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ここは管理人u16の趣味雑記をのせたブログです
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2日目。
昨日の睡魔との戦いを教訓にぐっすり寝て午後四時ごろに新木場に向かう。
途中死ぬほどの腹痛に結構時間ぎりぎりになりつつも、何とかギリギリ間に合った。

というわけで最初はYouth Lagoon。
暇だから買った新譜がまるでMGMTのあるべき姿のようで予想以上に良く、今回の中でもかなり期待していたんだが、まさにそれに応えてくれた素晴らしいパフォーマンスだった。
今のMGMTのダメなところにベタさからの逃げがあると思うんだが、逆にYouth Lagoonはもう驚くほどにまっすぐなセンチメンタリズムがあった。
本人の鳴らす綺麗なピアノの旋律や強く歌い上げる声にもあるんだが、バックバンドの力強さもその一役を担っていたと思う。バッカンバッカンフィルを叩くドラムやここぞというところでファズをかけるベースはその楽曲の壮大さ…というより力強さとでもいうようなものをとても強く表現していた(逆にもうちょっとギターは暴れてよかった)。
この妙なポップさとでも閉じこもった感じはほんの少し川崎で見た神聖かまってちゃんを思い出した。あそこまでキチガイじゃないが。

次はWarpaint。
最初はなんか適当な雰囲気バンドでつまらんなーと思ったんだが、「Ready to Dance?」と言ってからのサイケダンスナンバー目白押しはとても良かった。
ベースがぐいぐい来てるのがいいね。あとこういう骨太なグルーヴの上ならハーモニーも素直に綺麗だと思える。
まあ正直サイケ色もっと薄くてもいいんじゃねとは思うが楽しくはあった。

そしてThe National。
Youtubeでしこたま上がってるライブ映像を見てその熱さは十二分に知っていたんだが、いやはやここ日本のフェスでも大変素晴らしい情熱ライブを繰り広げてくれました。
個人的にビビッと来たのはギターとブラス。一本調子に見えて実は意外とアゲ方のうまい楽曲にここぞというところでバカンと鳴らすギターの爆音と高く鳴り響くブラスが渾然一体となって迫りくるとボーカルの超テンションにも説得力が出てくるというか。
彼らはよくUSインディの良心と言われているが、なんというかきっと日本でいえばエレファントカシマシやフラワーカンパニーズのようなバンドなんだろうなと思った。俺が全く興味を示さなかったところも含めw
でも素晴らしかったと思う。こういうまっすぐなパフォーマンスっていいよね。

しかしこういうインディフェスに来ると、ほんとこんなん日本で売れるわけないよねっていうかやっぱサマソニとかフジっておかしいなと思う。興行的にはほんとこのサイズがちょうどでしょ。
「このフェスができてからサマソニいかなくなった」という人もいるらしいが、そりゃそうだよなぁって思う。騒ぎたいだけのバカに混じって必死にソニックステージに籠るくらいならこっちに来てゆったり楽しむだろ。
俺はサマソニのごった煮感は好きだけど、洋楽はこれから1DだのEDM系以外はどんどんこういう風に縮こまってスモールサークルオブフレンズ化していくんだろうな。
二週間前にBAYCAMPに行ってその開放的に見えてすごい排他的な邦楽の空気を浴びてうーんとなったが、でもここが居心地いいかと言われれば違って。
もちろんホステスはいいことしてると思うけど、やっぱり最初に受けたおハイソなインディフェスという印象は拭えなかった。次はAdeleとかArctic Monkeysとかを呼べるような器の広さを見たいね!
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正直今まではどことなく漂うおハイソな香りが鼻につき行く気がなかったHostess Club Weekender。
が、なんと今回はわが心のバンドMogwaiが出るということで速攻チケットポチー。
…といいたいところだが実は先月まで迷っているうちに1日目チケットが売り切れてしまいしょうがなく2日通し券を買うことにして、どうせ見るならと他のアーティストをチェックしているうちに存外楽しみになって当日には結構ウキウキで新木場に向かった(雪さえなけりゃもっとウキウキだったんだが)。

