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ここは管理人u16の趣味雑記をのせたブログです
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テイルズのオープニングは凄い。
まずこれだけ長いシリーズで全てOPがアニメになってるゲームというのはほとんどないわけだが、そのクオリティは尋常ではない。最新作を除いてOPに限らずアニメパートは全てプロダクションIGが担当しているのだが、もうIGのトップクラスといっていいクオリティなのだ。これは本当にありえないレベルだ。今回はその素晴らしさについて語っていきたい。

テイルズオブファンタジア
http://www.youtube.com/watch?v=MQyqsdVsVWQ
伝説はここから始まった。
…まあ実は最初にアニメのOPが入ったのはこの前のディスティニーで、このOPはそのあとに出たリメイク版のファンタジアのものなのだが、とりあえずこれが初とする(…正直ディスティニーの映像はちょっと古臭くてしょぼい)。
まーとにかく綺麗。これ1998年作だが、今見ても全く古さを感じない。むしろ90sアニソン丸出しの主題歌が合わないとすら思う。線も美しく、この頃のアニメにありがちな野暮ったい濃い絵ではない。カットのテンポも良く絵も躍動感に溢れている。まさにテイルズOPの基礎にふさわしいOPだ。
さて。これのスタッフを見てみよう。

アニメーション監督:岡村天斎
イベントアニメーション演出:吉成鋼
アニメーションキャラクターデザイン/OP・ED作画監督:松竹徳幸
イベントアニメーション作画監督:吉成曜 吉成鋼
原画:斎藤卓也 菱沼義仁 鈴木博文 岡村天斎
    宮澤康紀 大久保宏 児山昌弘 菊池聡延 黄瀬和哉
    敷島隆 武田一也 吉成曜 亀井幹太

まず、イベントアニメーション演出が吉成鋼である。もうこれだけでいい気もするが、原画には鈴木博文と黄瀬和哉という押井守アニメに欠かせないスタッフが参加しているのである。もちろん吉成も書いている。
そして見過ごせないのが亀井幹太だ。今後彼はテイルズアニメに長く関わり、劇場版ヴェスペリアの監督にまで抜擢されることになる(まあ正直その出来はあまりいいとは言えなかったが)。近年のIG作品で珠玉の出来といえるうさドロの監督でもあり、今のIGを担うエースの若き日のキャリアにテイルズOPがあるのだ。


テイルズオブエターニア
http://www.youtube.com/watch?v=B7rur9YikVA
さて、PSファンタジアの次に出た三作目エターニアのOP。
まずOPが素晴らしい。まるでOPとは思えないダウナーなバンドサウンドと女性ボーカルは、逆に色々暗いエターニアの世界観に非常にマッチしている。歴代主題歌の中でもトップ3に入る曲である。
また、ファンタジアと違い、映像もどこか落ち着いていたり物悲しい雰囲気があるのも特徴だ。メルディの笑うシーンやどこか遠い目のリッドなどはなかなか味がある。しかし戦闘シーンはしっかり動くし、今後の冒険を思わせる派手なシーンもちゃんとあり、全体として非常にまとまった素晴らしいOPだ。
さて、スタッフである。

絵コンテ・演出 西村博之
キャラクターデザイン・作画監督 松竹徳幸
原画 宮澤康紀 沖浦啓之 井上俊之 池田克己 田中雄一 
   児山晶弘 桑名郁朗 西村博之 中嶋敦子

何といっても、リアル作画二大神といってもいい沖浦氏と井上氏の参加がオタ的に見逃せない。特にアニメと関係ないオタ系RPGでこの二人が参加しているものは他にあるまい。
その他にも今後テイルズOPの美麗シーン担当として長い付き合いになっていくディーン古参の中嶋氏やインデックスのアニメなどで今大活躍中の田中雄一氏なども目を引く。


テイルズオブシンフォニア
http://www.youtube.com/watch?v=oGqDL_D9yh4
ここらへんから藤島テイルズに対するOPの本気度が半端じゃないことになってくる(いや別に藤島テイルズだから本気出してるわけじゃないんだろうけど…)。
OPもアップテンポでなかなかいい曲である。余談ではあるがこの曲の歌手misonoはこれからテイルズ主題歌を…確か五回ほど任されるというなんかよくわかんないくらいの縁を持つことになる。何でもテイルズフェスでは「うちを何度も起用してくれてありがとう~」などといって泣いたらしい。無理もない。これ以外に歌手活動してるの見たことない。まあ当然テイルズファンでmisono好きな奴ほとんどいないが…でも俺は嫌いじゃない。別に歌下手なわけじゃないし。
映像としてもまー見どころ満載。冒頭の巨大ボスとの戦闘シーン、剣を構えるシーン、プレセアの斧ぶん回し、しいなの鬼気迫るバトル、そして手に字を書くコレットブヒィ!全体として明らかにレベルが上がってる。
スタッフ。

アニメーション監督・キャラクターデザイン・OP演出・総作画監督:松竹徳幸
イベントアニメーション演出・作画監督:松竹徳幸(PS2) 久保田誓
原画:中嶋敦子 橘秀樹 山田誠 鈴木博文 柳田義明 石浜真史 新井浩一 
田中雄一 宮沢康紀 中村章子 柴田由香 桑名郁朗 錦織敦史 細田直人 
榎本花子 高橋秀樹 大塚健 今石洋之 西位輝実 小松田大全 久保田誓
エンディングアニメーションイラスト:柳沼和良(PS2) 松竹徳幸(PS2)

何といっても今石氏の参戦である。俺の勘ではしいなのシーンだが…嘘っぽい。わからん!
あとさりげなく2011年最高のアニメであるアイマスの監督錦織氏が参加しているのも見逃せない。昔から追っていたゲームのOPに今ドハマリしているアニメの監督が原画で参加なんて…胸熱である。ガイナ陣営も混ざり始めていることが伺える。


テイルズオブレジェンディア
http://www.youtube.com/watch?v=oEBd7C5hNyA
まずこのゲームのキャラデザである中澤氏を知らんという作画オタはいるまい。明らかにアニメ人脈である。
曲は…うーん。AVEXのゴリ押しがあったようだ。盛り上がらない。DOAもこの頃は確かかなり落ち目で、テイルズがAVEXの落ち目アーティストを押し付けられていた(それは今でもそうだが)。曲としても精彩を欠いていると言わざるを得ない。
だが映像としてはやはり見ごたえ十分だ。全体として非常に丁寧な作りで動かないシーンというのがほとんどない。ボスとセネルの戦闘シーンやクロエがセネルを刺すシーンなど。
スタッフ。

