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andymoriとはつくづく不思議なバンドだと思う。
遠目にはまあ普通のロキノンバンドだと思う。大した物珍しい音楽性でもなく、そこそこにキャッチーで、そこそこに尖っていて、そこそこの個性もあり、そこそこに売れている。
しかし一つでもアルバムを借りてみてみると、ずいぶん印象が変わる。
まず歌詞が違う。あまりにも他の邦楽バンドとは違う、具体性と抽象性が妙な混ざり方をしている。音楽性も、決して多種多様というわけではないが、どの曲も何とも言えない違いがある。曲構成や歌い方、リズムやメロディなどに細かい差とこだわりがあり、飽きない…というわけではないが、不思議とアルバムを通して聞いてしまう。
これはあくまで個人的な感覚ではあるが、俺はよく洋楽のアルバムは通して聞く。洋楽は曲自体の質というよりアーティストごとの個性でCDを買っているので、捨て曲とかシングルみたいな概念を意識せずに全曲聞く。逆に邦楽に関してはポップさや曲の完成度を重視して聞くので、どうもシングル曲だけ聞いてあとはほとんど聞かないみたいなことが多い(まああまりよくない聞き方ではあるし邦楽や洋楽といっても様々ではあるが)。
しかしandymoriにおいてはどうしても全曲聞いてしまう。もちろん"CITY LIGHTS"や"everything is my guiter"などのキラーチューンはあるが、他の曲も飛ばそうという気にならない。別に完成度が高いとかアルバム一枚で物語がどうのみたいな話ではなく、さっき言ったような意味でandymoriとしての個性に魅力があるからだと思う。こんなバンドはロキノンバンドでは他にいない。
それは何かと言われれば…色々な要因があるが、小山田荘平の若々しい声で歌われるどこか悲しいメロディが、やはり全てにおいて自分の琴線に触れる。
そのandymoriの四枚目である。
前作『革命』の延長線上にあるといえばあるが、また違うところに行っているというのがまず受けた印象だ。『革命』は三人で一斉に鳴らしたパンクロックアルバムという印象が強かったが、これはもう少し広がった…広義でいうロックなアルバムといったところだろうか。リズムもいつも通りの速いトラックは半分くらいで、今までのディスコグラフィから考えても落ち着いたアルバムといえる。トランペットやリコーダーなど新しい音色もうまい具合に使われている。
1,2曲目はわかりやすいandymori風の曲だが、歌詞は『革命』での具体性を強めたものに近く、古い日本の歌謡曲を思わせる。"光"のあまりにもストレートな歌詞は1st,2ndの抽象的でどこか風刺の効いた歌詞を好んだファンには凡庸に映るかもしれないが、しかしむしろこれほどまっすぐな歌詞をてらいなく書けるということに俺は小山田の才能を見る。
「分かるかい?砂に書いた文字も石に刻んだ名前も波と風に消えていくから今君の手に触れたいんだ」というラインには、強い諦観とそれゆえの愛の渇望がある。それは巷にはびこる別れソングのくだらないセンチメンタリズムやそれこそ引用元の昭和歌謡の様式に近い三流ラブストーリーのどちらでもありどちらでもない、今の時代だからこそ書ける歌詞だと俺は思う。これをパンクロックに乗せて歌うところに意味がある。
正直"インナージャーニー"や"三分間"などはすこしつまらないとは思う。わかりやすいキャッチーさから逃げた悪い結果だとは思う。
だが、それを補って余りあるほどに、ミディアムバラードの"君はダイヤモンドの輝き"は素晴らしい。
今までのandymoriからいえば"1984"や"16"が近いとは思うが、よりフォークに近づいたそのバンドサウンドとともに、乾きつつも憂いを帯びたメロディを存分に発揮して小山田は歌う。
「君はダイヤモンドの輝き 僕だけが愛した人 この心の中の小さな光がたどり着いた瞳」
タイトルは冗談のような恋の文句で、歌詞もただひたすらに愛を歌い、だがどこまでも曲は悲しく、それは俺にとってけいおんやストライクウィッチーズに近い。悲しみを知りながらしかし決してそれをあらわさず、だがたった一言だけ「ごめんね ありがとう」と呟くその姿は、街宣車や右翼をからかった1stの彼らでは決してたどり着けなかった場所にいる。
そして、間違いなくこのアルバムのハイライトになっているのが、"クラブナイト"だ。
まさかのイーブンキックと、マーチングリズムというむちゃくちゃな組み合わせに合わせて歌われる、このアルバムでは珍しい完全に躁な曲である。曲構成は何一つ珍しいものではない。相変わらずの素晴らしいメロディとともに、ほとんどリズムも変わることなく叫ぶ。
「輝いた時代のアルバムをめくる手を止めて クラブナイトへおいでよ 下心でもいいよ 君の好きなレコードをかけるよ」
クラブという現代の邦楽からかけ離れたものをメタファーとして、ひたすらにうずくまり傷をなめあう邦楽ファン、そしてただひたすらに過去に囚われる懐古厨その両方に前へ進めと叫ぶこの歌を聞いたとき、俺は彼らの非凡さに気づいた、
これはぜひライブバージョン(http://www.youtube.com/watch?v=lukyWRbpMC0)を聞いてほしい。CDの何倍も力強く叫ぶ小山田と、ひたすらに楽しそうに演奏するバンドたち、そしてそれに応えるファンたちのの美しさは何物にも換えがたい。
彼らが売れているというのは、素晴らしい事実だと思う。
ファンはその非凡さに気づいているような感じではないが、色々な音楽に触れてきてなお見渡した邦楽の状況において、彼らの異才はひときわ輝いて見える。
もちろん足りないものもあるし、耳を楽しませる音楽かといわれるとそうでもないが、ロック本来の若さと力強さというものをしっかりと保持しているバンドというと、今の世代に受け入れられているバンドでは彼らと…9mmくらいのものではないか。
しかしどうやらファンも最近の路線は好きではないらしい。まあ気持ちはわからんでもないが。
RADWIMPS的でも凛として時雨的でもなく、くだらない参照で楽しむボウディーズや毛皮のマリーズの類でもない。しっかりと今の時代を把握しつつ、新しい答えを出していくバンドとして、彼らの行く末をこれからも見守っていきたい。
秋アニメ一話が全部放送し終わりましたので、ベスト5を。
1.ロボティクス・ノーツ
2.ひだまりスケッチ×ハニカム
3.武装神姫
4.リトルバスターズ!
