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The Brussels Affair`73 - The Rolling Stones

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ストーンズは日本において間違いなく過小評価されていると思う。
何言ってんだこのバカとか思われそうだが、いつも俺が抱いてる不満だ。そりゃ一応それなりの人気はあるが、せいぜい昔流行ったらしいバンドぐらいの認識しかない気がする。ビートルズなんて比べるべくもない、せいぜいフーかツェッペリン、下手すりゃクラプトンあたりと同格扱いされている。音楽誌でシリアスな音楽特集が組まれることはほとんどないし、音楽好きの間で議論になることも日本では見かけない。
ただのゴミコピーバンドが曲パクってすったもんだするだけのクソ漫画がそれなりに売れるほどビートルズは神格化されてるのに(いや神だけどね?)、何で「僕はストーンズ」ないの?だから日本にこねーんだろストーンズ!いやポールも来てくんないけどさ!
真面目な話をすると、ビートルズがロックの知性を象徴するなら、ストーンズは野性を象徴してるといえる(ちなみにフーは若さだと思う)。
もう少しテンプレじゃない言い方だと、ビートルズがロックを拡張し、ストーンズがロックを体現してるというか。ロックとロックンロールの差というか。「ロックすげぇ!」がビートルズなら「ロックかっけぇ!」がストーンズというか。オツムぶっ飛ばすかケツ動かすかというか。最近の例だとレディオヘッドとオアシスか。こんな簡単な話じゃないが。とりあえず俺の中で二つのバンドは完全に同格である(じゃあビートルズに野性がないのと言われるとそうでもないのがビートルズの怖さだが)。
というわけで今まで結構新しめなバンドを紹介してきたが、今回はストーンズ推進企画として最近オフィシャルで売られたライブ盤を取り上げようと思う(新譜買ってねえだけだろとか言っちゃいけない)。

ストーンズの黄金期といえば「Beggars Banquet」~「Exile on Main St.」までと断言して異論はあるまい。
それまでカバーしていたR&Bに自分たちのエッセンスを盛り込み、まさに「ロックンロール」という大文字そのまま当てはまるような曲を作り出していった60s後期~70s前期こそまさにストーンズといえる時期だ。もちろんそれまでのR&Bバンドだった時もかっこいいし、それからの時代と寄り添いつつロックンロールをしていく姿もかっこいいが、この時期にはかなわない。
しかしその真価はオリジナルアルバムではなかなかわかりづらい。なにせビートルズなどと違ってストーンズの核はグルーヴである。ドラムとギター、ベース、ボーカル、ブラスにピアノ、曲構成すべてで作り出すあのえもいわれぬグルーヴは、ライブでこそその本来の姿が発揮される。これは何もストーンズに限ったことではなく、ロックンロールなバンド全てに言えることだ。
だがもちろん今それを本当の意味で味わうことはできない。ストーンズは確かに今でも活動してるし、あの時代のバンドには珍しく、核となっていたメンバーのほとんどがまだ亡くなっていない上にかなり現役感があるというのは最近公開された映画でもわかるが、それでも全盛期と比べるのは酷というものだ。
タイムマシンも未だ開発されていないので、我々若輩にできることはライブ盤かライブDVDを鑑賞して疑似体験することしかない(余談だが、まさに全盛期である1973年に初の日本公演が企画されていたが、頭のおかしい日本政府がヤクのせいで入国許可を出さずおシャカになったという日本ロック史五指に入る悲劇が起きている。もしタイムマシンが開発されたらアメリカ行く前にその時の日本外務省ぶん殴りに行きたい)。
もちろんストーンズほど有名なバンドともなればライブ盤はオフィシャル海賊版合わせてアホみたいな数がリリースされているが、その中でもトップクラスと言われているのが今回紹介する「The Brussels Affair`73」だ。

