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冬アニメも大体折り返しということで恒例の。
1.ロボティクス・ノーツ
2.ビビッドレッド・オペレーション
3.さくら荘のペットな彼女
4.琴浦さん
5.絶園のテンペスト
今期はもうとにかくさくら荘とロボノの二強と言わざるを得ない。
回を追うごとに面白さがもううなぎ登りになっていく。明らかに2クール目から楽しめるような構成になってはいたと思うが…特にロボノ。1クールの地味さがまさに助走だと思わせてくれる素晴らしい流れ。
最近は何となくではあるがアニメ全体が1クールのコンパクトさに寄っていっている気がしていたが、決してどこぞの刑事アニメのような派手派手さに逃げることなくひたすら人物同士の関係を書き、だがそれだけでアゲてくるこの感覚はとても見てて「今のアニメだな」と思わせてくれた。
ビビオペは…うぐぅ。
1.ロボティクス・ノーツ
最新話の感想を見て驚いたのが「あきちゃんは不謹慎だ」という声がかなり多かったことだ。
といっても先に言いたいのは別に俺は「あきちゃんは不謹慎なんかじゃない!ロボを作ることこそ皆の思いであり正義だ!」と主張したいのではないということだ。
確かにあきちゃんは自分勝手だと思う。それはもちろん自覚している通りだし、さらに海くんが指摘している。そう、本人たちはわかっているのだ。
しかしあきちゃんは諦めない。いや、諦められない。姉へのコンプレックス、歴代ロボ部からの重責、巨大ロボットへの愛、みんなとの絆としてのガンツク製作…様々な理由があきちゃんに足を止めることを許さない。
ただ、今挙げた理由とは至って自分本位なものである。そのせいで怪我をした昴、息子に怪我をさせられた父親、迷惑がかかった教頭などに主張できるような理由では断じて無い。さらに言えば「上のような理由があるんだからあきちゃんを許せ」という主張は俺は間違っていると思うし、だからこそ最初書いたようにあきちゃんを許せない視聴者が多くいる。
なら俺はなぜそんなあきちゃんに惚れるのか。
それは「夢を貫くものは間違っていなくてはならない」と思うからだ。
最近夢を追い求め頑張る女の子を描くアニメが多い。どれとは言わないが言うまでもないだろう。今期だって沢山ある。そういうアニメは今かなり求められているし、俺自体そういうアニメは大好物である。
しかし俺には一つ気になるところがある。
その女の子が背負うリスクの問題である。
彼女は周りを巻き込み突き進む。立ちはだかる障害を乗り越え夢を追う。そこでは必ず何かが変わる。誰かの人生を曲げる。それがその人の本意にせよ違うにせよ、必ず誰かに影響を与え、時にはその影響がその人にとってマイナスになることもある。それが人に影響を与えるということであり、何かをなすということであり、夢を追うということである。
だが今、夢を追う女の子の周りには幸せしかないように思う。
何を為そうとも誰を巻き込もうとも誰一人不幸にならず、何も失うことなくただただ周りに笑顔が広がっていく。そんなアニメが多すぎる。
それはもちろんある意味では必要である。夢を追う少女、その輝きだけを描こうとするのであればその描き方は間違ってはいない。
しかしそれでは必ず描き方が浅くなる。障害も何もなくただ笑顔だけで突き進むような女の子に俺が感じるのは「自分勝手」の名の下に負うべきあらゆる責めを失くしたつまらないご都合主義だ。そこには確かに不幸はない。だがその代わりに棘もない。ただ笑えて萌えるだけのアニメである。
ロボノは驚くほどリアリティを追及する。高校生だけで巨大ロボットを作る可能性と不可能性について深く吟味し、出来ることだけをやらせて出来ないことは外部作用によって進め、そして本当にどうしようもないことはちゃんとどうしようもないように描く。