まず全体の雰囲気としては、印象通りほんとおハイソというかインディ臭半端ない。
まあでも某クラブ系フェスに行ってそのバカ騒ぎだけしたいオーラにドン引きした自分としてはちゃんと全アーティストしっかり見るその姿勢はいいなーと普通に思った。というか探せばいるもんだねえインディロック好きって。なんだかんだコーストパンパンだった。
音響ももちろん最高。転換もなかなか素早く待ちきれないということは全然なかった。
ゆったり休むスペースがないなーというのはちょっとマイナスだったが外雪だからしょうがないね。本来であれば外で休むんでしょうけど。
あと幕間に流す映像もよかった。変な広告よりはHostessが扱っているアーティストのPVを流してくれたほうが楽しいし、所属アーティストの楽屋風景は凄いほんわかした。雪だるま作るErrorsとか。指相撲するCHVRCHESとか。リンゴ食い競争するTemplesとか。「好きな日本食は?」と聞かれて「ギョーザとラーメン」とすっとぼけた回答するMogwaiとか。
というわけでインディロック主体フェスとしてなかなかいい雰囲気でした。

んで肝心のアーティストのほう。
まずErrors。
ようつべで見たライブまんまですね。いやそりゃそうなんですけど。
シンセの強烈な音圧は気持ちよかったけど曲としてはなー。うーん。
でもニッコニッコしながらドッカドッカ叩くドラムはかわいかった。何でドラマーが一番愛想いいんだ。

次にAsgeir。
一聴James Blake!?と思ったがまあいい感じにソフティケイトされてていいんじゃないですかね。
ひたすら黙って渋めのエレクトロニカな曲やって最後に人気曲ぱっとやって盛り上げて一言「サンキュー」とだけ言って帰るのはなかなかかっこよかった。
ただちょーっと優等生すぎるかなー。もう少し個性を出してもいいと思うが…いやでも聞き込んだら意外といいかもな。なかなかいいライブしてたと思います。

次Daughter。
CD通りのライブだなぁと。
ちょっとそのまま過ぎたかな。もう少し暴れてくれてもよかったと思う。誠実にライブしたということもできるとは思うんだけど。
まあフロントマン二人がめっちゃ萌えたけどね。超照れながら喋る女ボーカルの人いいですね。
もうちょっといろんな曲やってくれたらなと思った。特に最後の曲みたいなアゲ系のやつね。

次CHVRCHES。
サマソニでその面白さは拝見済みだが、やっぱり変わってなかった。
まあなんか小慣れてきてるなーとは思ったけどそりゃそうだよね。安定しててよかった。
つーかバスドラの音圧が異常だったんだけどなんだありゃ。気持ちいいといえば気持ちいいが結構バランスが大事なアーティストだからあれはちょっとやりすぎ感も。
まあでも今日出たアーティストで一番まっすぐポップだったしやっぱシングル曲は楽しかった。

最後。
Mogwai。
最高。
もう2曲目の"Rano Pano"でスチュアートががっと鳴らしたギターの音を聞いて「うわーモグワイだこれー!」と圧倒された。
フェス単独いろいろで音がでかいバンドを散々見てきたけど、もうこのただでかいだけじゃない気合一閃のディストーションがもはや気持ちいいとかそんな次元をとうに超えた感情通達手段として美しいとしか言いようがない。
フェスだからか何なのか最新作からの曲は控えめで、ディスコグラフィから万遍なく爆音曲を演奏。"Helicon 2"とか"ExCowboy"とか結構なレア曲を聴けたのが嬉しかった。
そして最新作から"Remurdered"でまるでダンスミュージックのようなアゲ方をした後恒例の"Batcat"。いやーもうほんとなんていうか最高。ビッキビキのメタルファズが気持ちよすぎて死ぬんじゃねーかっていう。
そして何よりアンコール。
"Auto Rock"でじわじわ盛り上げてから"Helicon 1"の綺麗な爆音で締め…と思ったらバリーが弾いた最後のルートコードをすっとマイナーに変えていくうちに他が楽器を交換し、ズドーンと"We're No Here"。やばいなんてもんじゃなかった。
何がやばいって俺が最初に見たMogwaiのライブがまさにコーストで、そして最後の曲が"We're No Here"だったんだから。
あの時と同じく最後はスチュアートとジョンがエフェクターいじりでノイズを響かせて終わり。ジョンはかなり長い間いじってて最高だった。
いやーほんとMogwaiのライブは外しませんなぁ。雪の中必死で来てよかった。

