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James Blake@新木場スタジオコースト(6/5)に行ってきました。
James Blakeの2ndは一聴した限りでは順当に音楽性を増やしメロも綺麗にした正当進化ないいアルバムだなと思っていたのだが、改めて1stを聞いたときにその早川義夫的情念がぶちかまされた歌詞とその情念を180%伝えようとするアヴァンギャルドかつ力に満ちた音像の素晴らしさに今更ながら圧倒され、やっぱ1stには劣るなーと感じるようになってしまった。
今回の来日もやはり2ndが主体になるわけで、実際にライブの感想も「完成度が~」「美しい~」「正当な進化~」という俺がさっき書いたような2ndの評価そのままのようなものが並んでおり、そりゃそうかと思いつつもポップスに舵を切った彼にライブへ行くほどの興味はなくなっていた。
が、昼休みにふと2ndを聞き、2ndで唯一ピアノ主体のバラードになる"DLM"の美しさに感動し、愛聴している1stの曲もやるわけだしなぜか当日券もあるようだし職場から新木場まで10分だし行くかーと軽いノリで東京最終日に新木場に向かった。
そして一曲目"Air & Lack Thereof"でまずぶっ飛ばされた。
ご存じのとおりこれは初期EP群の一曲で、James Blakeがまだクラブアーティストだったころの名曲の一つである。現在の曲より圧倒的にむちゃくちゃな音像とそれでもどこか哀愁と美しさが漂うメロディのバランスは今にはない魅力だが、それを会場の爆音で聞かされるとここまで感情が溢れるのかと驚いた。
それがさらに顕著になったのが次の"I Never Learnt To Share"である。
声をルーパーで重ね合わせ、だんだんと盛り上げてサビで爆発させる彼の代表曲。
といいつつ1stのプロダクションはあくまでクラブミュージック、ベッドルームミュージックとしての側面を反映させ、勢いよりはバランスを大事にした音に仕上げているせいか、サビのテンションが微妙であまり好きになれなかった。
だが、ライブでのこの曲は全くその姿が違った。まさに「爆音」というにふさわしい破壊力のあるJames Blakeのキーボードが勢い…というにはあまりに激烈な(なんかバカみたいな表現しまくって申し訳ない)感情を表現しており、それはもはやMogwaiやGY!BEのような殺意すら感じさせた。しかもそれでも全体のPAは完璧だというから恐ろしい。
当然だがアレンジはほとんどなく、曲そのものは原曲の歌詞を含めた完全なベッドルームミュージックだというのに、音像だけでここまでの感情を表すという感覚は衝撃を受けるに十二分だった。そしてその感覚はJames Blakeのアーティスト性である強い感情を押し殺し、そこに音を含めて伝えようとするものと合致していたとも思う(早川義夫のバックバンドを不失者がやったらこんな感じになるのかなーとか訳のわからないことを思ってしまった)。
とまあ絶賛しまくりの冒頭2曲だが、その後の五曲は眠くなってしまった。
まあ要するに2ndのバラードが続いたのだが、ライブの最初にバラード、しかもその曲の出来が個人的につまらなかったので、欠伸をかみ殺すほど楽しめなかった。ライブとしてのアレンジも特になかったし。"Lindisfarne"は原曲が好きだったので嬉しかったが、この流れでやってほしくはなかったというのが正直なところだ
そこで最初の「ポップスに寄った」的な不安が頭をもたげたのも事実だ。1stやEPの曲は素晴らしいが2ndの曲はこういった大人しめアレンジなのかなーと当日券7000円を後悔しだしたその時。
"Digital Lion"が始まった。
そこからがまさに今回のJames Blakeのライブの本領だった。
2ndの曲には大体3種類あると思う。"I am Sold"のようなバラード、"Retorograde"のような派手なポップス、そして"Digital Lion"のような暗いリズムトラック。
中盤はそのリズムトラックを畳みかける構成になっているのだが、そのライブアレンジが恐怖すら感じる程の重さなのだ。
ほかの曲のようにJames Blakeが歌い上げるようなことはほぼ無い。その代わりにたった一言の歌声をループさせ、それに合わせどれも長尺になるアレンジが加わっており、今回のライブメンバーの三人がまるで火花を散らすようにそれぞれの音を鳴らしていく。
特に白眉なのがギターを務めるAirheadだろう。原曲ではほとんど目立たないギターサウンドが、ライブだとまるでギタードローンのような爆音で迫ってくる。肩を丸めうつむきキーボードを弾くJames Blakeとゆったりとリズムを叩くドラムとは反対に、まるでシューゲイザーバンドのようにギターをかきむしるその姿はとても印象的だった。
"Limit To Your Love"も原曲はあまりに暗すぎて好きではなく、また以前手に入れたライブアルバムでのアレンジも片手間でダブをやっているような感じでつまらないとしか思えなかったのだが、今回はそれで言えば本意気でダブをやったというか(いや以前も本気だろうけどw)、さっき言ったような怖さがダブアレンジというまた違う形で現れた素晴らしい熱演だった。
そう、怖さである。
James Blakeがなぜここまで日本でバカ売れしたか?