5.ガールズ&パンツァー
緋色の欠片、ヨルムンガンド、BTOOOM!、マギ、コードブレイカーは見てません。緋色は前期の一話みて切ったから、次二つは基本的にハードコア系アニメはよほど真面目にやらないとロクなものにならないという偏見、最後二つは原作を知っていてゲロつまんないので。
まあ全体としては春より面白かった夏よりさらに面白くなったかなと。
特に木曜日の素晴らしさは去年を思い起こさせて嬉しい。サイコパスも面白ければ最高だったんだけどね…。うーむ。まあでもかわいいアニメも笑えるアニメも先が気になるアニメもそれぞれあっていいと思う。
各論。
1.ロボティクス・ノーツ
まず設定がいい。
やる気ない男と痛い女子が巨大ロボを作るという今時感ばっちりかつ青春ものとして非常に正しい配置。青臭いアニメがとことん玉砕している今、ここまでまっとうな設定というのは期待させられる。
また、やはりシュタゲの人が原作というだけあってシナリオとしてもとてもまともで見ていて恥ずかしくならない。同じく男女の青春ものとしてタリタリがあるが、基本はよかったんだけどとにかく大事なところの会話が恥ずかしすぎて見てられなかったので。まあロボノもまだ大事なところにはいっていないのでわからないが…シュタゲを見る限り大丈夫だとは思う。
IGもいい仕事してる。最近のIGは無駄に情報量が多いくせに抜けた作画する典型的ダメ大手アニメ会社だったんだが、今回は監督(バサラ二期と映画の人)の腕がいいので情報量をきっちり受け止めたいいコンテをしてるし、基本は学園モノなんで粗が見えにくい。サイコパスはまあひどかったので余計見てて楽しめた。
ちょっと男のキャラが弱いのと髪型が何とも言えないのはあるが、期待するには十二分の素晴らしい一話でした。つか話動かなすぎとか地味とか聞くけど一話って普通こういうもんだろ。サイコパスとかKとかああいうのが早すぎるだけだ。最近のアニメは本当に全体の構成を考えなさすぎだ…。
2.ひだまりスケッチ×ハニカム
みやちゃんがとにかくかわいい。
食いしん坊で無駄にでかくておっぱい大きいバカって最高だよね。しかも相手がちっちゃくて抜けててほのぼのしてるゆのちゃんだから余計やばい。もうこの二人だけで1クール余裕。
さえさんとひろさんも完全に夫婦だし…一年組も死ぬしモブもかわいいしうおおおおおおおおおおおかわいいいいいいいいというただただそれだけのアニメ。いいんだよそれで!他に何もいらない!
3.武装神姫
ほんと何であんな動くの?岸田さんパワー?ISってほとんど動いてなかったよね?
