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ネタバレします!
正直エヴァQなんて全くと言っていいほど期待してなかった。
どうせシンジさんがべた惚れアスカやぽかぽかレイその他華やかなネルフ一行とともに迫りくるスーパー使徒をバッタバッタとなぎ倒し、世界を救いゲンドウさんから褒められおめでとう!おめでとう!のハッピーエンドだと、半ば本気で思っていた。少なくとも世間の望むエヴァを引き受けた庵野に、これ以上何かを求める方が酷だとは間違いなく思っていた。
きっとそんな俺のような擦れた似非エヴァオタをぶっ飛ばすために、Qはあったのだろう。
Qに破のノリはない。全くない。
シンジさんなどどこにもいない。いるのはTV版レベルに、いやそれ以上にウジウジしまくったシンジと、TV版の1000倍くらい冷たい仲間の面々である。
ツンデレなどではない。彼らには昔よく知っていた者という意味での最低限の愛情しかない。アスカもミサトさんもリツコさんも、オペレーターの人たちも、みーんな死んでくれみたいな目でみてくる。
冒頭三十分はあまりにも最高だった。整っていない機材、まったく戦場慣れしていないオペレーター、後先を完全に無視したダイナミックな作戦、そして何より馴れ合いを捨て、地球防衛愚連隊としての覚悟を完全に決めたミサトさんの格好は、もう今までのどのミサトさんより素晴らしかった。
終始エグい心理描写、ぎりぎりの切迫感、突飛な演出と謎満載の固有名詞連打。そのどこにも破にあった間違ったエンターテイメントの姿はなかった。
だが、Qが何より素晴らしいのは、過去の焼き直しで終わらせていないことだ。
もしかしたらQを見てポカーンとなった人がいっぱい出てくるかもしれない。俺自身山のような暗示を全て受け取ったつもりなど毛頭ないし、最後の10分くらいは頭ポカーンだった。
しかし少なくとも、スタッフがやりたいことは、俺なりの解釈ではあるが伝わった。
子供だった少年が、苦難を前にし、一度は絶望して、だが必死に成長し、戦場に出て世界を壊そうとする悪と戦う…そんなよくある少年少女ロボットものを書こうとしているのだと。今回のQはその絶望の部分を書いていたんじゃないかと。
要するに、最初は訳が分からずに綾波についていったが、どうやらネルフとゲンドウさんは世界を壊す悪者だったようで、実際自分は地球を破滅させてしまい、それを直そうとカヲルくんと一緒に槍を抜くけど(まあ確かにここら辺の描写甘かったとは思う)、でもさらに墓穴を掘り、マジで打ちひしがれたところでネルフと戦う唯一の組織ヴィレに連れていかれる。
そして次回は相変わらずウジウジしつつも、またゼルエル戦のように気合を入れてエヴァに乗り、アスカとマリとレイといっしょにお父さんをぶっ倒す!そういう話の前段階なのではないか。
もちろん訳のわからん設定や固有名詞が飛び交っているし、そういうプロットじゃ説明つかないシーンも今回いっぱいあった。だが、今展開している話をしっかりと追えば、少なくとも旧劇のような明らかに普通のアニメ文脈をかなぐり捨てたものではないと俺は思う。
庵野たちは、本当にエヴァをちゃんとしたものにしようとしている。TVや旧劇のような庵野個人の妄想をそのままシナリオにしてコンテにしてフィルムにしたようなイミフアニメでもなく、エヴァや庵野たちのよさを完全に捨てたエンタメシナリオでもなく、庵野含めたスタッフたちの思いを乗せつつ、だが決して独りよがりにならないような、きちんとしたアニメを作ろうとしているのではないか。
いやわからん。もしかしたら結局このまま観客を置いてけぼりにして旧劇のような妄想街道を突っ走るのかもしらん。次回はやっぱりアスカおっぱいシンジさん爆発レイはポカポカのみんな大好きエヴァ路線でいくのかも知らん。知らん!だが少なくともQは違った!と思う!