監督者のいないところで勝手にものを動かす。これ自体は高校生によくある勝手だ。しかしそれが巨大ロボットという高校生にはあり得ないものだったせいでこの悲劇は起きた。ロボノは高校生が巨大ロボットを作る不都合から決して逃げてはいないのだ。
それはつまり夢を追った犠牲である。あきちゃんはその信念で巨大ロボットという夢を作り上げた。高校生には身の丈に余るものを手にした。そのせいで昴は大怪我をしたのだ。そこで初めて彼女たちは夢というものの身勝手さに気づく。
俺はあの最新話を見てすぐに「猫の地球儀」の坊主の「夢とはかくも手前勝手なものだ」というセリフを思い出した。夢を追う幽のせいで楽が死んだその時のセリフである。
そしてあきちゃんはそれでも前に進むという。
その言葉の重さは今までのそれとは、他の頑張り系ヒロインのそれとは大きく違う。自分が傷ついても、他の人が傷ついても、それでも夢を追うという決意。それは非難されるリスクを負う。「自分勝手だ」と言われるのは間違いない。それでも戦うという信念こそ夢を追う者にある美しさなのだ。
夢を追う美しさが人を巻き込んでも許される正当性を与えるのではない。夢を追うというのは人を巻き込む汚さを含めて美しいのだ。そこに無自覚な正義信者があきちゃんを叩く。信念とは正義ではない。正当性なんてどこにも無くてもそれでも突き進む愚かさである。
そしてその愚かさを全て理解し、それでも寄り添う海くんの信念と愛もまた、一段と深みを持つ。
これはBD一巻冊子の原作者インタビューを読んでわかったのだが、みっちーや伊禮など大人はすべて夢を諦めた人たちだという。それを思うと今後がさらに楽しみになってくる。
アイマスのたった一年後に夢を追う者の挫折をこれほどしっかりと書いた作品に出会えるとは思ってもみなかった。
ちなみに今まで散々シナリオ(というか原作)の素晴らしさについて述べてきたが、野村和也の地味だがとてもしっかりした演出はこの心理描写が実に大事なシナリオにおいてとても素晴らしい働きをしていると思う。音楽もいいし作画もここにきてIG得意のリアルさが本領を発揮している。未だに顔は萌え絵書き慣れてないのか微妙な時もあるが、ここ最近のIGとしては稀にみる出来だと個人的には思っている。
あとはもうエンターテイメントとしてのラストだけあればいい。予想はしない。期待だけしてBDを買って待つ。これが1200枚しか売れないのはしょうがないが、全話見てなお貶すものがいるのであればそいつは馬鹿だと断定させてもらう。素晴らしい青春アニメである。
2.ビビッドレッド・オペレーション
うん。ぶっちゃけると全然面白くないね。
1、2話はすごい好きだったんだけど3話でうん?と思いつついやーでもでもあの高村監督だしぃー!とアンチの書き込みにファビョっていたが4話でうぐぐぅいやでもしょうがないしぃー!尺の問題だからこれからだしぃー!高村さんもHPで言ってたしぃー!と信じた5話で諦めました。はい。
少なくともシナリオはノリ一発の適当萌えバトルアニメ。シンフォギアと大差ない。
キャラデザかわいいしコンテも結構凝ってるとは思うんだけど…声優もやばいし。緑が有名だがさり気に青もやばくね?ていうか教官も何とも言えない。作画も落ちてきている。
本来であればベスト5にも入らない出来だが…それでも信じて2位。信じてるぞ!BD予約して待ってるぞ高村監督ー!
3.さくら荘のペットな彼女
最新話がとてもナイスだった。
とにかくこのマリーもかくやというエゴむき出し感がたまらない。これぞ青春!これぞ恋愛!これぞ少年少女の心理ぃ!という原作者の叫びが聞こえてきそうなシーンの数々。それが先行しすぎて突っ込みどころがバカスカ出てくるがもうそんなの関係ないね!そういう突っ込みどころすらも青春の一部よ!