カメラワークもちびキャラ感ばっちり出してる素晴らしいコンテだしいちいちエロイし、ゆるゆりといい何でこんなアニメで…?っていう作画アニメ多いよな最近。バトルがCGなのもったいないくらいだわ。これからどれくらいバトルあるのか知らないけどもうずっとああいうお人形ブヒアニメでいいと思います。
話もいい感じにバカだしね。多分原作好きは文句ひとつないアニメ化なんじゃないかな。今後に期待。
4.リトルバスターズ
最近自分の笑いの沸点がどんどん低くなっていくのを感じる。
普通に一話のギャグで笑ってしまった。いや確かにくだらないんだけどね…。
またモチーフがあまりにも今の自分にはまってしまって(リアルの状況という意味ではなく)もうそれだけでワクワク感が止まらない。卒業しちゃうから何かしたい→野球しよう!→メンバー集めだ!という流れは青春ものとして完璧。あとあの猫好き女が鍵ヒロインにしては超かわいい、
原作を知っている友人いわく「麻枝パートは最高だけど他がクソ」らしいんだがまあ2クールアニメなら大事な部分は全部やるでしょう!クラナドで(ラストを除いて)ガチ泣きしかけた自分としてはだーまえが描く青春ものとして存分に期待させてもらう。アニメとしては京アニに届くことはないだろうが…とにかく原作再現を第一義としてるようなので心配するほどでもないだろう。
5.ガールズ&パンツァー
大魔法峠やおお振りなど目立たないが良いアニメを作ってきた監督水島努初のオリジナルアニメ作品。
ということでそれなりに期待して見たんだが…。うーむ。
自分としては戦車道というむちゃくちゃなギミックを使ってかわいい女の子にパロネタやコアなミリタリーネタを存分にやらせるドタバタギャグものと勝手に思っていたんだが、まさかここまで真っ当に青春ものをやってくるとは。
そしてその評価としては、まあ贔屓目に見てもワクワクさせられるということはなかった。いや丁寧ではあるなとは思うけど、あまりにキャラが多すぎるし戦車バトルじゃスポ根として描くにはあまりにコアかつ面倒すぎるし1クールしかないし…そして何より全く萌えない!絵もキャラも!これは致命的!
ただ水島努にはぜひ頑張っていただきたいので、大甘で五位に入れた。これから挽回してくれることを祈っている。
他としてはとらぶる、えびてん、さくら荘、となりの怪物くん、中二病、テンペストなどが気になるかな。
さくら荘は古めかしい寮で個性溢れる隣人に囲まれた凡人男が青春らしい苦悩(おそらく才能のあるなし)と戦っていくという設定がどこかめぞん一刻を思い出させて楽しそう。キャラが痛いのがどうにかならんかと思うが。脚本マリーだしね。グログロはいらないからね?
怪物君はまず絵作りが素晴らしい。はっきりした色でパキッと塗った色構成や原作から逸脱はしないがかわいらしさを増やしたキャラデザなどが目を引く。主人公も最近流行のコミュ障女でかわいいし友人も痛くて楽しいし。男がキモイけど。
とらぶるはなんか妙に画面が凝っててウケる。やってることは完全に原作通りなのに。いい加減大槻さんにはシリアスなアニメをやらせてあげてほしいもんだ。
サイコパスはひどいね…完っ全に押井版攻殻+SAC+踊る。なーんも目新しいものなし。本広と虚淵が二人で「萌えという言葉は禁止」とか言ってたらしいがそれじゃ何の意味もないだろうと。そんなに才能があるわけでもないんだから媚びとけばいいのに。
まあでもそれなりに楽しみなアニメがあるのでよかった。とにかくロボノの出来如何だなぁ。ていうか冷静に考えると今年のアニメこれで出揃っちゃったんだよな…今のところ今年No.1アニメは夏目か夏色キセキだけど、もしこの二つが去年やってたらベスト10に入るかどうか微妙なところっていう…去年が豊作すぎただけとも思うけどいくらなんでもなぁ。ロボノにはぜひベスト5にえぐり込むようなアニメになってほしいもんです。
まどマギ劇場版前編を見た。
とても面白かった。前々からまどマギは一気に見た方が面白いと思っていて、特にこのような無駄を排してきっちり二時間にまとめたものを劇場のスクリーンと音響で見る迫力というものは、想像したよりもずっとカタルシスが大きく、内容としては意外と新規カットの少ないよくある総集編ではあったものの1800円を払ったことを後悔するようなことは全くなかった。
去年の春に放送が終わった時の自分の感想としては、ここ(http://u16n.3rin.net/Entry/103/)でも書いたが面白いということは認めつつ満点というわけでもなかった。それはラストや演出、そしてさやかちゃんの扱いいいいいいいいいとか色々要因はあったわけだが、そのあと意図するしないに関わらずあの狂騒の中でまどマギというものについて考えさせられ、再放送で全話をもう一回、そして今回八話までの流れを見ることで、いくつか見直したというか気づいた点というものがあった。今回はそれについて少し書いてみたいと思う。
まず気づいたのが、スタッフの演出意図である。
ここまで物語が強く心情変化が激しいアニメにおいてシャレオツでアート色バリバリ個性出し出しのシャフト演出というのは少し前の自分としてはもう水と油というか刺身にオイスターソースという感じで、放送当時は脚本に関してほぼ満点といっていいレベルだったからこそ残念な思いを禁じ得なかったと共に感想でそこについての指摘が全く無いことに苛立ちすら覚えていた。
だが、同じくシャフトの宮本幸裕氏がシリーズディレクターを務める電波女と青春男での演出に心奪われ、またその後放送した偽物語を見てシャフト演出というものについて評価を改めることになった後に今回のまどマギ劇場版前編を見て、掌を返すようで大変申し訳ないがその演出のハマり具合に感動してしまった。