明らかにその泣きメロ感のおかげだろう。悲しさを綺麗なメロで歌い上げる。もちろん彼の豊潤な音楽性もヒットの一因だろうが、それでもこれほどバカ売れした理由はそこが日本人の音楽的嗜好にあったからだと思う。そしてそれは当然素晴らしいことだ。俺だってそこに感動して彼を好きになった。
だが、今回のライブの中盤で彼が表現したのは、その裏に潜む闇のようなものだと思う。
寂しさや悲しさの後ろにある怒り、恐怖、殺意。
それをノイズでもなく激しいバンドサウンドでもなく、ダブステップを背景にしたアヴァンギャルドなリズムと最低限のメロを表現するだけの抽象的な上物、ドローンのようなギター、そして何よりJames Blakeのあの強く弱い歌声で表現するその二面性が今回のライブにはあった。
"Klavierwerke"の演奏は一生忘れないだろう。ハイハットだけのブレイクの後。サンプラーから叩き出された何とも言えないノイズを合図に、暗闇でストロボのように明滅するだけの照明の中地獄のように恐ろしい重低音の上でKevin Shieldsのようなギターと神経質なキーボードがけたたましく鳴り響き、そこにまるで何かを訴えるように声にならない声を歌うJames Blake。そのあとの"Ovaergrown"が何かのギャグにしか思えなくなるほどの吐き気がする重苦しさ。
俺は二階で見ていたが、あれだけのリズムの中踊っているものは一人としていなかった。手も上げる者もおらず、俺の後ろにいて曲中に勝手に一緒に歌ったりバカみたいにキャーキャー叫んでるアホ女も、その時だけは黙りこくって見守っていた。そんな中俺は一人背広で眼鏡をはずして踊り狂った。あれで踊らずして何に踊ろう?
本編最後の"Retorograde"はキーボードの爆音と歌い上げるメロが美しく、アンコールの"The Wilhelm Scream"も最初に書いたような1st曲のライブならではの側面が見られた。通勤途中で何十回と聞いた"A Case of You"も生で見れて嬉しかった。
だが、それに涙を流すことができなかったほど、James Blakeというひたすらに肩を丸め、所在なさげに佇む柔和な青年(俺と同い年というから驚きである)の奥に垣間見た信じがたいほどの闇は恐ろしかった。
次のアルバムはぜひそれを表現してほしいと思う。
わが青春の監督、新海誠。
その最新作、『言の葉の庭』!
見てきました!
なんか書き出し全部これな気がするが、もちろん期待してなかった。
なんで?とかいう奴は間違いなく前作を見ていないんだろう。見た上でそう思うのであればおとなしくそっ閉じすることを勧める。価値観が違いすぎる。
予告映像もよくあるスイーツ恋愛映画臭プンプン。靴職人の15歳って何!?どんな人生送れば靴作ろうと思うわけ!?27歳OL?!かーっ出ましたよ新海さん特有の「俺女の人の気持ちわかっちゃうんだよねー」アピール!どーせそこらの三流少女漫画に出てくるレベルのつるっつるな自分カワイソ女なんだろ?!わかってんだよネタは上がってんだよ新海ぃ!!
まあこれでも十年前から追ってる身。骨を拾ってやるかと半ば諦めの境地で席に座った。
予想大当たりでした!
とりあえず良かった点からいこうか。
まずはユキノちゃんのエロさかわいさがやばかった!
27歳教師ってだけでエロさむんむんなのに新海作品史上最大級のおっぱい!しかもいつも通り生活感は妙にあるからエロさ倍増!だるだるのシャツ着て寝てるユキノちゃんのおっぱいマジ揉みしだきたいわ!
しかも真昼間から酒飲んでたりチョコ死ぬほど持ってたり料理下手だったりと萌え属性装備しまくり!弁当をタカオに笑われて「馬鹿にしてるでしょー!」って怒るユキノちゃんマジ天ー使!エンジェール!