ただこれは完全に自分のせいだけどどうも集中力が持続せず、途中眠気に負けてしまう部分が多かったのが反省点。
とにかく全部見ようという貧乏性が悪い。
明日はねらい目のYouth Lagoonから見ることにします。では。

サマソニ2013一日目だけ行ってきました。
前のフジロックの時みたいに印象に残ったアーティストを挙げていきます。

良かったで賞:M.I.A

本当に素晴らしいライブだった。
目当てといえるアーティストはこれくらいだった今年のサマソニだが、スターフェスの電気グルーヴしかり目的のアーティストが期待以上のライブをしてくれることほど嬉しいことはない。
一曲目の新曲らしい?キチガイリズムラップから「Tokyo,Bring The Noooize」の一言から最新シングル"Bring The Nozie"へ。そこから延々出音のやばさが尋常ではなく、今までの曲も完全にリミックスされた爆音仕様。"Bird Flu"なんて最初何の曲かさっぱりわからなかった。
シングル曲中心の構成は文句の付けどころがなく、ガンガン前に出てきて客とタッチするアグレッシブさも最高。謎のスリランカ衣装、ダンス、映像も最高。強いて言えば音が基本DJだったのが悲しかったけどまあクラブアーティストだから当然だよね。クラブアーティストのライブとしては驚くほどスリリングでした。
ヒロシマに捧げたゆっくりめの歌から"Born Free"の流れはマジで死ぬかと思った。

意外と良かったで賞:Jackson & His Computer Band

深夜2時、特殊な機材によるライブということで気になって見てみたらマジで度肝を抜くとんでもないライブだった。
まず特殊機材が本当に特殊機材過ぎて何してるかさっぱりわからない。ミキサーみたいなのが上から二つ吊るしてあるんだが、一本で吊るしているのでジャクソン?がそれをいじる度に揺れてたのが面白かった。
んで音だけど、何といえばいいんだあれは。何か「フレンチエレクトロの代表」とか言ってたけど絶対ウソだろ。Youtubeにあがってる今までの曲とも違うと思う。
音の強さはある意味確かにフレンチエレクトロなんだけど、強すぎる上に曲構成に全く色気がなく、何かどちらかといえばインダストリアルとかそっち方面に近いとすら思ってしまうほど。
上物もわかりやすいのはボーカルサンプリングくらいで、あとはもうノイズなんだかシンセなんだかわからん爆音だけ。上げ下げして音程を変える魔法のステッキみたいなノイズ発生装置も面白かった。アゲアゲDJを期待して見に来たギャルがどんどん逃げて行ってたけどw。
こういうのがあるからミッドナイトソニックはやめられねーなと思う。ただ客全然いなかったね!機材持ってきてもらったのにほんと申し訳ないね!

頑張ったで賞:Chvrches

とにかく三人で必死にポップスやる感じが好印象でした。
ボーカルの女の子かわいいし(ちゃんと機材不調の穴埋めやるあたり偉い。「ワタシニホンゴワカリマセン」)、帽子かぶったほうの男は無駄に歌歌うし。その男がメインボーカルとる曲とかノリノリすぎて面白かった。
曲も音がいいしポップスとしてよくできてるし。80sバリバリなシンセはチルウェイブっぽいけどあそこまでダラダラしてなくて、ちゃんとアゲられるというのがいいと思う。もうワンアクセントあればもっといいアーティストになれそうだけど、CDは買うね。よかったよかった。