虚淵氏の書くシナリオというのは基本的にはリアリティがあり、またSFとしての説明台詞も多い。そういう意味で自分は最初まどマギをガンダムやギアスのようなバトルSFものとして位置付けていた。
だが、それらの作品とまどマギが異なる点は、リアリティのバランスだ。
別にまどマギがリアリティがなくてつまらないといいたいのではない。リアリティよりもシナリオとしてのダイナミックさを重視しているのだ。整合性や共感できるか否かよりも、物語としての強度を重視している。だからこそここ最近のアニメでは希少なほど登場人物の心の揺れ動きが激しく、シーン一つずつの力強さが恐るべきものとなっている。そういう意味でまどマギというものはとても演劇的とすら言えると思う。
そこに様々なものをデフォルメし強調することを基本としたシャフト演出というのは、むしろこれ以上ないとすら言えるほど合致している。特にさやかちゃんが魔女になるまでのワンシーンワンシーンにおける過剰とすらいえる演出は、虚淵渾身の鬱シナリオにおいてこそ決して演出の暴走となることなく完璧な調和を見せて観客を魅了する。
また、シャフト演出のもう一つの特徴ともいえるサブカルっぽいアート演出も劇団イヌカレーがその役割を担って存分に発揮されているが、これも驚くほどはまっている(最近知ったのだが、前述した宮本氏も劇団イヌカレーの一員らしい)。もちろん魔女とのバトルというファンタジー設定がそれを違和感なく見せている一つの要因でもあるが、それだけではない。
めざましテレビのまどマギ特集で誰かがまどマギを「暗いおとぎ話のようなもの」と言っていたが、これはあながち間違いではないと思う。先ほど言ったような過剰なまでの鬱展開や心情描写を基本とした起伏の強いシナリオ、スケールの大きい設定などは現代的なSFや等身大の魔法少女ものというよりはどこか戯曲のような、古い演劇というような印象を与える。
そこにおいてもやはり絵本のような劇団イヌカレーのアート空間はとてもマッチしている。現実味のある敵としての魔女ではなく、抽象的である意味単純な悪という概念としての敵という意味で、複雑な能力や武器などを排しビジュアル重視での描写を選んだスタッフの選択はまさに慧眼という他ない。
だが決してまどマギはリアリティのない適当なシナリオというわけでもない。登場人物の人間味あふれるキャラクターは感情移入するに余りあり、そのリアリティがあってこそのさやかちゃん鬱展開がある。そのリアリティも決して逃がさないようなしっかりした演出もしていることが、実は今までのシャフトにはなかった部分でもある。それは電波女で存分に振るわれていたもので、俺としては想像ではあるが、まどマギと電波女(正確にいうとその前の荒川からだが)でシリーズディレクターとなった宮本氏の力があると思っている。シャフト流のアニメ的な演出と邦画のようなセンシティブな演出の融合、そしてそのバランスは、決して何となくあがったシナリオに手癖で付けたようなものではなく、まどマギというシナリオを演出するにおいてほぼ完璧なものだといえる。
また、今回見るにあたって見過ごせなかったものとして、声優の演技がある。
まどかの声優である悠木碧は確かこのとき高校生だったと思うが、それが何度聞いても信じられないほど素晴らしい演技を見せている。これほど台詞の意図を読み、かつそれを表現できる声優が20歳にもならないとは…激しい演技も本当に鬼気迫るものがあり、周りを囲む錚々たるベテランの中で何一つ劣るところのない演技を見せていると思う(つかむしろ野中藍はもっとどうにかならんかったのかと…)。個人的に最近の新人はあまり好きじゃないんだが、この子だけはマジで別格。
そしてキタエリはほんとーーーーーにいい。大体においてキタエリは悲恋役が多く、さやかちゃんのような頑張り損な子はもう当て役とすらいっていいのだが、そんなどハマり役のなかで見せるシリアス演技がもう本当にヤヴァイ。八話一連の流れは一世一代の名演だ。ただ器用なだけの声優じゃないことをよーくわからせてくれる。色んな役ができて、だが深い演技もできる名脇役女性声優としては個人的にまさに千和がトップにあがるわけだけど、キタエリはその跡を継げる数少ない一人だろう(もちろん千和もいい演技を見せている)。
そして最後に、やはりというかシナリオの素晴らしさに驚いた。
とにかく隙がない。アニメというのは大体においてどこか隙があるもんだが、1クールとはいえここまで隙がないシナリオというのはなかなかない。これだけ陰鬱になっても嘘臭さが全くなく、むしろ必然としかいえないように流れを作る上手さはさすが虚淵というか、あのフェイトゼロを書いた奴とは思えない。またきちんとどんでん返しをしてシナリオに飽きがこないようにしたり、しかもそのネタ仕込みも完璧だったりと、本当に海外ドラマか洋画かというようなシナリオの強度たるや、日本のオタク業界どころかエンタメ業界全体を見渡しても間違いなくトップクラスといえる。これがエロゲライターだったというのだから、オタク業界ってのは本当に奥が深いもんである。
もちろん萌えも忘れない。さやかちゃんはいつだってかわいい。今回見てほむほむもかわいいなぁと思った。さやかちゃんとイチャつくまどかをみてぐぬぬしてんだろうなと思うととてもかわいい。杏子もかわいい。エサあげたい。さやかちゃんに餌付けされてほしい。そして何回見ても上条と緑はぶっ殺したいね!もうこれどうしようもないね!この殺意どうしようかね!