キャラクターデザイン・イラストレーション:中澤一登
アニメーション監督・ビジュアルエフェクト・絵コンテ・作画監督:亀井幹太・金子秀一
原画:堀内博之 高橋英樹 井上敦子 阿部恒 本田雄 中山勝一 うつのみや理
外崎春雄 高橋裕一 窪岡俊之 細田直人 増尾昭一 重国浩子 清水博之 
田頭しのぶ 本村晃一 丸山友 藤井文乃 和田高明 窪敏 板垣伸 結城信輝
西村博之 久保田誓 茂木信二郎 高品有佳 金子秀一 亀井幹太 嶋村秀一

まさかの本田雄、うつのみや理、窪岡俊之など重鎮続々参戦である。いやいや恐るべき奇跡だ。本当どこから連れてくるのか…この時期のアニメでうつのみや氏なんて見たことないぞ。
また、亀井氏がついにアニメーション監督に昇格。金子氏や外崎氏、板垣氏、重国氏など地味に有名な原画師も登場している。まあこんな豪華制作陣も次への布石でしかないわけだが…。


テイルズオブアビス
http://www.youtube.com/watch?v=XG7fEqqdgsU
もうこの記事ははこれを紹介するために書いてきたといっても過言じゃない。
とりあえず見て欲しい。そして脳汁吹き出して欲しい。これはテイルズファン以外でも名ゲームOPとしてそれなりに有名になっている。まさにその価値アリである。
まず曲が違う。なんとバンプオブチキンである。テイルズにバンプ…これ以上の組み合わせがあろうか。もちろん高二病真っ最中の自分も大興奮だった。
そしてその曲に恥じぬ…いやもう超えてすらいる映像。冒頭からありえない超作画。コンテとしては地味だががっちり動く最初のサビのあと、美麗なティアの微笑、ティアの叫び、そして…そしてあの!憲生氏のMADでも常連のシーンであるアッシュVSルークの超絶バトルシーン!あまりにも完璧と言わざるを得ない!
スタッフを書く。作画ヲタの方々、疑わないで欲しい。これは本当である。

アニメーション監督・絵コンテ・演出:古橋一浩
作画監督:松竹徳幸 亀井幹太
OP原画:竹内敦志 中村章子 黄瀬和哉 錦織敦志
松原秀典 橋本敬志 立石聖 外崎春雄
宮澤康紀 中嶋敦子 古橋一浩 松本憲生 川元利浩
イベント:亀井幹太 中村章子 宮澤康紀 井上敦子
大平晋也 高橋英樹 新野量太 森田史
山田誠 増尾昭一 矢萩利幸 秋山一則
ED:後藤隆幸 中村光宣 松本圭太
EDアニメーション:柳沼和良

…というかこの面々が一オタゲームのアニメ作画していると言われてすんなり信じる方が作画オタ失格な気がする。
監督は古橋氏。OP原画に竹内氏、黄瀬氏、橋本氏、外崎氏、錦織氏、中嶋氏、憲生氏、ビバップのキャラデザである川本氏、サクラ大戦等の松原氏。イベントに亀井氏、あの超作画で有名な大平氏(ちなみにこの人の担当シーンはRPGのイベントアニメにあるまじき超アート作画で普通のゲームファンをドン引きさせていた)、EDで後藤氏である。ついでにAKIRAの頃から活躍している柳沼氏も参戦している。俺がここで挙げない人もだいたい作画ウィキで項目が作られるくらいの原画師である。
もう奇跡のコラボレーションといっていい。一体どんなコネなのか(後で言うが)。こんなそうそうたるメンツが一堂に会することなんてありえていいのか…俺はこのスタッフを見たとき感動で打ち震えた。


テイルズオブシンフォニア ラタトスクの騎士
http://www.youtube.com/watch?v=YaaT3kZna98
実は俺はこれをやっていない。
なんか使えるキャラが二人だけと聞いてやめてしまった。というわけでOPも見たのが最近だったのだが、これが素晴らしい出来で驚いた。
まず曲がいい。misonoだが、misonoの曲では一番好きだ。普通のバンドサウンドといえばバンドサウンドだが、ちゃんと盛り上がるしメロもいい。
そして映像も、とても躍動感があって見ていて飽きない。キャラも可愛く書かれている。最後の主人公と赤毛の戦闘シーンは必見である。
スタッフ。

アニメーション監督・絵コンテ:山田誠
作画監督・アニメーションキャラクターデザイン:海谷敏久
TOSキャラクター作画監督協力:松竹徳幸
オープニング原画
吉成曜  高橋しんや 原田大基 橋本英樹
樋口聡美 高田晃 中井準  近藤源一郎
吉田隆彦 井川麗奈 高橋英樹 秋山一則
小澤円  江畑諒真 山下清悟 小谷杏子
エンディング原画
海谷敏久 山田誠

吉成氏がファンタジア以来の参加である(おそらく最後の戦闘シーンでは)。また、おおふり等でアクション作画を担当していた吉田氏や夏目のキャラデザなどで活躍している高田氏等も目を引く。


テイルズオブヴェスペリア
http://www.youtube.com/watch?v=ACJuMFdVRuk
これもまた素晴らしいOPである。
曲はボニーピンク。正直そう聞いて「げっ、なんかオサレ曲当てられるのか!」とビビったが、蓋を開ければそんじょそこらのバンドより全然きっちりしたノリのいい曲になっていて安心した。
映像も非常に動きのあるシーンが多い。冒頭のゴーレムとの戦闘、エステルの花畑シーン、双子とユーリのバトル、おっさんと敵の湖でのバトルなど…ワクワクさせられるかっこいいシーンが目白押しである。
キャラも可愛くかけており、全体の完成度としては個人的にアビスに次いで二位である。
スタッフ。

アニメーション監督・演出・絵コンテ:平田智浩
アニメーションキャラクターデザイン・作画監督:松竹徳幸
作画監督補佐:河島裕樹
原画
オープニング
馬場充子 木村晃一 りょーちも。 佐々木洋平
荻原弘光 鈴木博文 和田高明 中嶋敦子
小松英司 堀内博之 松本憲生 針井新哉
石川真理子 山下将仁
イベント
吉田徹 洪昌熙 石川真理子 立石聖
増尾昭一 菊池勝也 増田由希 橋本聡之
河島裕樹 上村雅春 星和伸 道下慎太郎
金子秀一 黒岩裕美 石田可奈
エンディングイラスト
柳沼和良