なにせ海賊版なのにオフィシャルで配信されたのだ。どのくらいハイレベルかは推して知るべしだろう。
まずセットリストがハンパじゃない。Brown Sugarで始まり、三曲目でいきなりGimme Shelter、そこからTumbling DIce、Angieのバラード、You Can't Always Get What You WantとMidnight Ramblerの長尺ジャム曲をはさんで最後はRip This Joint →Jumping Jack Flash→Street Fighting Manである。盛り上がらないなんてありえない。最後の三曲なんてもう家だろうが電車だろうが踊りだしたくなること請け合いだ。
もちろん演奏もノリにノッてる。まさにヤバいの一言。特にチャーリー・ワッツのドラムとミック・テイラーのギターの絡みがもう頭おかしくなるほどカッコイイ。もちろんキースのギターもミック・ジャガーのボーカルもキレッキレである。特に10-Midnight Ramblerの客との掛け合い部分、Jumiping Jack Flashのリフ…うおー!うおー!と叫びながら下手なギター弾きたくなってしまう。
ミックスは少し低音キツ過ぎる感があるが、演奏の核となる部分は何の問題もなく、さすが数あるブートレグの中でオフィシャルに認められただけある。ドラムの音は素晴らしいの一言で、スネアが叩かれるたびにワクワクする自分がいる(正直メンバー以外の音ちっちゃすぎね?という気持ちもあるが…まあそこはご愛嬌である)。

本当に、これこそロックンロールである。ガレージでもなくハードロックでもなく、ごちゃごちゃした装飾が入りまくってそれでも鳴り響くロックンロール。ミッシェルも村八分もアクモンもニルヴァーナももちろんロックンロールだが、これには叶わない。「剥き出し」とか「初期衝動」みたいなつまらない謳い文句なんて必要ない、成熟の限りを尽くしそれでも色あせないロックンロール。ストーンズをただのおっさんバンドだと思ってる人は是非これを聞いて認識を改めて欲しい。
ちなみにストーンズは今年で五十周年らしい。ワールドツアーの噂も事欠かない。まあさっき言ったように全盛期には劣るが、それでもそこらの同窓会バンドより絶対いい演奏することは全世界の音楽ファンの保証付きである。日本に来て欲しい…どうせクソウドーが呼んでチケット一万超だろうが…それでも行ってやる。おっさんに囲まれようが遠すぎて豆粒にしか見れなかろうが行ってやる!もうストーンズをおっさんの手に渡すのは嫌だ!若者よ!ストーンズ聴こう!ビートルズもいいけどストーンズも聞こう!どうせビートルズなんてドヤ顔したいがためだけに聞いてんだろ!?同じドヤ顔のためならストーンズの方がワイルドでかっこいいぜ!
 
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フジロックとサマーソニック。二つのアーティスト第一弾が発表されました。
というわけで前もやった第一弾比較でもしようかなと。
http://www.fujirockfestival.com/artist/
http://www.summersonic.com/2012/lineup/

まあ今年はフジでしょう。
最近フジマンネリねみたいなことを前言ったが、今年はまず新人が熱い。
ファクトリーフロアとジェイムスブレイクはずるい(ジェイムスブレイクは呼ぶなら去年だったろう…と思うのは去年行ったからだろうか)。ファクトリーフロアは来るならサマソニかと思ったがまさかフジでか…行かないから関係ないけど絶対レッドマーキーできれば深夜でな。じゃないと去年のキルズみたいなことになりかねないから。
ハウラーも来るし。ちゃんと新人枠を用意してる感が素晴らしい。
あと大物も完璧。ローゼズはピンと来ないんだが、レディオヘッドとAt The Drive-In、Beady Eyeは鉄板すぎる。さすがに保守だなんだと批判すらできない。
そこにジャックホワイトのソロまで来るとは…うーむ。絶対完璧なバンド編成でSeven Nation Armyやるんだろうなぁ。すげえ盛り上がるんだろうなぁ。羨ましい。
おっさん用バンドもバディガイ、エルヴィスコステロ、スペシャルズと隙がない。スペシャルズはサマソニで見て超盛り上がったのでオススメです。マジで超鉄板セトリ以外やらないので1st以外聞いてないとかでも全然大丈夫だと思う(てかコステロとスペシャルズって完全に2009年サマソニだよな…。
お願いだからUSインディ系来ませんように…とひたすら願う毎日。あとボアダムスも来ませんように…。