かわいそうだったで賞:Buffalo Daughter

なんぞミスチル地蔵が大変だったそうだが、ガゼット地蔵もえぐいもんでした。
いやスマパンならまだ他がちゃんと盛り上がるからなんか最前列がキチガイで埋め尽くされてるくらいですむけどバッファロードーターの場合最初からアウェーなんですよ!何とか客を取り込んでいかなきゃいけない状況の中で前の十列くらいが全部ノリ悪かったらなんか後ろのほうも「うん?」ってなっちゃうわけですよ!しかもそこでアーティスト側がフェス仕様のアゲアゲ音楽で来るならまだ何とかなかったかもしれないんだけどそこでさすがキャリア20年のバッファローさん知ったこっちゃなしですよ!ひたすらにガチガチのクラウトロックですよ!ギターの女の人ギャンギャンノイズギターですよ!あんなん例え地蔵がいなくても客動けませんわ!
ライブ自体はJake Buggを捨てた甲斐があった素晴らしいものだった。その分惜しいけどねー。サマソニのKYブッキングは見どころでもあるけど度が過ぎると(というかキチガイ信者バンドの前だと)悲しい思いすることになるから気を付けてほしいもんです。

総評。
あんまり言いたくないが今年はあまりいいサマソニとは言えなかったんじゃなかろうか。
色々不運があったというのもあるが、やはりブッキングが単純に微妙だったと言わざるを得ない。ソニックステージのトリがTDCCはともかくNasってのはなぁ。いやよかったですけどねNas。二年前出たやん。
メッセで音被りが無いようにしたり邦楽ステージを離れ小島ではなくちゃんとメッセ内に入れたりと前行った時より微妙に改善の余地がみられるけど、邦楽ステージのせいでダンスステージがなくなったのはちょっと悲しいかな。まあ時代の流れなんだろうけどねー。急きょ決まったシャンペンの盛り上がりを見て果たしてこれをステレオフォニックスが達成できただろうかという悲しい疑問が頭をよぎってしまった。
全体の集客も悪かったと思うし(俺が言ったステージで後ろまでパンパンというのは一つもなかった)、なんか各方面に配慮しすぎて散漫になってる印象。
むしろだからこそ今のような多様なファン層(ほんと多様。普通のおばさんとかキモオタとかロキノンファンとかガンガンいる)を築けたとは思うんだけど、そろそろ初期サマソニのような気の利いたブッキングを期待したいなーとは思う。
がんばれ清水さん!

追記
予想全然当たらなかったね!ごめんなさい!

James Blake@新木場スタジオコースト(6/5)に行ってきました。

James Blakeの2ndは一聴した限りでは順当に音楽性を増やしメロも綺麗にした正当進化ないいアルバムだなと思っていたのだが、改めて1stを聞いたときにその早川義夫的情念がぶちかまされた歌詞とその情念を180%伝えようとするアヴァンギャルドかつ力に満ちた音像の素晴らしさに今更ながら圧倒され、やっぱ1stには劣るなーと感じるようになってしまった。
今回の来日もやはり2ndが主体になるわけで、実際にライブの感想も「完成度が~」「美しい~」「正当な進化~」という俺がさっき書いたような2ndの評価そのままのようなものが並んでおり、そりゃそうかと思いつつもポップスに舵を切った彼にライブへ行くほどの興味はなくなっていた。
が、昼休みにふと2ndを聞き、2ndで唯一ピアノ主体のバラードになる"DLM"の美しさに感動し、愛聴している1stの曲もやるわけだしなぜか当日券もあるようだし職場から新木場まで10分だし行くかーと軽いノリで東京最終日に新木場に向かった。