なんといってもりょーちもである。間違いなくゴーレム戦闘シーンだろう。
また、山下将人氏の参戦も見逃せない。大平氏にも影響を与えた大御所である。いやはやほんとに何度も言うがどこから連れてくるのか…。そしてついにゲームのために第二原画まで担ぎ出す本気っぷりも驚きである。


とりあえず動画を見せたいOPはこのへんだろうか。
しかしここで貼った以外でも、俺が知ってるだけで西田亜沙子,足立慎吾、松尾祐輔、板津匡覧など会社を超えたスーパー作画マンたちが参加している。もちろん俺が知らないだけで他の原画師のレベルも半端じゃないことは、映像の出来を見れば明らかだろう。
さて。
ここまで聞いて誰もが浮かぶ疑問があるだろう。
「なぜこんな原画師を揃えられるのか?」
その答えは、今まで全てのOPに関わっていて俺が触れていないある一人の原画師にある。
そう。松竹徳幸氏である。
彼は80年代から現在に至るまでスタジオディーンで活躍している、自身も素晴らしい才能を持つ原画師である。ディーンの神が集結したというあの伝説のNARUTO133話でもクレジットに名を連ねている。
彼は本当に初期からテイルズに関わっており、原画からアニメーション監督、ステータス絵からノベライズ挿絵まで本当に深きに渡りアニメの分野からテイルズを支えている。
特にアニメキャラデザとしての働きは、彼なくして今のテイルズキャラ萌え隆盛はなかったんじゃないかとすら思うほどだ。いのまた氏のアクの強いデザインを万人受けする可愛い絵に仕立て上げる作業はそこらのアニメーターでは絶対に無理だろうし、藤島氏のキャラとの相性は抜群の一言だ。俺は正直元のデザインよりも松竹氏の絵の方が好きですらある。
もちろん彼一人でこれだけの原画師を揃えたというのは言いすぎだろう。しかし、明らかにIGを基本としたこの重鎮たちの並びを見ると、どうしても彼の人脈を想起してしまう。少なくとも、彼がいなければもっと普通の、それなりにいいくらいの作画に収まっていたというのは間違いないと思う(実際彼が作監でなくなったグレイセスのOPは正直目を疑うくらいひどい出来だった)。
しかしその働きはずっと陰に隠れ、いかなる攻略本にもその発言が乗ることはなかった。それを俺はいつも口惜しい思いで見ていたのだが、なんと15周年で発売されたテイルズの歴史を紐解く本「テイルズオブクロニクル」でついにその言葉が活字になったのだ。
それは15周年にしてはあまりに少ない言葉だったが、やはり彼もテイルズシリーズには愛情を持っていることがよくわかるものだった。
…だというのに15周年タイトルのエクシリアで何とUFOテーブルなんぞと手を組み、長きに渡る蜜月を裏切るという所業を犯したバンナムの罪は重い。重すぎる。死ねばいい。そりゃそれなりにかっこいいOPではある…が。が!許さん。絶対許さん!そういうことするからIGアニメやってくんねーんだよ!ていうかなんでUFOばっかアニメ化すんだよ!おかしいだろ!しかもすげえ微妙な出来だし…作画良けりゃいいってもんじゃねーんだよアホか!
しかし。どうやらイノセンスRのOPはIGのようだ。一安心である。やはりテイルズの作画は松竹さんの絵が似合う。次のマザーシップタイトルもしっかりIGに作っていただきたい。そしてまたスーパーアニメーターを引き連れ、俺のような作画ヲタのテイルズファンの脳汁を枯渇するまで吹き出させて欲しいものだ。
 
追記
ちなみにこの作画情報はここ(http://www18.atwiki.jp/sakuga/pages/128.html)の情報を元にしています。
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2012年度はじまりはじまり。
ということで冬アニメベスト5を。


             萌  演  話  計
1.夏目 肆                4       4       4      12
2.アマガミSS+             4       3       4      11
3.ミルキィ                 2       4       3       9
4.偽物語                  4        3      2       9
5.犬僕SS                 4       2       2       8

結局アナザーは観ませんでした。いつか一気に見たいな…。
あとキルミーも見なかった。まああっちは一生見ないな。
あとハイスクールDDも見なかった。一万売れたらしいからちょっと見たい。