サマソニ。
リアーナとグリーンデイ。いやグリーンディすごいのはわかるんだけどね…さすがに見たいとは思わないわ。むしろリアーナの方が見たい。最近のアルバムはすごいかっこいいらしいし。最近俺の中でR&B系流行ってるし。
ニューオーダーとシガーロスは普通に楽しみだが…どちらも決め手というには欠けるかなぁ。多分どっちもソニックトリなわけで。トリとして文句無いかと言われるとうーむ。シガーロスは結構見てみたい気もするがニューオーダーはフッキーいねえし。つかマジで大丈夫なの?超キャンセルの予感しまくってるんだけど。そういや去年フリーベース決まってたような…あれキャンセルしたっけ。忘れてしまった。まあでも幕張でブルーマンデーはすげえ盛り上がるだろうなとは思う。
んで新人~中堅組がなぁ。フランツとSBTRKTとアイスエイジはいいんだけど他がどうも首を傾げてしまう。Foster The Peopleか…カーディガンズか…パッションピットか…ヴァクシーンズか…何とも言えない。
全体としてみれば悪くないが、これ!といえるアーティストが欲しいなという印象。まあマーズヴォルタはもう100%無いとして、22-20sも多分フジだろうし、まさかアニコレも来るまいし。あえてここでThe WeekendとかZombyみたいなダブステ系か、むしろアニソンに擦り寄ってくれても嬉しい。あいなまとか!スフィアとか!石川様とか!ねーか!

今年は色々あって…というわけでもないがサマソニに行くと決めているので、少々残念。清水さんにはもっと頑張って欲しい。帽子は…まあでも最近スマッシュは災難続きだからとりあえずキャンセルがさほど出ないよう一応祈っておいてあげよう。ローゼズとかすげえありえそう。
アイマスBDが売れているようだ。
五巻だというのにあちこちで売り切れていて,アマゾンでも入荷待ちになっている。もちろんアニプレ作品としてはそれなりに広告をうっているが,決して力を入れているというほどでもなかったし,ネットでもさほど大きな話題になったわけでもないのに,きっちり売れている。
ホライゾンにも同じ事がいえる。前評判は最低だったし,広告なんてほとんど無かったというのに,二万枚を売る快挙を成し遂げた。これはアニメ業界が,邦画や邦楽のように広告先行の業界でない事を意味している。売れることと大宣伝をする事がイコールでないのだ。
しかし,未だにBDやDVDを買わないアニメ好きは少なくない。
あるアニメ会社の会社説明会で,「BDを買ったことがある人どのくらいいますか?」という質問で手を挙げたのは半分くらいだった。俺はそれでも多いなーと思ったが,冷静に考えたら「買ってる人」でなく「買ったことがある人」だ。それこそサマウォだけ,エヴァだけ,けいおんだけでもその中に入るわけで,日常的にBDを買っているとは限らない。
ネットでもやはり「アニメは見るが円盤は買わない」という人をよく見る。理由は様々だが,多いのは値段とそれに見合う内容がない事のようだ。まあ確かに地デジと(ほとんど…というのは小さいテレビの話で,でかいテレビだとかなり違うらしいが…どうなんだろ)変わらない画質でろくにプラス要素も無く6~9000円というのは高い。間違いなく高い。買わない人の気持ちもものすごくよくわかる。
だが,その説明会ではこんな話も聞いた。
「アニメを作ることによって色んな収益があるが,九割はパッケージ(つまりBDやDVD)によるもの。他は数%でしかない」
まあ会社説明会でそんなことを言うのもどうなんだと思うが,要するに視聴率だのアイテム収入なんてウンコみたいなもので,BDを買わなければ間違いなくアニメ業界は廃るわけだ。
だからBDを買わなくてはいけない…とはいかないだろう。
まず,根底として「別にアニメが今後どうなろうと知ったこっちゃない。今好きだから見るだけで潰れたらそれまで」という人もいるだろう。それは倫理的問題で論理的問題ではない。それはそれでいいんじゃないだろうか。ただ俺はそんな奴がアニメを語るなんてヘソが茶を沸かすが。
また,「今の市場規模がおかしい。パッケージによる直接収入なんてやめて,競争原理がなかった時代に戻るべき」という考えもいるかと思う。つまり90年代の,一部の天才と一部の好事家だけのものだった時代のほうがよかったと。
まあこの不景気にそんな甘いことでアニメみたいな金のかかる文化がやっていけるのかという疑問もあるが,それも難しい問題だ。市場規模が増えた事で失ったものも間違いなくある。現在の押井守はまだいない。庵野もいない。そういうことだ。
だがそれはある文化の成長過程で当然の事だと思う。一部の天才がサブカルチャーをメインカルチャーに押し上げ,バブルのようにあらゆる作品が生まれ,アンダーグラウンドとオーバーグランドに分かれ,前者が腐れ落ち後者が前者に入れ替わる。それがロックや映画のようなポップカルチャーで,そうでないのがジャズや演劇のようなアート文化だ。
アニメはどちらか。それはわからないが俺はポップカルチャーだろうと思う。なぜかと言えば色々理由はあるが,結局のところ俺がそうあってほしいから。ただどちらであるべきかに答えはないといわざるを得ない。
だが今明らかにアニメはポップカルチャーで,もし今のアニメが好きならば,絶対にBDを買うべきだ。
BDを買わない他の意見としては,「商品として値段ほどの価値がないのは間違いないのに,業界を支えるというような理由を押し付け買えというのは間違ってはいまいか」というのもあるだろう。
正直これが一番痛い。かなり正しい。六時間の映像作品に四万円強。映画はBDでも四千円くらいだろう。時間単位で三倍近く違う。しかも映画はかなり特典がつくのに,アニメはオーディオコメンタリーだのドラマCDだのアニメ好きという要素とおよそリンクしないものしかつかない。単純に商品としての魅力は本当に乏しい。
そしてそれを補うための理由である「業界のため」。しかしこの理由は先ほど自分がいった「アニメはポップカルチャーだ」という主張とかなり相反する。そんな意識がないと売れない文化をポップと呼んでいいのか。
結局この問題は今アニメという文化がかなりイレギュラーで,かつ発展途上であるという事実に起因すると考える。
アニメには,パッケージをアニメ会社が売りそれを支持する客が買うという,音楽レベルのダイレクトな構図がある(この際アニメ会社とクリエイターとの距離なんていう陰謀論はスルーする。大体サンライズはバンビジュの,A-1はアニプレの子会社である)。
対して映画は興行収入,ドラマはスポンサーという存在がある。上のようなアニメにおけるダイレクトな構図がないので,逆に買おうと思うと安くなるのだ(邦楽は悪名高き再販制度のせいでBDレベルにパッケージが高いし,ネットに対する対策をほとんどしなかったせいで業界が廃れている)。
また,現在ほとんどのポップカルチャーは成熟しきり,むしろ腐っているわけだが,アニメはその中で唯一といっていいほど発展途上である。それゆえに市場その他販売ルートや収入モデルも整備されておらず,パッケージの異様な値段(と文化の隆盛に反した製作現場の困窮)が解決されていないのだ。
結論として,BDの商品価値の低さは,時間が解決すると思う。
なんじゃそりゃ!と言われそうだし,正直胸を張っていうような結論でもないが,もしこのまま下がらなければ,それは要するに90年代に逆戻りするだけだ。アニメにポップカルチャーとしての力は無く,それこそアート…というよりプロレスやアイドル文化のようなサブカルチャーレベルの力しかないという事だろう。
逆にもし文化としての力があれば,自然とBDの売上の平均値は上昇していく。そうすればそれとともにパッケージ自体の値段も下がって行くのが市場原理というものだ。まあ付加価値は今以上になる事はないと思う。何せ単純な特典映像を作るのがアニメは難しすぎるから…一分あたり十万くらいかかるらしい。