あとまあこれを新海作品でいうのはもうバカバカしい感もあるがやっぱり相変わらず背景はすごい。本当にすごい。バカな評論家みたいな言だがマジで新宿御苑にいる気分。雨の表現とかアニメにおける最高峰なんじゃ?少なくとも細田とかのアニメ界トップクラスに匹敵する。
またちゃんと声優をプロにしているのは素晴らしい。
特に入野。ニュアンス演技をさせたら右に出る者はいない彼に新海作品はもはや極上の名演となるのは必然であり、事実俺が知る限りの彼のキャリアの中でも1、2を争う演技を見せていた。まあ花澤さんに関しては少しガキすぎるかなーとも思うが…おそらくそれを狙ったキャスティングなのだろう。とりあえずかわいかった!
さて。
クソな点ですが。
この作品をクソたらしめる部分を象徴するシーンが冒頭にあるので紹介する。
初めて二人が出会うシーン。特に会話をするでもなく、ぎこちない距離感が漂うベンチで、タカオが消しゴムを落とす。それを拾うユキノ。ほんの少し縮まる距離。そしてユキノが去るその時。
ふっと微笑みながら短歌を一言口ずさむのだ!
俺は笑い死ぬかと思った。
初めて会った中学生に何の説明もなくいきなり短歌を口ずさんじゃう系女子!完全に痛い!痛すぎる!
もちろんというか動機づけはあるが、それもなんと「タカオに自分がタカオの高校の古典教師であることを知らせたかった」ということだというのだ!
冗談きついっすwwwwwwwwww言えよ!「あたしあんたんとこの教師なんだけど色目使わないでくれる?」って言えよwwwwwwwwww何でドヤ顔短歌なんだよwwwwwwwwハルキニストかよwwwwwwwwww
つまりどういうことかというと、この作品全編にわたって演出のために脚本が動いているのだ。もっと簡単な言い方するとやりたいシーンのためだけに脚本を書いていることがありありとわかるということだ。
上のシーンもパッと思い浮かんだのだろう。去り際にクールに万葉集を詠う27歳古典教師が。そのために後付けで上で書いた動機づけを作ったのだろう!読めすぎるわ新海!
俺はこの作品を見て何となく最近よく見る女向け同人誌を思い出した。とにかくなんかそれっぽいシーンを並べ立てなんとなーくいい感じの雰囲気を醸し出していくだけ。絵もうまい。演出も綺麗。だが冷静に見てみれば特に何をしているわけでもないという上っ面だけのハリボテ作品。
そう、今回は演出もなかなかどうしてひどかった。秒速で見せた落ち着いた演出はどこへやら、三年前の売れ線邦画のような手垢のついたバカ演出のオンパレード。クライマックスシーンとか何?バカなの?フジテレビなの?入野一世一代の名演が一番大事なところでなるジャーン!っていう音楽で台無しだよ!
それ以外でも明らかに意味のないタカオの設定とか主人公二人のどっちつかずなキャラ設定とか友人たちの意味のなさとかTHE 悪役なヤンキーたちを出すそのセンスとかていうか新宿御苑で酒飲んじゃダメなんかい!とかもう色々言いたいことありすぎてはちきれんばかりだが基本的には上で言った「演出ありきの脚本」という指摘の中に含まれるので割愛する。
というかそういう脚本がダメってのは初歩中の初歩中の初歩なのでもうわざわざ指摘するもんでもないよね…これを好意的に見れる人はまじめにシナリオを見る目がないというかシナリオをどうでもいいと思っている人なんだと思う。そういう人今多いから意外とこの作品好評価もらえそうで怖いけどね。
まあ逆に言えばそういうシナリオ面での粗を気にしない人たちであればそこそこ楽しめるとは思う。友人が見たときカップルばかりだと言っていたがデートムービーとしてはなかなか最適なのでは?現代日本映画界におけるエンタメ性能としては結構高い。ユキノちゃんもかわいいし、やりたいこともわからんではないし、おおかみこどもとか星を追う子供よりは良かったと思う。
総括として一言。
「新海は脚本外注しよう」
もっとまともなスイーツシナリオだったらそこそこ楽しめたと思う。というか実際秒速がまさにそうだし(より正確にいうとシナリオと呼ぶのもおこがましいベタだけシナリオなだけだが、妙にレベルの低い作家性発揮されるより全然いい)。いいですよもう!SFセカイ系アニメはもう嫌ってわかってますよ!