各論。

1.夏目友人帳 肆

今回の夏目は非常に素晴らしかった。
何がいいかというと、話。
今期はイイハナシだけでなく、夏目が妖を見ることができるということによる周囲とのしがらみを非常に丁寧に書いている話が多かった。
しかもその書き方がとてもうまい。
周囲は当然夏目を忌避するわけだが、その書き方が全く悪人然としていない…というか、夏目以外からの視点をきっちり書く事で避けることをとても理解できるようにしている。
そして、夏目や周りの人間も彼らを悪人だと思うことはない。しょうがない、当然だと、諦めながら落ち込むか、にゃんこ先生のように分かり合うのを寄せと勧めるかのどちらかだ。夏目が忌避されるのは悪人がいるせいではなく、世界の仕組みとして当然だという考えが原作者の根底にあるのだ。この発想が夏目というアニメの素晴らしさを一気に上げている。
同クールにBRSやギルクラのようなアニメがやっているからよりわかりやすい。
あの二つのアニメには、善人と悪人の完全な二項対立がある。もちろん善人から悪人に、悪人から善人にという移行はあるにせよ、物語の上でその二つの扱いがはっきりしている。
しかしそれは、あまりに稚拙と言える。それをやっていいのは王道な話作りの時だけであり、奇をてらったシナリオの場合にやると作者の意図が透けて見え、またシナリオ上の嘘が浮かび上がる。
なぜヨミはあそこまでいじめられなければならないのか。なぜギルクラのモブはあそこまで発想が邪悪なのか。それらしいイベントはあるが、結局のところ納得できる理由などない。「そういうシナリオだから」で終わる。それがわかるから俺はあの話を見て白々しさしか感じないのだ。主人公たちを悲劇に陥れるために無理やり周りを悪人に仕立て上げ、被害者ヅラした主人公(とライター)はこう呟く…「(自分以外の)世界はこんなにも汚い」と。こんな滑稽な悲劇などあるはずがない。
よく主人公たちを無理やり正義にするためにむりやり納得のいかないイベントをねじ込むことをご都合主義というが、実は悲劇においてもそれは成り立つ。無理やり悲劇では見てて「あーはいはい世の中汚いですねそうですねー」としか思えない。
そこにおいて、夏目の作者である緑川ゆきは、とても深い視点を持っている。諦観といってもいい。
彼女はマリーや吉野よりずっと世界を汚いものだと考えている。その世界にはもちろん自分も入っている。もし悲劇が起きるのだとしたらそれは何かわかりやすい要因や悪人がいるからではなく、仕組みとしてそうならざるを得ないからだと。それはどうしようもないし、怒りや糾弾など何の意味もなく、諦めるしかないということを理解している。
だからこそ塔子さんや周りの友人たちが輝く。彼らは「普通のいい人」だ。特に夏目に対して強い愛情を見せるような描写はない。周りの友人も、決して彼を特別扱いするわけでなく、一友人として接する。
それは何よりも貴重なことだ。上で言うような仕組みに囚われることなく、彼だけをみて、ただのいい友人だと思い接する。そんな単純なことがとても素晴らしいことだから、夏目はいつも戸惑う。
彼の家族や友人に対する接し方を見て、何と不器用なのだと思うのは俺だけだろうか。塔子さんとも友人とも全く打ち解けてない。あんな家族や男同士の友人なんて絶対いない。とてつもない距離を感じる。当然だ。そんな普通のものを夏目は高校で初めて手にしたのだから。そのとてつもない距離を必死に埋めようと、陶芸教室に同行し、くだらないソーダ探しに付き合う。俺はそれだけで涙が出る。
世界は悲劇でたっぷりだという諦観を露わにすることなく、当然のように隠して配置することで、なんてことはないイイハナシを最高の輝きを持って映し出す。緑川ゆきはひぐちアサやよしながふみ等と同等の位置にいる。女性漫画家の視点の暗さは男の俺から見て怖いくらいだといつも思う。マリーや羽海野がガキに思えるくらい暗いところにいる。
少し話が脱線したが、もちろんその輝きをアニメスタッフは何一つ失うことなく表現している。これは昨今のアニメ化力平均から考えて奇跡的だと考えていい。
高田氏の細い線による美麗なキャラクターデザイン、全体として淡白な背景、基本的には崩さないことを念頭に置き、大事なところではきっちり動かす作画、非常に個性的で、仰々しくはないがセンスのあるBGM、(原作知らないけど)大事なところをきっちり描いてかつ三十分で収める脚本、同じく過剰な演技は全くないが、にじみ出るような説得力を与えてくれる声優の演技(特に神谷と幼少期の藤村歩は絶品の一言)。
これ以外考えられないとすら思える完璧なスタッフである。
あまり攻撃的なことは夏目の評論に合わないことを理解しつつ言うが、今季の夏目に対して反応しないようなアニメ好きはちょっと馬鹿なんじゃないのと思う。BRSの薄っぺらあああああああああああい悲劇に自分のゴミみたいな中学生活当てはめてわざとらしく泣いてるアホJKよ。夏目見なさい。安心しろ!夏目は萌も完璧だ!夏目、名取、的場、塔子さんにニャンコ先生に委員長にトキに!思う存分ブヒるがいい!。

おいおいマジかよ!アマガミもすげえ感動したからいっぱい書こうと思ってたんだけど何これ!もうこれ一つだけで「夏目評論」とかタイトルつけてブログの記事じゃん!頑張って!もう少し!最後まで!走り抜けて!

2.アマガミSS+

何がそんなに、という人もいるだろう。
作画も微妙なら話もぶつ切り、キャラデザも特別可愛くないし演出も普通。というか一期微妙だったのに続きものの二期は二位て!という意見も確かにわかる。
しかし大事なことは、二期はアニメスタッフによるオリジナルシナリオだということだ。しかもシリーズ構成はあのアイマスを書いた待田氏である。
じゃあ1クール目一杯使った起承転結溢れる怒涛のシナリオかと言えばそうでもなく、一期同様一キャラ二話のパラレル話という真面目にシナリオ見る人間からしたら唾吐きかけたくなるような構成なのだが。
しかしそれもまた功を奏したと言わざるを得ない。二話しか使えないということで、ただひたすら二人が仲良くなる過程を、複雑さを排した王道のラブコメ展開に合わせてきっちりやっていく。
ライバル女子を配することでデレさせた絢辻編、逆にライバル男子を作りドギマギ感を演出した梨穂子編、受験により離れ離れの二人を書いた七咲編、文化祭に奮闘する女子とそれを支える橘さんという構図の紗英編。
全てにおいて通じるのは、王道による丁寧な心理描写と、こまけえこたあいいんだよ主義、そしてもうとにっかく甘甘なラストである。背中流しだの縁側でチューだの同棲だの腹ボテだのひたすら速射砲のように放つ童貞はクソして寝てろイベントの連発!もうイラ壁超えて憧憬と共に祝福の鐘鳴らしちゃうわ!橘さんマジパネェ!
しかしひとつ大事なところは、決して橘さんがただのヘタレではないということだ。
やるべき所ではしっかりやる。しかもそれがリトや一夏的な配慮や正義感からのものではなく、愛ゆえの奮起なのだ(そう書けるのもパラレル式だからこそだろう)。それが橘さんの漢気と愛の強さを実感させ、どんなにクソアマイベントが起きようと「うん!お前ならしょうがない!幸せになれ!」と祝福できる。
それが最も輝かしい形で現れたのが森島編である。
クライマックスで橘は、壇上で両手を広げて自信に満ち溢れた表情と共にこう叫ぶ。「僕と一緒に幸せになろう!僕と一緒に!」
ここで大事なのが自信に満ち溢れているということ、そしてですます調でないところだ。
今まで散々振り回され、ついていくだけだった橘さんが、敬語を捨て、森島先輩を呼び捨てにする。抱き合ったあとのキスでも、されたあと押し返すようにしている。こういうことをきっちり書いているスタッフは完全に俺の好みをわかっている。散々、3クールかけてモテないヘタレなそれこそマジでそこらのギャルゲ主人公だった橘さんが、今この瞬間だけ古い洋画のヒーローみたいになっている。
当然これは橘さんの本質ではない。多分終わったあと恥ずかしくて自殺したくなっているだろう。周りの冷やかしに真っ赤になり、すぐ森島先輩と呼び、ですます調は戻るだろう。
だからこそだ。愛と青春の力は、ヘタレにここまでさせるんだという輝きがここにはある。森島先輩の、実は引っ張っていってほしいという思いがさらにそれを加速させる。もう棚からぼた餅的なハーレムは飽きた。配慮や正義感での優しさにたまたま落ちるような女はいらない。苦難を乗り越え、恥ずかしさも捨て、全身全霊でまるで洋画の主人公だと勘違いした馬鹿のように愛を叫ばなくちゃいけない。そんな主人公こそ愛を手にして欲しい。そういう俺のラブコメに対する長年の鬱屈を解消してくれる数少ないアニメだった。
俺はこれを見てToHeart2AD+のちゃるとよっちルートを思い出した。ファンからは非難轟々らしいが、俺はあれのラストを見て俺は本当に叫んだ。特によっちルートはもう万人のラブコメファンがやるべきだ…校門前のイベントは未だに思い出す。そして泣く。森島先輩のラストで胸打たれた人はぜひやっていただきたい。

なっげぇわ!
腹減ったわ!カツ丼食いに行きたいわ!
もうこっからはやっつけね!次!