最終的に,今BDを買わない人に言う事は,「いつか値段が下がる。そのためには今BD買わなくちゃいけない!だから買おう!」かな。「業界を支える」より面倒かつ正しいかもわからない理由だけど。
まあうだうだいったけどぶっちゃけあれほどクリエイターたちが買え買え言ってるのに買わないとかありえないと思うけどね!そりゃたけーけど六千だぜ!?買えよ!んな金ねーのかよ!今日び高校生でも持ってるぜそんくらい!どんだけ金ねーんだあほか!
まあ製作現場の困窮に関してはあとオタク業界特有の清貧主義による作り手の権利に対する意識の低さがあるけどそれはまたいつか。ほんとアニメ文化って面白いと思うわ。色んな意味で。
全アニメ折り返したので恒例の。

             萌  演  話  計
1.夏目 肆               4        3       4     11      
2.ミルキィ                2        4       4      10
3.アマガミSS+            4        2       3       9
4.犬僕SS                4        2       2       8
5.ギルティクラウン 3        2       3       8

前との比較で言えば,ラグランジュのランク外とギルクラのランクインでしょうか。
あとは男子高校生,偽,モーパイ,アクエリオンあたりが面白いかな。アナザーも見たいんだけど…前のシュタゲと同じ感じになってる。重い話は何となく毎週見れないんだよね。なんでやろ。
ラグランジュは…一話の演出力は俺の見間違いだったのかな。話もよくわからんし。キャラもブヒれない。平均的にショボいなぁという印象。

