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ZAZEN BOYZ@渋谷AX(12/20)を見てきました。
ザゼンの単独は4のレコ発→一昨年の年末に続き三度目。
最初は1stと3rdを未聴で行き"RIFF MAN"すら知らずに慌てふためくという愚行を犯し、その次の赤坂ブリッツでは普段やらない曲をやるというコンセプトのライブだったせいでやっぱり知らない曲ばかりで慌てふためくという悲しい思い出が浮かんでしまうザゼンではあるが、ライブ自体が外れだったことは一度もないうえ今回は死ぬほど聞き込んだ『すとーりーず』のレコ発、しかも曲はそれこそ"半透明少女関係"までYoutubeで予習したうえでの今回のライブ。間違いなく楽しめるに違いないと喜び勇んで渋谷にレッツゴー。
7時にバンドの面々が登場。相変わらずの面々であるが、ドラムの松本さんが髪結わえてた。だよね!あの長い髪邪魔だったよね!だろうと思ってたよ!
そして中心に固まって配置された楽器をそれぞれが手に取り、裂帛のカウントとともに爆音を打ち鳴らす。それを四回ほど繰り返した後さっそく『すとーりーず』から"サンドペーパーざらざら"。まあ当たり前というかその腕はいささかも衰えておらず、鳴らす音のキレは本当に半端ない。ここまで完璧に爆音で鳴らされるとほとんどCD通りでも全然違うものに聞こえる。
んでそっから"RIFF MAN""HIMITSU GIRL'S TOP SECRET""SI・GE・KI"と代表曲を連打。"RIFF MAN"はもちろん移民の歌アレンジで、何度聞いてもアガらざるをえない。
そしてそこからは『すとーりーず』の曲を中心とした流れに。基本的にはCD通りだが、その複雑な曲構成にも全くバンドがぶれるようなことはなく、そのミニマルかつスリリングなグルーヴには単純なリズムとは違うファンキーさがあって聞いてて本当に楽しい。むちゃくちゃなように見えて実は完璧に息があっているこの四人のアンサンブルは月並みな表現で申し訳ないが本当にケミストリーというものが見えて、またその楽しそうに演奏する姿を見てもうメンバー変更はないだろうなと勝手に確信してしまう。
ただ個人的にすごく期待してた"天狗"もアレンジゼロで盛り上がりもしなかったのはちょっとショックだったかな。ボーカルの音がちっちゃかったせいであの落語調のラップ?が聞こえなかったのも少し残念だった。もちろんかっこよかったけど。
そういう意味で「これは明らかに今後のライブで演奏されていくだろうな」と思ったのは"サイボーグのオバケ"。小気味いいカッティングのリフ主体の4/4拍子ファンクは意外とありそうでなかったし、ブレイクの使い方も非常に意識的でライブ映えする。しかも曲が終わった後もベースだけ残して、そのあと向井がいつものMC悪ふざけをした後カウント→再度爆発の流れはザゼンにしては珍しいほどベタでこれはこれからのライブのいい味付けになるだろうと思った。
んでそのあとなんとあの坂田明氏が客演(普通に告知されてたらしいね…情弱で申し訳ない)。
『すとーりーず』にもサックスは一つとして無かったし、ジャムっぽい要素も薄かったわけで、いったいどういう風に使うのか…やっぱり"SUGAR MAN"とか"赤とんぼ"とかやって終わりかな?と勝手に想像してたわけですが、そこはさすがザゼンボーイズ予想を裏切ることに関してはもはや右に出るものなし。まさかの"暗黒屋"を地獄のノイズソングに大変身というとんでもない技に出てきたのだ。
まあ確かにある意味でゆら帝の"ロボットでした"のような意味でフリージャズ…というかキャプテン・ビーフハートやペル・ウブのような変態ガレージサイケに近い曲ではあったが、しかし一切ジャム部分もノイズ部分もないこの曲であそこまでキチガイじみたドロドロのノイズジャムを繰り出そうとは…いやはや向井の音楽素養には恐れ入る。
無論客も終始フリーズしたままだったが、それに罪悪感でも感じたのか次の"COLD BEAT"では間奏で何とカシオマンに吉田さんに坂田氏まで歌わせて、挙句の果てには観客にまでコーラスを求めるというザゼンでは珍しいほどフレンドリーな一面を見せていて、それはそれで面白かった。
そして本編ラストはなぜか(というわけでもないが)"はあとぶれいく"で〆。やたら熱唱していたのは本当になぜだったのか。とても何となくだが前回の赤坂ブリッツでなぜか二回も歌ったThe Smithの"This Charming Man"を思い出した。
そしてアンコール。向井秀徳はストラトを持ち、他の面々は楽器を持たずにマイクの前に並ぶ。坂田氏も現れその手にはサックス。はてアカペラ安眠棒かな?と思ったら何と"KIMOCHI"!ストラトの美しいアルペジオに坂田氏が先ほどの鬼気迫るフリーサックスとは真逆のあまーいメロディを乗せ、そして四人全員でゴスペラーズよろしくガチであのド直球ラブソングを歌い上げる!しかもきっちり一人ずつソロパートがあり、全員無駄にうまいwいやーほんと今回はザゼンのひょうきんというかユーモアな部分がこれ以上ないほどよく現れたライブだった。なんかホモくさいと思ったのは内緒だ。
そしてラストは"Asobi"。いつも通りのサイケデリックでクールなハウス仕様で素晴らしいものだった。
まあ本領というわけではないし『すとーりーず』のレコ発としてはそのポテンシャルをしっかりと転化できたライブだったとは少し言えないかなとは思うが、ザゼンの違った側面…ユーモアや楽しさ、そしてアヴァンギャルドさがいつもよりずっと前面に出ていてなかなか刺激的だった。
それこそ"RIFF MAN"とか"HIMITSU~"的な変拍子ファンクをずっとやっていくわけにはいかないわけで、『すとーりーず』はシンセやイーブンキックなどというような飛び道具を使わずにそこから抜け出ようとしたアルバムだと個人的には思っているんだけど、今回のライブもそういう意図というか…ザゼンボーイズの底知れなさとでもいうべきものが垣間見れたと思う。
ぜひ『すとーりーず』の曲を今後のライブでさらに練り上げ、今までの曲ともっとうまく融合させたライブを見てみたいと思う。
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