卑怯な話だと自負しているが、この感想が正しいか否かは次回にかかっている。Qを見ていえることは「エゴじゃなくてでもエヴァな凄いアニメができる…という期待をするには十二分!」というところだろう。だが、もしあのエヴァンゲリオンの演出で普通に面白い物を作ったら…そう考えた時のワクワク感は、その期待が例え五分五分のものでも期待値として賭けるに値するものだと、俺は思う。
俺がとても感動したのは、Qの一番大事なシーンで、マリのおっぱいがそれはもうプルンプルン揺れていたことだ。彼らはあんなぶっ飛んだシナリオの頂点ともいえる部分でそれでもおっぱいプルンプルンさせるのだ。それはある意味で、とんでもなく面白いアニメを作りながらでも決してお尻をどアップにすることを忘れない高村監督のスピリットの源流とも言えるし、誇張を承知で言わせてもらえば、スタッフが決してエゴに逃げ切っていない証拠だろう。。
喜んで土下座させてもらおう。新劇エヴァは決してセルアウトなどではなかった。セルアウトのふりをして予想を思いっきりぶった切り、だが10年たって成熟?したスタッフたちの信念を持って、きっちりとした映画を撮ろうと決意したエヴァスタッフ最後の執念だ。
少なくとも今は、そう信じてシン・エヴァンゲリオン劇場版を待ちたい。
追記
もう一つQの凄いところは、2012年のアニメとして完璧ということ。
1997年にエヴァで「世界とか正義とかより自分の方が大事だよねー!」と(ギャグで)やったら、マジで「そうだ!世界なんてどうでもいいわ!」と勘違いしたのがセカイ系で、そのせいで世界との関わりより自分の周りのことを描くようになったのが今のアニメの多く(その典型が言うまでもなくけいおん)なわけだ。
もちろんセカイ系が悪いことばかりだったわけではない。それがなかったら今のアニメは無骨なSFものばかりだっただろう。女性的センスや繊細さみたいなものをアニメ界に送り込んだのは間違いなくセカイ系でありエヴァである。ただエヴァと(ダメな)セカイ系の違いは世界をちゃんと知り、無骨な男っぽいSFを書けるかどうかだ。だからこそ繊細さが映えるのだ。
んで、Qは元のエヴァで作ったセカイ系みたいな人たちを裏切るために作っている。これについては説明の必要もないだろう。むしろあからさますぎて見てて恥ずかしかったから。
でももちろんそれだけで終わっていない。
序でマリを見て、おっさんが作ったにしては凄い萌えるなと思ったのを覚えている。凄い現代的なセンスのキャラである。
アスカがやたらかっこよくなってたけど、それもやっぱり明らかに女の子のほうがかっこいい現代アニメにおいてとっても正しい。エヴァのトラウマトラウマしてるアスカは(それはそれでかわいいけど)やっぱ古い。
同じ意味でレイをただのロボットクーデレにしてるのもうまい。レイは今までの長い萌えの歴史でクーデレの元祖として勘違いされてたわけだけど、それを逆手にむしろただのクーデレにしちゃうのはとてもうまい(ただ今クーデレが流行遅れになってるという事実が惜しいけど)。
シンジ君のキャラを変える必要がないのはもはや当然だろう。
カヲルが早くもご退場したのも今のアニメにおいて明らかに異物だから。ホモは流行ってるけどエヴァは男向けだし。マジで特に深い意味もなくもう出てこないと思う。
ミサトさんが世界を救う組織のトップなのもゲンドウさんが悪の親玉なのも、さらに言えば男が世界を壊そうとして女が世界を救おうとしているのも、今の萌え燃え隆盛を考えればもう当然の帰結とすらいえる。
つか庵野含めたガイナはトップをねらえのころから萌え燃えのパイオニアであり、単純に時代が追いついただけともいえる。
要するにQはセカイ系萌え燃えのパイオニアが自分のフォロワーのふがいなさを見て「そういうことじゃねーんだよ!」と作った(いい意味での)セカイ系萌え燃えアニメなのだ。
実際萌えるし燃えるだろう?