3.ミルキィホームズ 第二幕

ほんと言うこと特にないけどね。いつものミルキィ。正直もう飽きたから三期はいらない。売れてないみたいだし。
ただ全体的な狂いっぷりはなんか初期ボアダムス思い出した。理性とかセンスみたいなのに対するアンチとしての確信犯的なナンセンスと暴力的なシナリオ。曲としてはこんな感じの(http://www.youtube.com/watch?v=JvxEV0V84kw)。何言ってるかわかんねーって?俺もわかんねーから安心しろ!

ふう!四行で終わった!やった!次!

4.偽物語

話はクソ。意味わかんない。演出もただのシャフト演出。嫌いでもないけど好きでもない。
ギャグが面白かったのと、とにかくアララギさんとガハラさんがよかった。
普通にイケメンなアララギさんと、つるこ的なツンツンツンツンツンデレくらいな感じのガハラさん。この二人のある意味熟年カップル的な…アララギさんはほかのキャラが理想だ!ハチクジ好きだ!羽川が理想だ!とか言いまくるし、ガハラさんもアララギさん罵倒しまくるし暴力振るうし監禁する癖に、いざとなるとラブラブっ♥な二人があまりにもいい。デートのときとかキスのときとかセックスのときとか想像すると妄想止まんねえ。やっぱツンデレってツンツンツンryデレくらいがちょうどいいと思うんだ!普通のツンデレって別にツンじゃねえだろ!マジで殺す気で殴る位がツンだろう!むしろ本当に大嫌いなんだけどなぜか好きくらいのトーンがいいよ!上っ面のツンじゃなくて!そういうわけで次はこの二人だけの話してくだち!バトルとか撫子とか全部いらねえから!嘘だわ!撫子はいるわ!
とりあえず俺は一期見るのが責務だな。

5.犬僕SS

女が可愛い。

ふう。
全体としてはクソアニメが多かったのう。パパ聞きあの夏BRSギルクラシンフォギア。ラグランジェも微妙だった。さすがにこのレベルが毎クールってのはマジで勘弁だな…まあ今金ないからありがたいっちゃありがたいけど。
ギルクラとBRSはまあ満場一致でクソっぽいからいいし、ラグランジェもあの夏もまあ…興奮する奴がいてもいいかな位の出来ではあるからいいんだけど(それでもあの夏はやっぱりクソだろう。ただのラブコメ。キャラのレベルも低いし演出力も作画力もないし…何がいいんだか。あれでいいなら日本のドラマとか邦画普通に楽しめるんじゃないの?よくわかんねえ)、パパ聞きとかシンフォギアに対して「これは逆にいい!」とか言う頭のおかしい奴らが沸いてるのが信じられん。丁寧?王道?お前王道っていえば何でもいいってもんじゃねーぞ!ああいうのは陳腐っていうんだよ!何がシンフォギアあああああああああだアホか。何普通に復活してんだ。いいかぁスト魔女がな!よしかちゃんが復活していい理由はその前の必死のバトルがあってこそなんだよ!スタッフが「本当にいいのか?よしかちゃん復活させて本当にいいのか?」って悩み抜いて書いてるからいいんだよ!そういうのなしに「いいんじゃね復活してwwwwwwwwwww」くらいの心意気でやってるからあんなバカバカしい感じになるんだよ!
ご都合主義ってのは基本的にクソなんだよ!確かにご都合主義的なものでいいもの最近出てきてるよ!でもそれは基本的にはしっかりやりつつ大事なところであえてやるからいいんだよ!ぜーんぶ適当にご都合主義でやったらそれほんとにただのご都合主義だろうが!アホか!そんな当たり前のこともわからんでこまけえこと無視してる!→てことはアイマスやスト魔女みたいな細かいこと無視したいいアニメだ!とかいう思考回路してる頭のおかしい奴らはもう一生アイマスやスト魔女見るな!
最近アニメオタクに「みんなが貶してるものこそいい!」的なバカ発想する奴が多すぎてイライラする。周りの意見に流されないなんて基本中の基本だがそういう発想って逆の意味で流されてるってことに何で気づかないかな…はぁ。長文失礼!
Two Different Ways - Factory Floor