各論。
1.夏目 肆
まあ何億回も言うとおりいつもどーーりの夏目なんだけど,ここ二,三話はちょっと違う視点の話になってきてしかもそれがまた面白い。いつもどおりの萌える絵と綺麗な演出に話にバリエーションまで出てきたらもう一位にせざるを得ない。つかいちいち男がエロイ…ペーロペロ。女も可愛いペーロペロ。

2.ミルキィ2
特に一話のときと感想は変わらない。何か地味にパロネタ入れてくるよね。タイトル全部そうだし。いきなりランナウェイズのチェリーボムネタやってきたときは何事かと思ったわ。

3.アマガミSS+
とにかく完璧な古き良きラブコメ。一対一の恋愛を丁寧に丁寧に描く。それだけでこんなパワーが生まれるのかとちょっと衝撃だった。
特に梨穂子回は必見。何が凄いって後半は三十分掛けてほぼワンシーンというか,家の中にいていちゃつくだけで終わるという時間の使い方。細かくもいじらしい台詞の応酬。そしてラスト。これは最早小津安二郎の域…というのはただ単に小津の名前使いたいだけだけど,ほんと凄かった。
その後も心理描写とかも丁寧で,橘さんも基本変態だけどやる時はやるといういいキャラ。一期は全然好きになれなかったけど,二期はちょっと見逃せない。森島さんの回が楽しみすぎる。

4.犬僕SS
りりちよとろろみやとのばらかわいい以上。

5.ギルクラ
ようやく盛り上がってきたというか…にしたって別にあっと驚くわけでもなければ上手い展開でもないんですけど。先々週まではもう見てられないくらいの醜態だったんで一応見れる程度になってくれて嬉しいかな。とりあえず集君はこのままクズ街道突っ走っていただきたいんだが…どうなんでしょ。みんな死んでいのりと2人だけになってもうあの敵たち皆殺しにして…なんて展開してほしい。大団円とかやめてほしい。
まあ絵もかわいいしキャラもブヒれるし…なんだかんだ楽しめるとは思うけどね。特に期待せずに暇つぶしとして見ます。

総論としては結局一話のときと一緒で楽しめはするけど凄い面白いものはないかなという感じ。正直言えば不作です。
もっとこう…ぐおー!やぶぇー!って感じのアニメが欲しい。BD買うアニメは無いだろうな…強いて言えばアマガミの今後によるけど。それよりはスト魔女とかけいおんとかアイマスに金使いたい。もっと頑張ってほしい。別に金かけろとかあっと驚くとかじゃなくてさ…電波女とか瀬戸みたいな,ぱっと見そんじょそこらのアニメだけどよーく見ると半端じゃないみたいな。次クールに期待かな。
「電波女と青春男」のアニメといえば,まあろくな評価を聞かない。エリオちゃんがかわいいだけのシャフト演出が鼻につく低予算ラノベアニメ。大体そんなところだろう。
正直言おう。俺も1,2話は見なかった。
暇つぶしに見たのが3話だったのは幸いといえよう。その3話もAパートはドン引きだった。リュウシさんがわかりやすいが,全体的に痛いギャグや言い回しは今でもさほど慣れない。
もちろん自分は全てのBDを買うほどのファンになったが,最近までその評価に客観性があるか疑っていたのも事実だ。それこそえむえむやおまひま,メイド様のような,たまたま俺の琴線に触れただけのクソアニメじゃないかと,BD買いながら悩む事もままあった。
しかし,届いたBDを見れば見るほど,引き込まれていく自分がいた。
なぜ引き込まれるのか。傍目にはただのラブコメにしか見えないこのアニメを2011年第三位にランクインさせたのはなぜか。エリオちゃんが可愛いから…というのももちろんというかものすごくあるのだが,むしろより批評的な視点から書いていきたいと思う。