そして一曲目"Air & Lack Thereof"でまずぶっ飛ばされた。
ご存じのとおりこれは初期EP群の一曲で、James Blakeがまだクラブアーティストだったころの名曲の一つである。現在の曲より圧倒的にむちゃくちゃな音像とそれでもどこか哀愁と美しさが漂うメロディのバランスは今にはない魅力だが、それを会場の爆音で聞かされるとここまで感情が溢れるのかと驚いた。
それがさらに顕著になったのが次の"I Never Learnt To Share"である。
声をルーパーで重ね合わせ、だんだんと盛り上げてサビで爆発させる彼の代表曲。
といいつつ1stのプロダクションはあくまでクラブミュージック、ベッドルームミュージックとしての側面を反映させ、勢いよりはバランスを大事にした音に仕上げているせいか、サビのテンションが微妙であまり好きになれなかった。
だが、ライブでのこの曲は全くその姿が違った。まさに「爆音」というにふさわしい破壊力のあるJames Blakeのキーボードが勢い…というにはあまりに激烈な(なんかバカみたいな表現しまくって申し訳ない)感情を表現しており、それはもはやMogwaiやGY!BEのような殺意すら感じさせた。しかもそれでも全体のPAは完璧だというから恐ろしい。
当然だがアレンジはほとんどなく、曲そのものは原曲の歌詞を含めた完全なベッドルームミュージックだというのに、音像だけでここまでの感情を表すという感覚は衝撃を受けるに十二分だった。そしてその感覚はJames Blakeのアーティスト性である強い感情を押し殺し、そこに音を含めて伝えようとするものと合致していたとも思う(早川義夫のバックバンドを不失者がやったらこんな感じになるのかなーとか訳のわからないことを思ってしまった)。

とまあ絶賛しまくりの冒頭2曲だが、その後の五曲は眠くなってしまった。
まあ要するに2ndのバラードが続いたのだが、ライブの最初にバラード、しかもその曲の出来が個人的につまらなかったので、欠伸をかみ殺すほど楽しめなかった。ライブとしてのアレンジも特になかったし。"Lindisfarne"は原曲が好きだったので嬉しかったが、この流れでやってほしくはなかったというのが正直なところだ
そこで最初の「ポップスに寄った」的な不安が頭をもたげたのも事実だ。1stやEPの曲は素晴らしいが2ndの曲はこういった大人しめアレンジなのかなーと当日券7000円を後悔しだしたその時。
"Digital Lion"が始まった。
そこからがまさに今回のJames Blakeのライブの本領だった。
2ndの曲には大体3種類あると思う。"I am Sold"のようなバラード、"Retorograde"のような派手なポップス、そして"Digital Lion"のような暗いリズムトラック。
中盤はそのリズムトラックを畳みかける構成になっているのだが、そのライブアレンジが恐怖すら感じる程の重さなのだ。
ほかの曲のようにJames Blakeが歌い上げるようなことはほぼ無い。その代わりにたった一言の歌声をループさせ、それに合わせどれも長尺になるアレンジが加わっており、今回のライブメンバーの三人がまるで火花を散らすようにそれぞれの音を鳴らしていく。
特に白眉なのがギターを務めるAirheadだろう。原曲ではほとんど目立たないギターサウンドが、ライブだとまるでギタードローンのような爆音で迫ってくる。肩を丸めうつむきキーボードを弾くJames Blakeとゆったりとリズムを叩くドラムとは反対に、まるでシューゲイザーバンドのようにギターをかきむしるその姿はとても印象的だった。
"Limit To Your Love"も原曲はあまりに暗すぎて好きではなく、また以前手に入れたライブアルバムでのアレンジも片手間でダブをやっているような感じでつまらないとしか思えなかったのだが、今回はそれで言えば本意気でダブをやったというか(いや以前も本気だろうけどw)、さっき言ったような怖さがダブアレンジというまた違う形で現れた素晴らしい熱演だった。