最近アツい新人といえばFactory Floorを真っ先に上げる。
最初に知ったのはエレキングのレビュー。野田さんがイチオシしていたので名前だけは覚えておいた。
すぐに音源を聞いたわけではなかったが、それから少しあとに1stを入手。そこにはポストパンクやノーウェイヴに影響を受けたロンドンらしい暗い音楽が鳴らされていた。
しかし正直それほどピンとは来ず、まあこんなもんかなと思っていたらなんとロッキンオンでも巻頭カラーで紹介されていたのだ。
それなりに熱心に情報を追っていれば、だいたいあるバンドが噂になってから売れるまでの流れというのは予想がつく。ネット界隈で噂になってからエレキングが一応取り上げそのあとロッキンオンが少し触れるとか、ロッキンオンがやたら騒いでネットでもそこそこ有名になりエレキングは完全スルーとか。
しかしFactory Floorは、エレキングが推してからネット界隈などで有名になる前にロッキンオンでも新人枠で推されるという、あまり例を見ない流れである。といってもエレキングもロッキンオンも特に激推しというわけでもないが、それこそアングラ代表みたいなエレキングとオーバーグラウンド代表みたいなロッキンオンの推す新人が同時に一致するなんて…とそこで一気に興味をそそられた。
そしてそのあとRO69に貼られた新曲を聞いて一気にぶっ飛ばされた。それが今回取り上げる曲、"Two Different Ways"である。
http://www.youtube.com/watch?v=n4T2K-dkxA4&feature=player_embedded#!
ひたすらアナログシンセが八分間同じシーケンスを流しながら、それを微妙にエフェクトをかけて酩酊感を作り出す。そしてガッチガチに固い四つ打ちの上でパーカッションやギターノイズを挟み込み、呟くような呪術的なボーカルがそれをさらに煽り、暗闇へと誘い込んでくる。まさにThrobbing Grithleなどのエグいポストパンクを現代に蘇らせた最高のディストピアソングである。
このあとiTuneで近頃のシングル群を漁って見たが、完全にこちらの路線になっているらしい。これのバージョン違いがほとんどである。
これほど逃避的な音楽と懐古的な音楽が世に蔓延っている中でよくこんなファックユー精神に溢れた音楽を鳴らせるものだ。女性一人に男二人の三人組、真っ黒な出で立ちはThe XXに近い暗さも感じるが、あちらは耽美でこちらは怒りである。まさにポストパンク。それも音楽性だけでなく精神性も受け継いでいる。マークスチュワートの新譜に新人ながら二曲も参加していることがとても理解できる。
そして当然こういう怒りと暗闇に満ちた音楽の本質はライブで現れる。ここ(http://redbullmusicacademyradio.com/shows/4815/)で聴くことができるが、全く期待を裏切らない最高のライブである。ノンストップの一時間、CDの十倍くらいノイズに溢れている。その抑揚のないボーカル、単調なドラム、ノイズしか出さないギターには世の中に対する怒りと苛立ちがこれでもかというほど込められている…ような気がする。歌詞に意味はないと思う。が、今の時代にこんな音楽を鳴らすこと自体がある種のアティチュードになっている。
そして…信じられないことにもう二回の来日が決定している。四月のIYBM、そして七月のフジだ。IYBMはともかくまさかフジが呼ぶとは。あんなハッピーヴァイヴに満ちたフェスでこんな死ね死ね音楽が流れるとは…胸熱すぎる。ぜひ全く媚びないステージングをしてハイキング気分の馬鹿を凍りつかせて欲しい。
そして俺もIYBMは行く。新木場のコンクリートほどこの音が合う場もない。楽しみでしょうがない。いったい日本でどれほどの知名度があるかは知らないが、一時間ガン踊りさせてもらうこと間違いなしだ。

ちなみに面白いのが、レーベルがDFAだということだ。
LCDサウンドシステムはポストパンクやディスコの怒りをユーモアを足して表現した。今はもはやそんな間接的なことをしてる場合ではないのだ。怒りを怒りのままただ吐き出す。そして踊らせる。漆黒の303ベースアナログシーケンスと共に…これが時代の音というやつだ。
ストライクウィッチーズは素晴らしい作品だろうか?
キャラはとても可愛い。話も王道ながらしっかりしている。作画も基本的にはいい。笑いあり、涙あり、燃えあり。とても素晴らしい娯楽作品である。
バカというのも非常に大事な要素ではある。二十歳以下の女の子に魔法力なるものがあるという荒唐無稽な設定。しかも普通に履いてない。そういうこまけえことはいいんだノリが大事という意見も聞く。
それだけだろうか。
少し話は変わるが、俺はストライクウィッチーズのことをスト魔女と略す。巷ではストパンが普通らしい。だが、どうも俺はその言葉が好きではない。
なぜかと言えば、ただの略称のくせにパンツという言葉が勝手に入っているからだ。そこにはいわゆる「パンツじゃないから恥ずかしくないもん」的なところを強く押し出す面がある。俺はそこが好きになれない。
早い話、スト魔女を「バカアニメ」みたいな言い方をするのはどうにも納得いかない。
間違いなく大事な要素ではある。だが、それをツインエンジェルやミルキィなどのような「バカをやろう!」という判断のもとでバカをやっているアニメと並べて語るのは腐が落ちない…というより軽く怒りすら覚える。
そんなのよりももっと素晴らしい価値がスト魔女にはある…一期最終話を見ながらいつもそれを考えていた。
キャラの可愛さ、作画の良さ、脚本の王道さ、バカさ。そんな定型的なものではないその自分なりの答えを、劇場版を見終わったこの期に書いてみようと思う。

バトルというのは、アニメにおける非常に大事なものである。
バトルは情報量が多いメディアであればあるほどいい表現になる。小説のバトルより漫画のバトルの方が、漫画のそれよりアニメや映画のそれの方がいいことは説明するまでもないだろう。そういう意味で、逆にアニメや映画においてバトルというのは「見栄えを良くする」というような言葉でとても大切に扱われてきた。
それこそアニメ黎明期は派手なバトルばかりのロボットやヒーローもので子供たちに夢を与えるものがアニメのほとんどだった。もちろん心理描写や人間関係に重きを置いたアニメもあっただろうが、冒険やバトル抜きで成り立つのはギャグかスポーツくらいだったろう。スポーツもある意味バトルなわけで、それこそ本当にアニメ=バトルだった。
それと戦ったのが、ガンダムだ。
それこそ歴史上見渡しても、あれほど長くしっかりと戦闘状態に置かれた人たちの心を描いた表現物はないのではないだろうか。もちろんもともとのロボバトルの良さもしっかりと踏まえつつそこに緻密な心理描写を書いて成功した例としてこれほどぴったりなものはない。
そこから、シリアスなアニメにおいてバトルとは考えるものになった。
「本当に戦うことが正しいのか?」「相手にも正義があるんじゃないのか?」この手の葛藤を描くのはもはやテンプレを通り越して基本、つまりこれをやらないとシリアスでないとすら言われるほどになっていった。
そしてその基本は、今になってもクリエイターやアニメファンの心理の中に本当に深く根付いている。
最近ガンダムUCのエピソード4を見て、笑ってしまった。
とんでもない武器を持った主人公とその敵が、戦場のど真ん中で「争いはやめろ!無益だ!」「だが先にやったのはお前らだ!その復讐だ!」「復讐に意味なんてない!憎しみを断ち切らないと!」「無理だ!ここでやめたら家族への裏切りだ!」とまあ、本当にガンダムでやってたような問答を繰り返しながらドンパチしているのだ。
こんな滑稽なシーンあるだろうか?戦場である。その中心ともいえる武器を持った奴らである。そんな奴らがこんなこと考えながら戦うだろうか?ましてや思想信条語り合うだろうか?そりゃそういう考えも持つかもしらんが戦場にたったらそんなこと言う前にズドンだろう。ガンダムの時代ならまだいい。今は2012年である。いつまで似たような表現を繰り返すのか?
だがUCは多くの人に受け入れられ、シリアスなバトルを描いたアニメとして高く評価されている。なぜかと言えば、なんと問答が理屈としてわかるからだ。理屈の合う問答を書いたアニメは素晴らしい。合わない問答はガンダムやりたいだけの主人公正義アニメ。そしてそういうことを書かないいわゆる萌えアニメは、娯楽としてはいいが表現としてはうすっぺらくてガンダムなど昔の名作とは並べるべくもない。こんな発想がまだまだまかり通っている。