電波女の主人公である丹羽真は,平々凡々な男である。とりたててイケメンでもなく,かといってやたら陰気でもなく,何が何でも正義を貫くわけでもないが目の前の悪事を見てみぬフリするほどでもない。まあよくあるラノベ主人公といえよう。
しかしひとつ普通の主人公と違う点と言えば,やはり青春ポイントなるものを自分の人生の行動指針に導入している事だ。
つまり普通より少し,日常から逸脱したイベントが好きなキャラなのだ。そのためにあらゆる行動を起こすというほどのものでもないが,少し頑張ってみるくらいの心持ちはある。
それがヒロインである藤和エリオと出会う。
こちらはもう少し逸脱したなどというレベルではない。文字通り電波女である。誘拐と記憶喪失という過去から自分は宇宙人であるという幻想をもち,地球人を視察するためと称し自らに布団を巻きつけ町を徘徊する。それが超然とした感じや夢を持っているというような美しい見方が物語においてされることは絶対にありえない。本当に社会的にはクズという扱いである。
それを見た主人公は,罪悪感と宇宙人のような神秘に対する自分なりのこだわりから,エリオの幻想を壊して現実逃避をやめさせる。それがアニメにおける三話であり,そこからはエリオが社会復帰を試みる話になる。
ここでまず面白いところが,社会復帰しようとするエリオに対する人々の態度が普通に冷たいところだろう。
ラノベだからという言い訳でちょっと変人程度の扱いに抑えることは無い。街の人々はバイトしたいというエリオをけんもほろろに突き放し,ようやく見つけたバイト先に来た学校の生徒はもう来るのをやめようと言い出す。しかもそのような人が物語として「ひどい奴」という扱いをされることもない。主人公もその友達も,そういう人を見て糾弾するわけでもなく懇願するわけでもなく,悲しみと諦めをもって落ち込むだけである。
この全体的なキャラ配置とプロットを見て,俺はハルヒを思い出した。
平凡な主人公が破天荒なヒロインに巻き込まれ,色んな非日常を経験する。ライトノベルにおいて最早フォーマットといってもいいほど溢れている設定でもある。
それほどハルヒが受け入れられた要因としては,もちろんかわいらしいキャラとのいぢ絵もあるだろうが,時代性もあるだろうと思う。
つまり平穏を望むオタクたちの主人公とのシンクロと,ほんの少しの非日常への渇望を満たす破天荒なヒロイン。セカイ系を通過した故のアンチ熱血,非社会性をある程度保持しつつ,エンターティメントとして成り立つ程度のイベントも持ち合わせている上手いキャラ配置だと思う。また,著者谷川流の時代性に対する文学者としての自覚が滲み出たキョンの独白もまた,ユリイカその他つまらん社会派オタクの受け皿として機能しているのだろう。
逆にもう少し右派の識者から「少しリアルにしただけでメンヘラ美少女を助けるクールな俺というオナニー視点から脱却していない」という批判も見受けられたが,まあそこは時代性にどこまで接近するかという価値観の違いだろう。
そのハルヒフォロワーの一つとしての電波女である。
ハルヒと違う点は,主人公がキョンより少し非日常を欲している点,そしてヒロインが本当にメンヘラな社会的クズだという点だろう。
エリオの非社会性,そして主人公への依存っぷりはセカイ系にまで退化しているとも考えられるが,しかし主人公の態度はむしろさらに以前,ある種の熱血のような要素を持っている。
そこの違いでハルヒとの差異を計り,エリオその他かわいいヒロイン達で萌え豚を釣りつつハルヒとは逆の流れ…つまりヒロインにつられ非日常に飛び込むのではなく,ヒロインを日常へと戻すために四苦八苦していくのかな…と考えていた。
しかし,ヤシロが現れた辺りから,どうやら自分の予想とは違う方向だと気づいた。
ハルヒの素晴らしい点は,エヴァ的なアンチ熱血の要素もありつつ,結局ハルヒというキャラを通して熱血という価値観を再評価しているところにある。それが消失であり,俺はそこでようやくハルヒという話のテーマを理解して感動したのだ。
しかし電波女の場合,ヒロインは熱血としての上を向いた非日常ではなく,それとは真逆のニートや引きこもりといった本当の社会的クズという非日常である。
だからこそそれを助けるという構図になり,そこに熱血要素はなく,言ってしまえば先述したハルヒへの批判がそのまま当てはまってしまうような話になってしまうと俺は予想していた。
だが,ヤシロは叫ぶ,「夢を見る事の何が悪い。信じる力を知れ!」と。
これは主人公の視座に対する批判である。しかし,この物語における主人公と対比される視座はエリオであり,社会的クズである。ヤシロの言葉はこう言い換えられるのだ。「社会的クズで何が悪い!」と。
従来の熱血とはある意味右翼的なものであり,それへのアンチとしていわゆるセカイ系…幸せを目指して四苦八苦する事の愚かさを伝える物語があった。ヤシロの言葉は字面だけ見れば旧来の右翼的熱血だが,その実セカイ系のような主張をしているのだ。
それを顕著に表しているのが最終話である。最後にヤシロは超能力で主人公を助け,消える。そして主人公は否定したはずの宇宙人の存在を考え,苦悩する。「俺は本当に正しい事をしたのか?エリオは正しかったんじゃないのか?」。そこで終わってしまっているので何ともいえないが,ここには青春と電波の差という命題がある。青春という古臭い熱血を象徴する言葉は,実は電波というアウトローと繋がっている…そういう命題だ。これほど両義的な主張を,ハルヒよりさらにスノッブさを捨てて表現するこのシナリオは,それだけを見れば本当に驚くべきものであると思う。
もちろん俺の妄想である可能性もある。これは単純にハルヒ的な話であり,エリオがハルヒのような熱血キャラじゃないのは萌え的な趣味だけのためで,オチはエリオが社会復帰して終わり。十分にありえる。だが,沿う思えない何かが,このアニメの至る所に散見されるのもまた事実だ。