そう、怖さである。
James Blakeがなぜここまで日本でバカ売れしたか?
明らかにその泣きメロ感のおかげだろう。悲しさを綺麗なメロで歌い上げる。もちろん彼の豊潤な音楽性もヒットの一因だろうが、それでもこれほどバカ売れした理由はそこが日本人の音楽的嗜好にあったからだと思う。そしてそれは当然素晴らしいことだ。俺だってそこに感動して彼を好きになった。
だが、今回のライブの中盤で彼が表現したのは、その裏に潜む闇のようなものだと思う。
寂しさや悲しさの後ろにある怒り、恐怖、殺意。
それをノイズでもなく激しいバンドサウンドでもなく、ダブステップを背景にしたアヴァンギャルドなリズムと最低限のメロを表現するだけの抽象的な上物、ドローンのようなギター、そして何よりJames Blakeのあの強く弱い歌声で表現するその二面性が今回のライブにはあった。
"Klavierwerke"の演奏は一生忘れないだろう。ハイハットだけのブレイクの後。サンプラーから叩き出された何とも言えないノイズを合図に、暗闇でストロボのように明滅するだけの照明の中地獄のように恐ろしい重低音の上でKevin Shieldsのようなギターと神経質なキーボードがけたたましく鳴り響き、そこにまるで何かを訴えるように声にならない声を歌うJames Blake。そのあとの"Ovaergrown"が何かのギャグにしか思えなくなるほどの吐き気がする重苦しさ。
俺は二階で見ていたが、あれだけのリズムの中踊っているものは一人としていなかった。手も上げる者もおらず、俺の後ろにいて曲中に勝手に一緒に歌ったりバカみたいにキャーキャー叫んでるアホ女も、その時だけは黙りこくって見守っていた。そんな中俺は一人背広で眼鏡をはずして踊り狂った。あれで踊らずして何に踊ろう?

本編最後の"Retorograde"はキーボードの爆音と歌い上げるメロが美しく、アンコールの"The Wilhelm Scream"も最初に書いたような1st曲のライブならではの側面が見られた。通勤途中で何十回と聞いた"A Case of You"も生で見れて嬉しかった。
だが、それに涙を流すことができなかったほど、James Blakeというひたすらに肩を丸め、所在なさげに佇む柔和な青年(俺と同い年というから驚きである)の奥に垣間見た信じがたいほどの闇は恐ろしかった。

次のアルバムはぜひそれを表現してほしいと思う。

Star.Fes2013行ってきました。
フジやサマソニはもちろんKAIKOOにセンスオブワンダー、フリークフェスにタイコクラブと色々フェスを回ってきた俺ですが、このスターフェスはその中でもかなり面白いフェスだった。
ツイッターで騒いだのでブログはいいかなと思ったんだが、これだけいいならできる限り宣伝しておこうと思ったので感想を書きます。

まず場所だが、川崎から30分の公園。
これがまずいい。川崎から30分の駅から30分ではない。川崎駅からである。ここまででかい駅からシャトルバスが出るフェスというのはなかなか知らない。一番近いのはKAIKOOかな?でもあれも幕張方面のオフィス街駅からだからな。かなり都心に近い。
もちろんそのせいでロケーションという意味では最悪に近く、辺り一面工場ばかりでふと横を見ればドカンと東洋水産の看板が見えるという何とも言えない光景が広がるが、隣には一応多摩川が広がるし俺のようなそういうロケーションを気にしないという人であれば問題ないと思う。むしろ俺はそのギャップが楽しかった。
死ぬほど風が吹くのはたまたまだったのか…寒さはマジできつかったのは少し難点。
そして値段。これが凄い。3500円である。
ほぼ国内で固めたKAIKOOやセンスオブワンダーですら6000円近いというのに、THE ORBにTheo Parrishに有名な海外DJをたくさん呼んでこれは破格とかそういう次元を超えてる。普通に国内アーティストの単独公演と同じ値段なのだ。安すぎる。
なぜか?答えは簡単。このフェス企業協賛…というか企業主催なのだ。
セブンスターが大きく金を出しているので、とにかくどこ見てもセブンスターの広告だらけ。煙草を買えばもらえるグッズがあったりメインステージはタバコ吸いながら見れる特等席があったりと近年のフェスにはあるまじき喫煙者優遇フェスである。
なので健康思想宗教上の理由で喫煙者を犯罪者呼ばわりしている人は絶対行かない方がいいだろう。だがライブハウスの禁煙に疑問を感じポールウェラーがステージで堂々と罰金覚悟で吸ったとき感動したような俺にはそれは素晴らしいことだと感じた。ロックファンが吸わんでどうする!いや俺吸わねえけど!?禁煙はおかしいだろ!主要客層を大きく占めるロックファンに離れてほしくないということでここまで大規模なフェスを企画したのだろう。それはとても正しいことだと思う。
しかもそのおかげで当たり前だがフェス自体にめちゃめちゃ金がかかってるのがよくわかる。メインステージのデカさは新興フェスでは1,2を争うとんでもないものだ。なんと両脇にでかい電光掲示板までついてる!サブステージの一つは屋根付き(しかもテントではなくプレハブ!)だったし、いやー企業主催だとここまでになるんだね!タイコクラブとかギャグにしか思えなくなるわ!PAも全ステージ最高だった。
しかしそこで「企業主催なら全くわかってないクソブッキングするんじゃないの?」という懸念が頭をもたげそうだが、全くそんなことはない。
確かに統一性ないなーというかブッカーの考えがわからないラインナップだとは思ったが、それは逆に言えば枠にとらわれていないということである。Theo ParrishやMark Farinaのような一流クラブで回すトップDJから電気グルーヴやTHE ORBのような人気国内外クラブ系アーティスト、スチャダラパーやHIFANAのようなヒップホップ系アーティスト、BACK DROP BOMBやmouse on the keysのようなライブに定評のあるロックバンドに[Champagne]のようなロキノンど真ん中バンドまで本当に多種多様である。凄いと思う。ステージの流れを大事にする人にはつまらないかもしれないが、個人的にはDJばっかとかフェス常連バンドばっかとかより全然楽しかった。SUGIZOは見ておけばよかったw
客層がすっげぇチャラかったのが少々アレだったが、フェスとしての個性もとても素晴らしいものだったと思う。