話を戻そう。
ストライクウィッチーズの主人公宮藤芳佳は、とにかく迷わない。
劇場版でとても印象に残ったシーンがある。芳佳がのる戦艦が氷山にぶつかり船内で火事が起こる。消火しようとある隊員が火災現場のすぐ近くでバルブをひねろうとするができない。その内に閉じ込められ、隊員は「自分もろとも注水してください!」という。誰もが諦め船長が注水命令を出すが、そこに水をかぶった芳佳が現れ、火災現場に行こうとする。それを付き人の服部が止める。「注水します!離れてください!」「でも中に人がいるんでしょ!?」「仕方ありません!船長命令です!」
そこで宮藤は、怒りの表情で即答する。「だから何なの!?」
まあ普通に見たら「さすが宮藤!」なシーンだが、俺はもう感動で胸が熱くなってしまった。
即答で「だから何なの!?」である。「でも、それでも!」とかではない。「見捨てられないんです!」とかではない。軍規を盾に見捨てる服部への怒りと共に、自らの正義を微塵に疑うこともなく断言する。
芳佳には葛藤という概念がほとんどない。いや、もちろん自分の正義において誰かに迷惑がかかることを懸念したりはするが、自分のやろうとすることに疑念などを持つことはない。少なくともそんな描写はひとつもない。
別に疑念を持つような要素がない主人公無双なシナリオというわけでもない。苦難はいくつも立ちはだかり、思うようにいかないことも何度もあり、時には仲間や上官から叱咤を受けることもあるが、それでも決して迷わずに、自分の正義をただ貫く。
その正義とはただ一つ、「大切な人を守りたい」という信条である。それは正義というにもおこがましいただの綺麗事とすら言えるが、そんな理想論を戦場という極限状態において迷わず振り回すその姿は、今までのバトルを描くアニメにはなかった姿である。
それを周りの仲間は何の抵抗もなく受け入れるということももちろんない。誰もが綺麗事だと笑い、そんなことで軍人が務まるかと、それこそガンダムのように叱責する。
だが、ガンダムと違うことは、主人公の方が正しくなるようにシナリオが動き、結果皆が認めるということだ。
これをご都合主義とする見方もあるだろう。だが、俺にはそれこそスタッフの想いだと思う。
くだらない感情で動き、ただひたすら綺麗事に邁進する。それもまたあるべき姿なのではないかと。そんなまっすぐな人が、戦場というマイナスに不条理な世界で、アニメならではの一気にプラスな不条理をぶち込みまくることによって、輝き報われ受け入れられていく。そんなアニメがあってもいいのではないのかと。
だからこそネウロイの出自などについて明確に語られることはないのだ。そんなことはどうでもいいから。書くべきは敵とそこで戦う女の子たちであり、設定がどうのとか勢力がどうのみたいなつまらん話はガン無視なのだ。意識的にアウトローとしてのバカをやるのではなく、バカをやることこそ正しいと信じている。
一期最終話、追い詰められネウロイに特攻しようとする坂本少佐に、芳佳は言い放つ。「それって諦めるってことですよね。私は、私は諦めたくありません!」リアリズムの象徴としての戦争と軍隊、それを打ち破るファンタジーの力。もし届かなくても、ダメになるかもしれなくても、理想論を信じて突き進むという決意。それは宮藤に力を与え、仲間を集め、ネウロイを打ち破る。そこで鳴り響くあのファンファーレのようなBGMは、ウジウジ正義なんてあやふやなものを必死に追い求めて、それっぽい答えを出して理論武装に安心するような凡百の質アニメなど比べものにならない感動を与えてくれる。それは決して萌えありきの王道なんて簡単な言葉ではない。ガンダムを通過し、エヴァを通過し、けいおんのような萌えアニメすら通過して存在するリアリティとファンタジーの絶妙な融合なのだ。
綺麗事や理想論を馬鹿にし、リアリティばかりを追求することは存外容易い。そして適当な作りとそれっぽい言葉で人を鼓舞した気になるのも簡単だ。だが、現実の厳しさをしっかりと認識し、それに見合った非常に緻密で真摯な演出とシナリオを描きながら、かつ最も大事なところでファンタジーの美しさ、力強さを与える…そう、夢を与えてくれる表現というのは、今本当に少ない。そこに一番近いところにいるのがアニメで、その中で最も輝きを放っているのはけいおん、アニメアイマス、そしてストライクウィッチーズだ。

ストライクウィッチーズ劇場版の最後に、「つづく」という文字が大きく出た。
きっとこれからも続いていくのだろう。素晴らしいことだ。けいおんやアイマスは今ある作品であまりにもラストとして完璧すぎるので、続きを期待するようなものではない。
だが、スト魔女は永遠に続いて欲しいと思う。なぜなら、ストライクウィッチーズの良さとは決してシナリオや設定、キャラや演出の良さではないから。ある種のコンセプト…というよりスタッフ共通の「かわいくてしっかりしててとても前向きなバトルアニメを作ろう」というような意識さえあれば、きっと大丈夫だろう。
そしてそういう意識は高村監督が根っこにあるのではないかと思っている。あまりしっかりと発言を追っているわけではないが、友達によれば「とにかくキャラを可愛く書いてくれ」という人らしい。そりゃ設定だの正義だのどうでもよくなるわけだ。元ガイナだし。ガイナは錦織さんと高村さんを生み出したことが最大の功績だな…今のバランス感覚ゼロのガイナアニメは好きになれないけど。
スト魔女劇場版見てきました。
わかりやすいと思うのでテレビアニメの各五点計15点満点方式で。