しかしここまで暗く重い話が今の日本にここまでウケるというのが本当に信じられない。
最後にエンディングとしてmagiaが流れるわけだが、あの恐るべき重低音とともに映る映像のアヴァンギャルドさに驚いてしまった。抽象画のような赤黒い空間の中を赤いシルエットで走っていくまどか。感動もクソもない。怒りと悲しみに満ちたこのアニメをとてもよく表していた。
もちろん全体としては完璧にエンターテイメントであるし、ラストはまあ基本的にはハッピーエンドと言っていいだろう。だが、希望と幸せと恋愛と感動に満ちみちたこの日本エンタメ業界において、過剰なほどに世界をクソッタレに描くまどマギという作品がここまでバカ売れし日本を賑わせたという事実はとても重要だと思う。
大事なのはクソッタレだと言って終わっていないことだ。普通に面白いし、決して現代アニメの文法から大きく外れているわけでもない。エンタメとして高い完成度をしっかりと保持しつつ、自らのホームグラウンドの人たちを裏切ることもなく、だがクリエイターとしての高い信念を持って作られたからこそまどマギは素晴らしい作品なのだ。虚淵だけの力ではない。シャフトだけの力でもない。これこそ強いエゴをみんなで形にするアニメならではの素晴らしさといえるだろう。
だが、ここまで書いといてなんだが、未だにラストについては不満がある。やはりあそこはもっとエンターテイメントに徹するべきだったと思う。
だが、なんと後半は新規カットが多くあるという。この後には三つめの完全新作劇場版も待ち構えている。期待せざるを得まい。ぜひ今度こそグレンラガン劇場版のような、アニメならではの正しいご都合主義を見せてもらいたいものだ。ていうかさやかちゃん復活させてね!ほんとお願いします!あのままじゃいくらなんでも不憫すぎるだろ!もう今までの流れとか設定とか全部無視して気合と根性で復活でいいから!頼んだで虚淵いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!
1.ゆるゆり!!
2.織田信奈の野望
3.貧乏神が!
4.エウレカセブンAO
5.DOG DAYS’
また結構変わったな。
氷菓は切ったのを後悔している。毎クールそういうのある気がするな…まあいつか再放送するだろう。
総論としては、まあ楽しかったとは思う。
上の五つ以外でもホライゾン、タリタリ、中妹などそれなりに楽しめるものが多かった。もちろんじょしらくや恋チョコなどどうしようもないものもあったけれど、平均としてはなかなかのものだったのではなかろうか。
各論。
1.ゆるゆり!!
個人的に日常系は好きではない。嫌いでもないが。
どうしてかといえば単純で、シナリオがないからである。別にシナリオがないからクソなわけではないが多様性は一気に減る。適当にやればけいおんの二番煎じになるだけである。相当の(シナリオ以外での)個性というかコンセプトをもって作らなければいけないのに、今はキャラがかわいいだけですぐ日常系がアニメ化しているので、あまり期待はしない(まあキャラはかわいいけども…あっちこっち然り)。
ゆるゆりも一期はやはりそういう感じで、絵はかわいいけどおもんないなぁと思っていたのだけれど、前書いたように二期でかなりギャグ押しにしてきた。まさに上でいう個性を持った作り方をしており、そこで好感を持ちながら見ていた。
細やかな作画と魅力的なキャラ、そしてツボを心得た笑いで楽しんでいく中、11話、12話と見終わったとき、ゆるゆりの評価が一気に上がった。
11話でいきなりお涙頂戴話に持っていったとき「あーやっぱりか」と思った。結局彼らも形ばかりのエンディングが欲しくなり、1クールアニメでよくある唐突な感動展開に持っていくのかと。もちろんそれだけで1クール全ての判断を変えるのは尚早ではあるが、一期をかなりハジけて終えているし、久しぶりにけいおんの二番煎じでない日常系が見られるのかと期待していた分残念な思いを禁じ得ないまま11話を見終えた。
だが、11話の最後、彼らはちゃんとオトした。爆発オチの上、京子の作り話ということにしたのだ。
たった一話だけの感動話に涙していた連中は唖然とし、公式ツイッターは「照れ隠しですよ!」と弁明していたようだが、俺は違うと思う。スタッフはそういう唐突な感動話がいかに薄っぺらいか分かっていたのだ。一応の形としてそれをやりつつ、だがそれが決して成り立つものでないと分かっているからきっちりギャグとしてオトしたのだ。
あの回についてなんぞくだらない考察なんぞしているバカがいたようだが、考察すべき考えなどあるわけがない。そうやってアニメに妙なものを求める姿勢こそスタッフの意志に反しているとすら思う。
そんな思いが確信に変わったのが12話だ。
何事もなく平常通りのAパートの後、とてつもなくくだらないオリジナルの劇中劇をやり、湿っぽさの欠片もない流れのままエンディングへと進み、そしてラストはやはり爆発オチである。
2chの本スレはまぁひどいものだった。「なんだこのくだらないオリジナルは」「爆発オチをやりすぎだ」「前回のほうをラストにすべきだった」「制作変えろ」…これだけ愛のあるアニメ化をされておきながら、原作で感動話があるわけでもないのに、勝手に感動を求めて裏切られたと叫んでいるのだ。
だが、それはおかしくはないだろうか?