さて、フェス自体の評価はこれくらいにして、各アーティストのライブについて。
まずはトップバッターの[Champagne]!…と言いたいところなのだが、何とシャトルバスを間違えるという驚異的なミスをやらかしたせいでシャンペンどころかそのあとのデックスピストルズすら見れなかった。悲しい。シャンペンなんてCDまで借りたのに…。
しょうがないのでまず80kidzから。
3rdから生バンド編成でロック寄りになったというのは知っていたが、ここまでロックになってるとは。正直つまんないかなーと思ってしまった。よくエレクトロ系アーティストがライブで生ドラム入れることがあるがそれすら俺は好きでなくて、さらにベースも上物も弦楽器にしてしまうと音圧が薄れてしまってエレクトロの楽しみが減ってしまうように思えるのだ。また、クラブ音楽の楽しみである流れるような音の抜き差しも無くなってしまったのは…逆にあえて生バンドでそれをやった中盤はとても面白かったので、こういう感じを推し進めていったらいいのでは。あと1stや2ndの曲も楽しかったのでやり方によってはまだまだ可能性はあるなーと。
そのあとちょっとFriendly FiresのDJを見て(2nd曲のリミクスを流したのはグー)、DE DE MOUSE。
いや何か凄かった。一応事前にミニアルバムを借りて予習はしたし、確かに一応自分の曲メインのDJだったんだが、そのアレンジがとんでもなさ過ぎた。Clarkの『Turning Dragon』のような強烈なテクノだったりガバのような速さにしたりドリルンを混ぜたり、しかも16小節ごとに必ずエフェクトをがっつりかけてブレイクを作り身振り手振りでアゲまくって爆発させるということを何度も繰り返すので後半の客の盛り上がりたるや単独かこれ?というレベルだった。特に最後のほうの半分ノイズと化したドリルンベースとPerfumeみたいな四つ打ちアレンジの持ち曲が最高でした(キーボード前に持ってこようとしてケーブルふんで音が飛んだ時は爆笑した)。ただこれを音源にフィードバックしたらもっと面白いのになとも思った。
次はOctave One。
要するにデトロイトテクノをライブでやるというユニットだが、これがまた最高だった。
ライブなので出る音のセンスが半端じゃない。低音の固さ重さが嘘みたいに気持ちいい。もちろん構成も完璧の一言で、今まで散々DJでデトロイトテクノを聞いてきたがこれを聞いて初めてアナログ集めてみようかななんて思ってしまうほどだった。
そしてここでメインステージに移りスチャダラパーへ。
何と三人に加えキーボード、ベース、パーカッションが加わった特別編成のライブ。これはさぞかし楽しくなるだろうな…と思ったが客の入りは凄いのだがノリが悪すぎる。わざわざボーズが全部指示して練習までさせるのに悲しいくらいにレスポンスがない。やはり最近のチャラ野郎共にスチャダラパーは難しいか…。
だがライブ自体は素晴らしいの一言。俺は初期しか聞いてないのだが最近の曲はライムかなりしっかりしてるんだね。いやあたりまえだけど。それを熟年の腕でキレッキレに回していく二人。生バンドも綺麗に合わせ、緩急の付け方の上手さはさすがといったところ。シンコさんがビビるくらいおじいさんだったのは笑った。
最後は"サマージャム'95"かと思ったら"今夜はブギーバック"!その時だけ大合唱の観客!この曲は本当に有名なんだなーと再確認。ちなみにそこでギターが遅れてやってくるという奇跡も発動。MCも面白かったしとてもいいステージでした。