萌  演  話  計
5        5      3      13

さて感想を。もちろんガンガンネタバレします。
まず萌え。
芳佳ちゃんがまぁかわいい。死ぬ。 具体的に言うと登場シーンとか留学行き決めるときに四つん這いで歩くところとか服部と名前呼び合うところとか料理するところとか掃除するところとか氷山事故のあとコート着てるところとかリーネちゃんと抱き合ってゴロゴロするところとかry
次点でトゥルーデ・エーリカコンビもかわいかったな。エーリカがジタバタするところとか。お腹減ったお腹減った言うところとか。鼻水トゥルーデにくっつけようとするところとか。「あーここ宮藤がとおるところじゃん」ジャキン!ガチャガチャ!「行くぞ!」のシーンは思わず映画館で声出しそうになってしまった危ない危ない。
ルッキーニとシャーリーもよかったなぁ。ルッキーニのかわいさ五割増しくらいになってないか。シャーリーのイケメン度は八割増しだな。
エイラーニャが意外と出番少なかったのはちょっと不満だが、でもやっぱり出発するシーンはもう最高でしたね。リーネちゃんもかわいかったしミーナ隊長もかっこよかったし…。ん?ペリーヌ?うんまあかわいかったんじゃないかなうん。
服部はかわいいけどちょっと…いやかわいいけどね!初期ペリーヌ的イライラが抑えきれなくてね!もういかにシナリオ上必要であろうと行動に理があろうと宮藤の顔を曇らせる奴は問答無用でイラついちゃうんだよね!ごめんね!味噌スープはよかった!
ワールドウィッチもかわいかったけど死ぬほどブヒるにはちょっと出番少なかったかな。まさにファンサービスというか。ハイデマリーとハインリーケがかわいかったかな。これからに期待ですな。

演出。
まあいつも通りのスト魔女ですな。基本的には普通の萌えアニメ演出だけど地味ーにうまいところやって、いざ!という大事なシーンはもうあまりにもツボを得た完璧な盛り上げ演出。氷山事故シーンとか宮藤単独バトルシーンとか、宮藤復活シーンはもう脳汁バッシューですわ。あれで泣かない奴はおるまい。完璧すぎる。非の打ち所なし。
あと作画がとーっても素晴らしかった。AICなめてましたごめんなさい。ガイナ陣営持ってくるかなと思ったけどまさかAICスタッフだけでここまでやるとは…ガンガン動くし終始かわいいし。CGもかっこいい。空戦シーンとかマジやばい。あんなに長い間ギュインギュイン動くなんて…コンテもかっこいい。二期の作画がちょっと首を傾げてしまう感じだったので不安だったけど予想どころか期待を超えて最高でした。

脚本。
基本的には素晴らしい。間違いなく素晴らしい。王道を踏まえつつピンチをキッチリ書き、そして徹底的に盛り上げてクライマックス。素晴らしい。心理描写もとても丁寧で突っ込みどころは一切なし。かといって飽きるようなベタベタでも無し。ネウロイとの戦闘をあれだけしっかり書いたのはまさに劇場版ならではの新しい試みといえるだろう。テレビではほんとただ襲ってビーム打つだけだったからねネウロイ…見ごたえあった。
あと宮藤復活の物語としてもとても面白かった。服部との確執→必死の救助とバトル→ピンチ→還らなくちゃ→ドーン!→501復活!→ぱーぱぱらぱぱーぱぱらぱ(例のBGM 死ぬね!特に単独バトルシーンは…もう必死感半端じゃなくてヤバい。超泣く。それがあってこそのそのあとの復活だよね…うんうん。さすがスト魔女スタッフだわ。ああいうところがやっぱりスト魔女は他のアニメと違うなぁと思うところ。

注意! これより先は批判的なことが書いてありますので重度のスト魔女信者の方はそのままプラウザを閉じてください!

じゃなんで3点なんだと。
やはり一言で言うなら「ネウロイ弱くね?」というか。501復活まではいいんだけど復活したらほぼ一撃かよ!いくらなんでも強すぎるだろストライクウィッチーズ!もうちょっと戦いが欲しかった。それこそ宮藤を助けにみんなが来て、それでもネウロイ強くて苦戦してるところで復活くらいでね。
そう言う意味じゃさっき言った「ネウロイとの戦闘をしっかり書いた」というのも今までに比べればの話で、欲を言えばもうちょっとガチの戦略戦やってほしかった感はある。さすがにパトレイバー1レベルとは行かないまでも…変形型なのも地下にいたのも包囲網突破したのも無線効かないのも全部やっつけて解決か…そこはせめてあのでかいやつがまた変形かますくらいの尺が…うん。見てて思ったけど120分がよかったな!
そこさえしっかりしてくれれば、本当にけいおんとは違う劇場版から見ても楽しいアニメになったと思うんだけど…宮藤の復活に焦点当てすぎてそれ以外がうーむな感じになってしまった印象。監督がかなり宮藤復活を丁寧に書きたいと思ってたらしいので、そのためかなと思う。もちろん宮藤復活は完璧に描いてるけども。
要するに本当に芳佳ちゃん復活物語なんだなと思う。なにせ最後は「カールスラントにも新たなネウロイ出現の報告が!行くわよみんな!」なわけだから。今まで続いてきて、これからも続く物語の橋渡しなんだろうなと思った。あんなに「つづく」の文字に納得した映画もなかなかない。これにてスト魔女終了!だったらちょっとひっくり返る。

地上波の続きとしては完璧と言える…が単独の作品としてみるとやはり13点かな。けいおんよりは全然起承転結もあって娯楽作品としても映像作品としてもしっかりしてるんだけど、スト魔女には本当にしっかりしたシナリオを期待してた面もあるのでそこの期待との落差がちょっと。
まあもちろんスト魔女好きな方は間違いなく楽しい(別にスト魔女の良さはシナリオの上手さじゃねーし)。すっげえブヒれるし、作画も素晴らしいし、シナリオも地上波のノリをガッチリ継承している。いやスタッフ同じだから当たり前なんだけども。俺としても基本的にはひっじょーーーーーーーーーーーーーーに満足している。宮藤復活シーンでもっさんが「宮藤ぃ!」って叫んだ時はもう俺も叫んだよね。「よしかちゃーん!」「さあみんな!芳佳ちゃんが負けちゃいそう!みんなの声援で助けてあげて!」「よしかちゃーーーーん!!!!!」ぱーぱらぱぱぱぱーry
批判部分はわけのわからん期待をしてた面倒くさいファンのつまらんケチだと思ってくれて構わない。

さて…次はけいおんと一緒にスト魔女全体としての評論をしようかと。しかし三期やるよな…つづくだもんな。楽しみだなぁ!ストライクウィッチーズは終わりません!
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