うちの姉が最新話を見て「風香とましろが可哀想すぎて仁と空太ぶっ飛ばしたくなった」と言っていた。気持ちはとてもよくわかる。女側から見れば仁は姉をヤリ捨て妹に乗り換えたクズで空太は愛に付け込んで仕事をやらせるヒモ男である。それが男が書くとこうも美しくロマンチックな喧嘩シーンになるわけだ(爆笑)。これはあくまで予想だがマリーはこのシナリオを見て原稿燃やしたくなったんじゃないだろうか。少なくともマリーというか女には書けないタッチこじらせシナリオだ。
馬鹿にしているのではない。そここそが素晴らしいのだ。ここまで自分に酔える小説家が、吐き気のするほどむき出しにするエゴこそが今男に必要なものだと俺は思う。読み手の保護欲を満たす最強主人公だの批判から逃げたリスクゼロのハーレムシナリオではない。女や男からすら笑われ貶されるようなバカバカしいほど尖ったシナリオ。それの女版がマリーやゆゆこだったわけだが、ようやく男からそういうものを書こうとする人間が出てきたことに俺は感慨を覚える。今の男はどいつもこいつも傷つきたくない症候群の守られ体質だからねー…いいと思います。
何より話として普通に面白いし。ちゃんと続きが気になるようにできている。さすがにハチクロとかG戦場みたいな真っ黒展開は無理だろうと思うが、とにかく空太がどこまで打ちのめされるかがキモ。藤沢さんにボッコボコにされてほしい。そうやって傷ついてそれでも立ち上がる者たちを青春と呼ぶと俺は思うんだよ!ただ何かやりたいことやってるだけのアニメを青春とは呼ばないと思うんですよ俺は!わかるか吉田玲子!
ただ明らかに尺的には8巻までしかやれないのに最近9巻がでて「あー尻切れトンボ決定かー」ということで少し評価が下がってしまった。できればとらドラ方式にしてほしかったが…まあそりゃ無理ってもんですね。逆にアニメ終わったらそこから原作買うと思うな。これは結末が気になる。ラノベもまだまだ捨てたもんじゃないんだなー。一年に一つくらいいいの出てくる印象。
4.琴浦さん
覚えてる人なんてほとんどいないだろうがゆるゆり二期の評(http://u16n.3rin.net/Entry/180/)でイイハナシに見せかけてきっちりギャグにした太田監督を誉めたんだが、まさかそれがまた見られるとは思わなかった。
4話のあのシリアスからギャグの流れはどこか東村アキコを思い出した。
確かに琴浦はとても可哀想なわけだが、どこかそれが過剰すぎる印象は1話からあった。ひたすらに可哀想な人間がいい人に助けられる話というのは少女漫画の王道だし、事実俺たちは3話までそこに惹かれて琴浦さんを見ていたわけだが、しかしそれだけではあまりにも薄っぺらい。そんじょそこらのドラマや邦画と何ら変わらないただのイイハナシなわけだ。
そこであまつさえ副部長に「悲劇のヒロインごっこ」と言わせ、決して全てを解決させずにギャグで終わらせるという視点にはとても驚かされた。最後の琴浦のセリフに顕著だが、つまりこれは琴浦の成長物語だったわけだ。可哀想な悲劇のヒロインを助けてあげると見せかけて実はその被害者意識を指摘し笑う。そうやってメロドラマの嘘を暴く構図は「主に泣いています」を想起させる。
それはもちろん感動するようなものではないが、単純なイイハナシよりもずっと強度のある何とも言いようのない面白さを持つ。そしてそういう面白さをきっちり理解し、シリアスなところはちゃんとシリアスに、そこから全く甘さを残さずきっちりギャグにする太田監督の手腕は稀有なものだとも思う。この人はゆるゆりの前はみつどもえやってたんだな。道理で。
といってもやはり5話以降の普通のギャグ話にも少し物足りなさを感じてしまうのが正直なところだがまさか全編あんなNHKドラマみたいなことやってる訳にもいくまい。どうやら9話からはまたシリアスモードになるらしいし、それくらいがバランスとしてちょうどいいと思う。