ただの四コマ漫画のアニメ化だ。感動なんてできるはずがない。そりゃけいおんは死ぬほど感動できるが、あれはスタッフの意志と3クールという長いスパンがあってこその話だろう。普通の四コマ漫画というのはたいてい萌えとギャグしかないものであり、読んだことはないがきっとゆるゆりもそういうものだろうし、アニメスタッフはそれに忠実にアニメ化をしたのである。
むしろ日常系に多くを求めすぎているのではないか?本来は数少ないものであるべきジャンルをここまで増やし、求め、期待するのは間違っているのではないか?日常系というのは本来こういうものなのではないか?かわいいキャラがくだらないギャグをやるだけのアニメなのではないのだろうか?
無論スタッフはこんなこと考えてアニメを作っていないだろう。ただ単に原作に忠実にアニメ化をし、その延長線上として無理のないラストを書いただけだ。だが、原作の本質をしっかりと見つめ、そこに個性をうまく上乗せし、ハイクオリティで出力するそのアニメ化の手腕は今のアニメ市場においてとても貴重であるのは間違いない。
この監督はまた違う四コマ漫画をアニメ化するという。楽しみに待っていたいと思う。
2.織田信奈の野望
繰り返しになるが、これもよい原作を真摯にアニメ化した良作といえる。
バトル、時代劇、萌え、エロ、恋愛など、様々なものをうまくブレンドした原作を、1クールでどれ一つ殺すことなく、むしろ120%にしてアニメ化するというのは、見た目よりずっと難しかったと思う。
特に映像面での力強さは昨今稀に見えるレベルであり、作画でなく一画面の情報量を増やしていく手法は他のバトルアニメもぜひ取り入れていくべきだろう。カンピオーネなんて動き自体はそれなりなのにゼロ年代丸出しなスッカスカ画面で安っぽさやばかった。
これほど壮大な話で1クールしか尺がなかったのがとても惜しいと感じた(明らかに戦コレと尺逆にすべきだろう)。続きが気になる萌えアニメというのが本当に貴重であり、ゆるゆりとは逆にこういうものにこそ期待をし、多くを求めていくべきであって、ラノベのアニメ化もくだらん学園ものなんて捨ててもっと骨太バトルものを漁っていくべきだろう。
ぜひ2期を期待したいものだ。
3.貧乏神が!
徹頭徹尾藤田節炸裂のアニメでしたな。原作空知?と思っちゃうくらい。
というより銀魂以外でよく彼の持ち味を生かせる原作を探してきたなというか、これに藤田さんをあてたプロデューサーは素晴らしいという他ない。
ただ銀魂と違うところといえば萌えとエロであり、その部分を一つも捨てずにアニメ化できるというのは発見といえよう。つまりこれから深夜アニメ界に生き残っていけるということであり、ぜひまた違う萌えアニメを手掛けてほしい…と思ったけど銀魂がまた始まるから無理か。まあ高松さんも新しいやつやるみたいだし、水島努と岸誠二の抜けた穴を頑張って埋めていってほしいものだ。
あと花澤さんと内山さんの演技が本当に白眉だった。花澤さんはもっとこういうキレまくった演技をどんどん増やしていってほしい。内山さんはこういうダルそうなヒロインをやってもっと売れていってもらいたい。キャピキャピしてない女性声優ってそれだけで貴重だからね。
4.エウレカセブンAO
まあ確かにけなされるのはわかる。
やりたいことがありすぎてとっちらかって穴だらけになってる上に、ギアスや00みたいに振り切れているわけでもないのでその穴がとっても目立つ。普通に見たら超展開オナニーSFだろう。
が、個人的に、そのやりたいことの方向性にはとても魅力を感じた。
乱暴に言えばハードSFミーツ萌えというか、色々社会的に面倒なこともやりつつゼロ年代的な肥大化した自意識による青臭さ爆発部分も合わせてそれをSF部分で昇華ー!みたいな。いやそれエヴァやん?と言われれば全くその通りなのだが、エヴァよりもオナニー感が少なくてバランス感覚がある。実力はないが。
とにかく面倒な話を排除しがちな今のアニメ界において、會川のうざったいくらいの面倒くささは貴重といえる。もう一人面倒くさい担当の吉野は會川よりさらに実力がないし、今までの彼のキャリアを見る限り少しづつとはいえエゴの捨て方を覚えてきているようなので、これからもなんとなーくだが彼に期待していこう…と思う。いや終わってないけどね!