しかしそのシナリオに見合ったアニメ力がこのアニメにあったか…それは難しいところだ。
作画はBDでもいいとは言えなかった。演出としても基本的にはシャフト演出であり,これほど繊細なシナリオに適しているかと言われればもっと合う演出があったと思う。
だがそれでも,決してクソの一言で終わらせられるものでもない。
明らかにシャフトの中では物語を強く意識した演出になっている。カメラワークや時間の取り方こそ特異なものの,全体としてはシャフトによくあるデザイン的な絵はほとんどなかった。これは今までのシャフト作品にはなかったものだ。
また,一枚絵を強く打ち出した演出に,西田亜沙子の美麗な絵も非常によく合っていた。撮影効果も話の邪魔になるほどでもなくかといって無意味でもなく,まさに効果的といっていい使い方だ。
それこそ新房演出からの脱却とすらいえると思う。まだまだ未完成なところも多々あるが,この流れを「いつものシャフト演出」で切り捨てるのはさすがに偏見と言わざるを得ない。むしろあの花のような,実写を強く意識しつつセンスがないせいで凡庸に終わっているものよりはずっと刺激的だった。諸手を挙げて褒められるものではないが,チャレンジとして見所の全く無いものでもない。
音楽もよくあるオーケストラやバンドサウンドではなく,エレクトロニカを主体とした清涼なもので,雰囲気に合っていた。作曲家であるFranz Maxwell Ⅰ.というのはタイトルのつけ方も面白いしなぜかキャラソンの作詞までしていたりするし,これから注目していきたい作曲家だ。
そして何よりこのアニメを語る上で欠かせないのはOPである。
神聖かまってちゃんほど上で上げたシナリオのテーマに合うアーティストもいない。それこそ本当にガチの引きこもりだったの子率いるかまってちゃんが,日本の音楽界で受け入れられている構図は上のアウトローと熱血の対比に当てはまる。かまってちゃんのメンバーがバックを演奏する中,エリオの声優である大亀あすかが決して上手くない歌声で「きっとあなたしか受信できないの」と叫ぶこのOPは,掛け値なしに最高だ。最初TBSに反対されたときに必死にこれを推した新房とアニプレのプロデューサーには心からの賛辞を贈りたい。

と,ここまで言っておきながら凄い事を言うが俺は原作を全部読んでいない。一巻だけ買ったが文体があまりに合わなくてそれ以上買う力が湧かなかった。しかも全部読んだ友達によれば特に鬱展開もなく普通の話らしい。まあ別に鬱展開が必須というわけではないが普通なのか…というわけで躊躇している現在である。出来れば続きはアニメで見たいし。
原作者の入間人間は結構人気があるらしく,そのためこれもBDはそれなりに売れたらしい。ぜひ二期をやって,俺が言ったテーマの結末を教えて欲しい。シャフトは意外とやり捨ての作品がない印象なので,結構期待している。二期もぜひかまってちゃんでお願いします。
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キモオタ
好きなアニメ:
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好きな漫画:
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