そしてついに待ちに待った電気グルーヴ。
まずは牛尾さんが一人で出てきてイントロを少し(後ろの女が「なんか知らないイケメンが出てきた!」と言ってて吹いた)。そしてすっと音を消して例のギターカッティング。"The Big Shirt"である。そこで歌いながら出てくる瀧と卓球。上にはマジでデッカいシャツを着ているのはいいとしてなぜ点滴をしながら出てきたのかはわからないが爆笑。
そのままアルバムと同じ流れで"Missing Beatz"。二人はステージ前に出たまま歌いまくり。噂通り最近のライブは本当に歌いまくりのようだ。そのせいでアレンジがあまりなくそれはちょっとつまんないなーと思ったらさすがに三曲目で卓球さんは引っ込んで"SHAME"→"SHAMEFULL"の流れ。うん。やはり電気はダンスミュージックとしてもハイレベルだと実感。
基本的には単独公演の最初と最後の流れをくっつけたセットリストだったわけだが、とにかくその最後の流れが最高すぎた。"ZooDesire"の固さから"FLASHBACK DISCO"でアゲて"Shangri-la"で爆発させて"少年ヤング"でトばして"N.O."で泣き笑い踊らせるという流れはもうどこまでも素晴らしかった。午後六時日が落ちかけた空の下"少年ヤング"のギターイントロが流れたときはもう本当にこのフェスに来てよかったと泣きそうになってしまった。
瀧さんは終始前に出ずっぱりで笑わせアゲまくり(柵前にまで来てた)、卓球さんも隙あらば前に出て歌いまくり("N.O."では瀧さんに卓操作やらせてまでスタンドマイクで熱唱してた)。その中で一人クールにしっかりダンスアレンジをする牛尾さんもナイス。もちろん"UpsideDown"とか"虹"とか聞きたかったなーとか細かい不満はあるけれど、フェスの一時間ということを考えればこれほど素晴らしいステージはなかなかないというほどのレベルだった。いやむしろこの濃密な素晴らしさはフェスだからこそか。
そう、その人懐っこさ、ユーモア、そして何よりダンスミュージックとしての高性能はどこかフジのホワイトステージで見たLCDサウンドシステムを思い出した。
そのあとはHIFANAを見ようと思ったが入場規制で、DJ KENTAROは思いのほか普通のDJだったので半分くらい見て帰った。どうせならTHE ORBを見ようとも思ったがああいう地味アンビエントテクノは疲れた体にはあんまり合わないからな…。
帰りのバスで30分並んだのは減点!寒くて死にかけたわ!ただ最後のほうでちゃんとバス増量した対応は偉い!

とにかくいいフェスでした。間違いなく来年も出場者チェックするくらいには好きになった。最近の新興フェスラッシュにはあまり興味は持てないがこうやってちゃんとラインナップに個性持たせてくれれば都市型フェスびいきの俺としてはぜひこれからも行きたいと思いました。フリークフェスも自然すぎるうえに出演者DJばっかだしね。他は国内アーティストばっかだったりするし。ぜひこれからも開催していただきたい!どうせなら来年も電気グルーヴ呼んでね!

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キモオタ
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