惜しいところも挙げたらキリがないが、やはり作画部分がボンズの本気にしては甘いかなぁ…まあそれでもバトル部分は相変わらずのサーカスサーカスぅ!でしたけど。ホライゾンぐらいの迫力があればもっとハッタリで楽しめた人も多かったのでは。あと萌えがぬるいなぁ。もっとエグイ感じでいいよ!中妹くらい!
5.DOG DAYS’
とにかく色々エゴが目立ちすぎな今期の諸作(エウレカ、ホライゾン、中妹、ココロコネクトなどなど)において、もうこれでもかというほどエゴを捨て、サービス精神に身を捧げるその姿は逆に貴重だった。
というかもう同人だろう。ちっちゃくなったりおっきくなったり無駄に脱ぐわ風呂に入るわ…話の盛り上がりも起承転結も全部無視!ひたすらひたすらイチャコライチャコラ!いいと思います!
個人的には閣下の出番をもっと増やしてほしかった。ていうかナナミいるかね?存在意義全くわかんなかったんですけど?いきなり最後に主人公が「ナナミに勝つのが目標」とか言い出して耳を疑ったんですけど?
まあほんと…由緒正しき萌えアニメだったと思います。三期やってもいいんじゃないかな!
逆にひどかったものだとやはりラグランジェ(前のブログ参照)、じょしらく(ただの絵がかわいい久米田漫画)、恋チョコ(いろいろ高速すぎる)、SAO(これぞ主人公最強アニメ)などなど。ココロコネクトも期待してたんだけどね…いやはやあそこまでバカが書いてるとは想像しなんだ。長野くんだりまでいって「お前より好きなやつがいる」っていって帰ってった時はマジで爆笑したよ。
あとホライゾンはなかなか面白かった。根底のシナリオは相変わらずよくわかんないんだけど、妙にドラマチックな演出と恋愛描写、一応は燃えるバトル展開、そして何よりあまりにかっこよすぎるバトル描写はもうそれだけで白飯十杯はいけるほど素晴らしいものだった。デカブツ同士のガチンコバトルをこれだけかっこよく描いた地上波アニメって他にあるかな…?想像つかん。もしこれで話が面白かったら…と思うと末恐ろしい。というか頼むからやってくれ。これでEGコンバットアニメ化してくれ!エクシリアでもいいぞ!
来期で期待するものも…あまり真面目に情報収集はしてないけど、ガルパンと中二病には期待。特に中二病のヒロインはこれは間違いなくブヒれる。やばい。EDだけでもうやばいもん。絶対やばいわ!やばいやばい!
かっこいい大人がいない。
まあラノベ系やハーレム系、日常系など大人が出る意味が大してないアニメであればそれもよくわかるが、それこそ大人がバシバシ出てくるようなSFバトルものですらその大人どもの不甲斐なさが半端じゃない。
顕著だったのはラグランジェだ。
これでもかというほど出てくる大人たち…司令官やまどかの叔父などが話に絡んでくることはほとんどなく、ヴィラジュリオやディゼルマインに至ってはまどかに説教くらってなお世界を破滅の道に陥れている。
まどかの姉はまだ大人らしいことをしていると言えないこともないが、それにしたって「しゃんとしろ!」とメールを送っただけである。何とも言えない。
エウレカAOの大人どもにも同じことが言える。やたら「子供たちのために」と連呼するくせにひたすら心配するだけで何もしない。IFOに乗れないのは設定上しょうがないがそうでなくてもほかの兵器に乗って助けるとか色々あるんじゃないか?精神的に成長した身として言えることがあるのではないか?という疑問をガン無視してひたすら主人公たちの活躍を見届け涙するだけである。
また、ホライゾンやアクセルワールドにもイカした大人がいてもいいような感じだというのに、設定でバトルに大人を排除し少年少女だけでドンパチする。ココロコネクトや恋チョコだっていい大人が説教かましてくれてもよさそうな場面で出てくるのはやたら大人びた高校生ばかりである。
そう。逆に言えることがある。
主人公たちがあまりにも無敵なのである。
最初から成長の必要を感じさせないほど問題がない。先ほどのラグランジェにおけるまどかなど、1クール目の一話から今に至るまで何が変わったのか全くわからない。一応悩み的な描写もあるが、それを解決するようなこともなく、それこそ世界の危機ですら一話のノリと全く同様に解決してしまう。
AOはまあ成長…いやしてないな。何もしてない。変わってない。精神的未熟は描写されているが、それによる問題も大して起きず、起きてもなんだかんだで解決されている。今週のエレナとか意味わからん。二十話に至るまで散々振り倒した逃避設定をアオの謎告白一発で解決して感動する奴いるの?