んで、「今のアニメなんかなよなよしててつまんねーわ!かといって昔のアニメは萌えなくてやだわ!アイマスとかスト魔女みたいな気合入ってるけどかわいいキャラがほしいわ!」という俺のような人がQにぶっ飛ばされるのは当然なわけだ。
普通に面白いですよねQ。
今のアニメとして。
早くシン来ないかなと思ってます。
とても興味深く、なんだか安心できる感想でした。ありがとうございます。
>Qは元のエヴァで作ったセカイ系みたいな人たちを裏切るために作っている。むしろあからさますぎて見てて恥ずかしかったから。
ここの部分は、失礼かもしれませんが、特に強く共感します。
十何年も寝ていた?シンジは、そういった観客自身の事かもしれませんし。
まぁ、次回も、マリの活躍が観れると思うと、色んな意味で楽しみですね。
「エヴァ Q マリ ○っぱい」で来る方結構いまして申し訳ないです。
俺はセカイ系が嫌いなわけではない(というか大好き)なんですが、
庵野さんはよほどイラついたんだと思います。
ぜひ次回作ではセカイ系への庵野さんなりの返答を見たいと思います。
あとマリの○っぱいも。
u16さんの感想、興味深く拝見し、私個人が思ったこととかなりリンクするのでキーを叩きました。
私も、序⇒破の流れを見て、率直に「庵野監督も丸くなったな」と感じていました。視聴者置き去り・総ポカーン状態だったTV版やEOEを見てきた自分としては、序・破は単なる「焼き直し」にしかすぎず、新しいアニメ、という感覚がなかったのです。
ですが、Qをみて「これがエヴァンゲリオンだ」と快哉を叫びました。そして純粋に「エンターテインメント作品」としても成り立っているのは、どうやらこのQが、2012年度の邦画収入一位となる勢いで来ていることからも明らかです。何より自分自身が、今から8回目を見に行こうと思っております(汗)
長々とした駄文を、時期遅れな時にすみません。ただ、自分と同じ感想を持つ人がいることが嬉しくなり、筆を進めた次第です。
エヴァに関しては俺もそこそこ思い入れがありまして、恥ずかしながらリアタイでは
ないのですが、中3の頃TV版全話+EOEを一気に見てATフィールドを完全に
中和されました。
ただ今のアニメを毎日楽しんでいる自分としては、やはり旧エヴァはラストが
前衛的すぎてエンターテイメントとしてはどうなのかなと考えてしまいます。
そういう意味で(シンが来るまで何とも言えませんが)前衛的すぎず、
かといって破や序のような誰でも撮れる映画でもないQはエンタメ作品として
本当に素晴らしいと思っています。
そしてこれが興行収入42億を突破した事実は、もちろんエヴァという
ネームバリューがあるにせよおっしゃる通りとても喜ばしい事実だと思います。
俺も先週2回目行きました。
やはり普通にハードSFロボットアニメとして面白いなと。
8回はちょっと無理ですが(笑)、家で見たいので、
早くBDになってほしいなと思います。
u16さんのおっしゃる通り、純粋なエンタメ作品として面白いと思います。私が今年見たアニメ映画ではもちろんナンバー1、今年見た映画全般で考えても1位です。旧劇エヴァを知る身としては、カタルシス感と前衛感が程よく中和されていると感じます。
8回、自分にとっては決して多い回数ではないのです。何しろ「リリカルなのは1st」を、東京&地元清水併せて19回見た腐れヲタクなので(笑)まあQもその時の19回越えはさすがに無理と思ってます。「なのは1st」の頃の自分は、「生活しなければ生活費っていらないよな」状態だったので(汗)俗にいう「なの破産」「フェイ倒産」してました。信者の盲信ぶりが半端ないアニメですので(笑)
エヴァと関係ない話でどうもすみませんでした。
俺はあんまり繰り返し見ないタイプなので、多くても2,3回です。
なのはは1期しか見てないんですが、なかなか面白く、
続きが気になっていた作品でもあります。
レンタルで出たら借りようかなと思ってます。
「なのは」は単純に、かわいい幼女が繰り広げる「熱血魔法バトルアクションアニメ(長っ)」です(笑)エヴァにはまり始めた高校前の小・中時代はもろドラゴンボールにはまっていたので、そういう「熱血バトルもの(なんだこの名前)」にはもともと惹かれるところがあるんですよね。美少女が繰り広げる熱血バトルという点が、なのはの魅力と思います。u16さんも、悟空やルフィの超バトルが好きだったら、絶対なのはも好きになると思います。
ちなみに、TV無印(1期)とMovie1stならMovie1st、TV版AsとMovie2ndなら、TV版Asをおススメいたします。
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好きなアニメ:
パトレイバー劇場版2.瀬戸の花嫁
好きな音楽のアーティスト:
モグワイ,スピッツ
好きな漫画:
宮本から君へ,ガンスリンガーガール
好きなラノベ:
イリヤの空,UFOの夏