個人的にはキャラデザはもうちょっとリアルな感じでよかったと思うけど、今の深夜アニメには貴重な視点を持ったアニメだと思う。
5.絶園のテンペスト
1クールの権謀術数?バトルもなかなか面白かったんだが、そこにまさかのラブコメを絡めだした2クール目の面白さはちょっと驚いた。
まずテンペストはキャラがいいなーと思っていて、ぼけっとしつつ実は頭良くていい性格してる吉野とヤンキーのくせに妹大好きな真広のコンビがすごく俺好み。そこに沢城声の男口調ヒロインに毒舌はなざーさんにナイス真面目ボケ力ちゃんまで絡んで適当に喋っているだけで笑える。
ましてやその関係性を発展させシリアスな方面にまで持っていく強引な流れは無茶苦茶ではあるんだが当然爆笑かつ爆萌えで、またこれが驚くべきことに一応それなりに筋は通っているのでそこそこにはハラハラさせられるという。
作画のクズさはこれがあのボンズの仕事かとどこか悲しくなるほどの出来ではあるが、キャラデザそれ自体は原作の女っぽさを決して殺さずさらにデッサンをよくするナイスなものでとても目の保養になるし、たまーに凄いいい立ち回りをする回があってそれも楽しい。
いやー思わぬ伏兵でした。普通に楽しいです。俺の好きなタイプのシナリオじゃないんでこれ以上の順位は期待できないだろうが、毎週楽しみに待てるのは多分間違いない。あと主題歌はあまりにも1クールのほうがよかったね!
あとは閃乱カグラがすごい好き。
エロ萌えがナイスなのは当然として、なかなかどうして普通に熱いバトルものになっててびっくり。最近バトルものといえばよくわからんクソラノベばかりで、ここまでまっすぐなものは久しぶりなのでとても好感が持てる。出来れば敵側と味方側声優交換してほしいとは思うが。キタエリ最高!
あとキューティクル探偵因幡も予想外の面白さ。確かにGファン臭は半端ないがそこまで腐押しというわけでもないしちゃんと女の子も出てくる(一人男の娘だけど!)し入野のツッコミは本当に秀逸でそれだけで楽しめる。満仲さんはギャグのほうが向いてると思うわ。まだわからんけど。
俺修羅は残念だった。あの亀井さんが萌えアニメと思って期待してたんだが…まあこれは完全に原作のせいでしょう。OPはすごい好きだよ!買おうと思ったらBD限定だよ!バーカ!
たまこまはクソ。けいおんから萌え減らして何かどうでもいいもの足しただけのアニメ。とりあえず山田尚子と吉田玲子はもうちょっとギャグセンス鍛えませんか!?もうね。クスリともできねーんですわ!ひたすらしおりちゃん目で追うだけのアニメですよ!馬鹿か!
あとはあー皆さん大好きな…なんでしたっけあれ。ラブ?ラブプラス?ラブバイブ?忘れちゃったけどあれはもうね。いいんじゃないですかね。すごい面白いですねほんと。みんなかわいいしね!作画もいいしね!3Dもかわいいしね!シナリオもちゃんと障害があってね!素晴らしいアニメですわー!非の打ちどころないわー!仲間になっていく過程が全然納得できないとかほのかちゃんの元気以外能が無いのが腹立つとか大体3話もAパートひたすらうみちゃんかわいい攻撃でフリ甘すぎるとか誰もいないんだから誰か言ってやれよとかあんだけ皆いい感じに反応してるのに来ないとか外道かよとかそれ以前に声優ゴミすぎとかもうそんなん気にならなくなっちゃうくらい最高ですねー!そういう細かいところツッコんだら負けですもんねーはいはい!にっこにっこにー♪
サイコパスは攻殻のパクリ!
そんなもんだろうか。とにかくロボノとさくら荘が最高すぎて笑っちゃう。まさかここまで期待に応えてくれるとは。あとはビビオペさえ最高だったら言うことないんですけど…きっとこれからですよね!信じてますよ高村さーん!
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好きなアニメ:
パトレイバー劇場版2.瀬戸の花嫁
好きな音楽のアーティスト:
モグワイ,スピッツ
好きな漫画:
宮本から君へ,ガンスリンガーガール
好きなラノベ:
イリヤの空,UFOの夏