兆候はあった。モーパイである。
設定や話運びは古き良きアニメであり、実際90sアニメ好きがかなりはまっているようだったが、しかし俺にはわからないことがあった。繰り返しになるが、主人公である茉莉香の成長が見られない…というより完全に強くてニューゲームなのだ。
齢15の女子が海賊の船長である。これは誰がどう考えたって七難待ち構えていると考えるのが妥当であろう。船の動かし方もわからず、指揮もできず、敵との戦闘には怯え、発砲にはためらううら若き乙女が、宇宙の荒波に揉まれ少しづつだか着実に船長として成長していく…そんな話を想像するのが普通だと思う。
が、彼女は最初の戦闘…いやその前からあまりにもありすぎる才能を発揮し、何にも困ることなく海賊船長をこなしていく。百戦錬磨の海賊たちに何見劣りすることなく海賊道を爆進してく。困ることといえばスケジュール管理くらいだろうか。
こんなのありか?監督はナデシコの人と聞くが、よくこんなの許したなと思う。
要するに大人がガキになり、ガキが大人になっている。その境界線がとても薄いのだ。
原因もまあだいたいわかっている。想定している顧客及びクリエイター…それもシナリオ部分の製作者の(中途半端な)低年齢化だ。ガキに大人はウケないし、ガキに大人は書けない。また、ガキというものを相対化できていないので書くガキも中途半端に成熟してしまうことになる。
といっても、アニメ自体ガキ向け商売なわけだし当然といえば当然と言える。
そういう意味でラノベのガキっぷりは許せる。ラノベはシナリオを一人で書く。エゴこそが売りのコンテンツである。それはもう痛さ爆発させてガキにしか書けないものを存分に書くべきだろう。
が、恐ろしいのは先ほど挙げた例二つ…ラグランジェとAOどちらもアニメオリジナルであるということである。
アニメの面白いところはガキ向けのものを大人が作ることにある。その融合が化学反応を生み、大人もガキ(ちなみに今更言うがここでいうガキとはパヤオとかがうわ言でいう小学生とかではなく中高大学生のことである)も楽しめるポップカルチャーとなる。と俺は思っている。大人が大人向けに作るならアムロが乗るのは戦闘機でありカウボーイビバップはSFにならないしエドもいなけりゃアルもいないのだ。そして俺たちはその齟齬を楽しむ。
しかし…ガキがガキ向けに作ったものを楽しめるほどガキでもない。
ガキ向けのものを大人がアニメ化する。大人でなくてはならない。少なくともAOの會川やラグランジェの菅正太郎は俺から見たら大人ではない。大人に憧れて模倣するガキである。
別に質アニメを賛美するわけではない。大人が大人向けに作った坂道のアポロンは全然面白くなかった。コクリコにも吐き気がした。大体にして本当に大人な大人がアニメを見るはずない。そんなこともわからずアニメを見て「やーこいつらガキでんなー」とのたまう自称大人野郎になりたいわけではない。ラブコメスポ根ラノベハーレム日常ブヒ系ウェルカムである。ただ、そこに大人の視点がなければ面白くないのもまた確かなのだ。
スト魔女にはミーナやもっさんという大人がいた。瀬戸にもいた。イリヤにもいた。タイバニにもいた。
今季だとタリタリとか信奈にはいる。タリタリの和奏の父が俺はすごく好きだ。不甲斐なく、父親としての甲斐性なんてかけらもなく、でも父親としてしっかり生きようとしている。これがガキでもなくステレオタイプな大人でもない、大人にしか書けないリアルな大人だと思う(ただタリタリは逆にガキがガキすぎるんだが…)。ちなみに似たようなキャラを書こうとして大失敗してるのがAOのアロハである。
結局シリアスになるのを嫌っているせいだと思うが、現状シリアスを書こうとする奴は虚淵しかりマリーしかりガキばっかなので悲しい限りである。シリアスこそ大人が書かなければいけないのに。最近見たパトレイバー劇場版1のような、ガキがガキの、大人が大人の素晴らしさをしっかり演じているアニメを見たいものである。萌え絵で。
追記
Qでのミサトさんこそ俺が見たかった大人である。
よく「ミサトさんだって破で行きなさいって言ったじゃん!」という人がいるが、俺が思う大人とはそういう過去の言動に対し帳尻合わせのような責任をとるような人ではない。目の前に起きていることを見据え、それに合わせ目的を定め、何を捨てても行動する人である。
旧劇のミサトさん(たち大人)はなんかよくわかんない過去からなぜか現在進行形の悲劇に何もせずただただセンチメンタルな行動をとるだけだった。それは彼らの持つ能力から考えたら仕方のないことかもしれないし、何ら責を負うことはないかもしれないけれど、だがそれこそガキである。自分は何一つ行動せず、ただ愚にもつかないエールだけを送って全てをガキどもに任せるAOやラグランジュの大人と同様に。それはある意味破までのミサトさんもそうだった。
世界の崩壊という現実を前に無力感をもって佇むのではなく、例えそれが自分にも責任があるにせよ、いやだからこそ何をもってしてもそれを解決しようという信念を持った深く被った帽子と高い襟の奥にある目は、正義か否かとかそんなクソみたいな話など全く関係ないところで輝いていた(そしてだからこそボタンを押せなかったあのシーンも光る)。
マジでQは俺が今のアニメに足りないと思ってるもの全部詰まってる気がする。
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好きなアニメ:
パトレイバー劇場版2.瀬戸の花嫁
好きな音楽のアーティスト:
モグワイ,スピッツ
好きな漫画:
宮本から君へ,ガンスリンガーガール
好きなラノベ:
イリヤの空,UFOの夏