである。
しかしどこかそれだけではない。曲に乗る言葉としてはかなりレベルが高いし、ギリギリのラインでアニソンとしてキャラに歌わせるという体裁がある。
そして何よりこの曲を神曲たらしめているのが最後のヴァースである。
「おわりおわりそろそろおわり こんな長い歌詞はいやだ ギャラに合わない疲れるしごと 中の人のつらさ考えて ちがうちがう ほんとはちがう ここは二次元ですに、じ、げん」
なんとまあ、こんなことを言ってしまうキャラソンが今まであっただろうか。そこできっちり中の人が素になっているというのがまた素晴らしい。もちろんただの悪ふざけだろう。だが、こうやってあらゆる全てを相対化し、ギャグにして、舌を出して逃げまどうセンスは、畑亜紀という作詞家の本領がよく表れていると思う。
昔アニソン特番で"God Knows…"の話になった時、彼女が「痛い中二病患者女子が書くと想定した歌詞」と聞いて驚いてしまった。俺もまさにそう感じつまらん歌詞だなと鼻で笑っていたのだが、まさかそれが故意だったとは。彼女の視点は俺たちが思っているよりずっと深い。決してつまらん壮大歌詞量産機などではない。とても才能ある作詞家だと俺は思う。


できる限り無名曲をセレクションしてみました。
まだまだ他にも"あっちでこっちで""キルミーのベイベー!""Girls,Be Ambitious!""キボネング・デコの名で""英雄の詩"などなどたくさんあるしというかアイマス曲はそれだけでこの倍は書けるほど最高なので逆に今回はあえて省いたけどまあ今回はこの辺で、いつかは表もやりたいかな。
最近は曲単体をネットで買うということを覚えたので、アニソンはこれからもどんどん追っていきたいと思う。Emeraldsもラリーズも聞く一音楽愛好家としても間違いなくアニソンは面白いしね。邦楽のオリコンやロキノン系よりよっぽど。

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寝ても覚めてもエヴァQのことを考えている俺だが、その時のBGMとして聞いているのがこれである。
GodSpeed You!Black Emperor(略称GYBE)。ポストロック界ではモグワイ、シガーロスに次いで有名だと言っていいだろう。TSUTAYAのポストロックコーナーでも大体枠がある。
だが、その2アーティストの彼らの違いはそのアヴァンギャルドさと社会性である。
モグワイやシガーロスは、ボーカルが楽曲を占める割合が少ないというのはあるが、基本的にはロックのフォーマットに沿った曲が多い。
だが彼らは違う。まず楽器構成はドラム、ギター、ベースに加えヴァイオリンやヴィオラなどの弦楽器、はたまた謎の民族楽器まで様々で、しかもそれが一曲においてすべて鳴らされる。
そしてほとんどの曲は20分越えであり、そこには構成といえる構成はほとんどない。ある程度の即興的なリフやリズムだけを担保に、とりあえずノリと気合で20分という感じだ。もちろん盛り上がる部分やブレイクはあるが、ポストロックというよりはドローン系アーティストという呼ばれ方の方が最近ではしっくりくるのではないだろうか。
正直自分としてはそのアヴァンギャルドさが好きになれず、本当にドローンのように暇な夜に何となく流す程度のアーティストではあったのだが、そのイメージが完全に吹っ飛ばされたのが彼らが再結成後来日したI'll Be Your Mirrorだった。
といっても別にCD音源と違うアレンジだったわけではない。持ち時間である二時間、MCなしで延々CDのような曲を演奏するだけだ。だがプロジェクターに映された意味性の薄い、だが権力に対する怒りが滲み出た映像と、CDの何倍もの音量で迫りくるその音像に打ちのめされ、ライブが終わった後どこか放心状態になったのをよく覚えている。
そしてそのライブ体験によりCDのイメージも変わり、少しだけ聞く頻度が上がった今、なんと再結成してからの新譜がでるということで買ってみた。

とにかく一曲目"Mladic"である。このCDの価値の半分以上を担っている。
どうやらライブ定番曲らしい。道理だと思う。力の籠められようがあまりに違う。
しかし何より驚くべきは、今までにないほどしっかりとした曲構成だということだ。
冒頭の十八番ギタードローンからゆっくりと形成されていくリフ。そして段々と全ての楽器がそのリフに合わせるようになり、最後には巨大な音全てがうねりをあげてグルーヴを作る中盤。
このリフも今までのような即興的なものではない。まるでレッド・ツェッペリンの"Kashmir"のような、力強くしっかりとしたリフである。踊れる、といっても過言ではない。
そしてすっと音がなくなり、数分のノイズパートに入った後、二番目のリフを鳴らす。そちらは少し愁いを帯びた印象的なリフなもので、だがメロディアスさはやはり今までのGYBEとは違う。
それを何回か鳴らした後完全なブレイクに入る。ギターノイズから小さく入ってくるスネアの連打、振り子のようにリズムを刻むストリングス。そしてスネアの強さが段々と増していき、最高潮になったところでクライマックスだ。
この長さ、構成、どこかモグワイの"My Father,My King"を連想させる。
また、GYBEのもう一つの特徴でもある社会性もそのタイトルにしっかり込められている。
ボスニア紛争で起きたスレブレニツァの虐殺(http://bit.ly/SgAgMR)。その首謀者であるRatko Mladicの名前から取られたタイトルからは、あの有名企業の軍需産業との繋がりをスリーブに書いた『Yanqui U.X.O.』の頃の怒りが微塵も失われていないことが感じ取れる。
確かに今までのGYBEといえばGYBEだろう。だが俺には、むしろ昔よりも力強さというか怒りが増しているように感じられる。変わらぬ世界、愚かな政治家、そして何も考えずにただギターを鳴らすだけのふねけたミュージシャン。そんな怒りを昔よりも強く胸に抱いて、彼らはあの情念の塊のような音楽を鳴らすために再結成したのではないか。そんな思いに駆られてしまう。

そう。それがこのアルバムを俺がQのサウンドトラックとする理由である。
昔壮大かつ社会性を持ち合わせた表現をした人が志半ばで倒れ、だが今の社会性を全く持たないぬるま湯の表現を続ける人たちに怒り、その情念を胸にまた立ち上がった。こうしたGYBEの足取り(といっても大いに推測ではあるが!)がどうしても新劇エヴァを作った庵野を想起させるのだ。
繊細さや情念と壮大さ、社会性を兼ね備えた表現やフォロアーの社会性のなさ(ポストロックなんて社会性とかと完全に無縁であろうことは想像に難くない)、そして何より現代におけるロックおよびアニメの地下水脈にその血を濃く残している部分(エレキング曰く今のドローン/ノイズ系アーティストの下地にはGYBEがいるらしいし、アイマスやスト魔女の監督は元ガイナ)えーい妄想妄想!わかってるわバーカバーカ!いいんだい俺が一人でMladic聞きながら脳内でQのMAD作るんだい!
まあ何にせよこのアルバムはQとか関係なく素晴らしい。ぜひぜひ聞いてもらいたいと思う。

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