ちなみに同時上映の5分短編はよかった。
つまりそういうことだよね。ちょっとしたイイハナシは書けるけど長編は書けないという(いや『言の葉の庭』も46分ですけど!)。新海にシナリオの才能がないというただそれだけ。マジで絵がうまいだけの同人作家!いや貶してませんよ?ただそういう人はそういう才能が合う場所があるという話でね。
つーわけで次は原作物でもやるといいんじゃないかな。スイーツ作家とかスイーツ漫画家とかの。楽しみにしてます。
最近のアニソンでよく聞くものでも紹介します。
1.マジLOVE2000%
1000%の方もかなり楽しませてもらったが、まさかそれを上回る曲を出してくるとは。
まず何よりも歌詞がすごい。「ST☆RISH Forever」「1000%だけじゃもの足りない アゲましょう2000%LOVE」「全力全開で2000%君のことを Love You」「誓います つーか俺らは永遠ST☆RISH」「Please Call ST☆RISH ずっと一緒に…」わかったよ!俺のこと好きなのわかったから!と言いたくなるほど全編通して愛の言葉。上松さん作詞の才能もあると思うわ。
合いの手も意味不明。シュッシュッ!とか何?忍者なの?レンさん誰にサンキューしてるの?何がOKなの?わからない!わからないよ!
曲ももちろんアゲアゲイケメンソングで最高。前のようなKPOP的グルーヴは後退したが逆にプログレレベルのころころ変わる曲構成は面白い。しかもボーカルのローテーションが前にも増して早いのでもう何が何やら過ぎてナイス。そのうえそれぞれのボーカルがちゃんとキャラ立ちしてる(ひたすらイケメンなレン、ひたすらドへたくそなショウ、ひたすらエロいトキヤ、ひたすらキモいセシル、ひたすらGRANRODEOなナツキ、ひたすら普通なマサト、あれ?一人忘れてるような)。アニソンとして完璧。
ダンスも作画は相変わらず素晴らしいし(I Need You…からの部分の作画は必見)、男のガチ腰ふりとか忍者移動とかマサト渾身のHとかもう笑いどころありすぎて聞いてて元気が出てくる。素晴らしいと思います!
2.恋は渾沌の隷也
これも上同様前作OPがバカ売れしてさー二作目のジンクスは?というところだったが、やはり素晴らしい曲となった。
とにかく前作より数段アグレッシブ。前作"太陽曰く燃えよカオス"はやはり未だジンギスカン的ディスコへの引用を一義にしたお遊び感があってそれがまたいい味出していたわけだが、今作はそこからさらにパンク精神というかノリ重視にしてきた。
まずベースを歪ませているのがいい。リズムは相変わらず四つ打ちなのがちょっと残念だが裏拍のカッティングギターや荒々しいブラス、そして畑亜紀のセンス全開の詰め込みまくりリリックと阿澄佳奈らのノリ重視歌唱とその全てが先述したお遊び感をテンションに変えている。
曲構成ももう少し前回と変えてきたらさらにおもしろかったと思うが(ギターソロはさすがに変わらなすぎ)、素晴らしいアニソンであることには変わりない。あとOPも今回のほうがセンスいいね!
3.せーのっ!
とにかくストリングスが綺麗。
ここまで開放感を与えてくれるストリングスというのは…アクエリオンのOPくらいか?
全体の音像としても中高音重視でアコギやピアノなど使っている楽器に清潔感があり、またかといってグルーヴがないわけではなくリズムに勢いがあるのも素晴らしい。
ボーカルも面白い。三者三様の声優をかなり細かくパートわけして歌わせていく手法はやはり楽曲に勢いを与えている。個人的に津田美波の特段うまいというわけではないのだがボーイッシュで伸びのある歌声はかなり惚れた。ぜひこれから歌手として活動してほしいくらい。
どうやら作曲者はボカロPらしく、確かにこんなセオリー無視なアレンジはプロの仕事っぽくないなと思ったが逆に言えばとても個性があるいい作曲家ということでもある。惜しむらくはこれほど綺麗で爽やかで力強い曲だというのにアニメ自体はただの平凡な日常系だったということだが…もしこれがフォトカノのOPだったらと思うと残念でならない(いやフォトカノのOPもいいけどね)。
4.To Be Continued?
アニメは1話で切ったのだが、CMで流れてそのファンキーさに驚いて買ってみた。
何がすごいってAメロはほぼメロがないといっていい。全編にわたりその個性を全てリズムに明け渡しているという事実。民族音楽的三連シンコペーションと細かいパーカッション、気持ちよく合の手を入れるブラスとホイッスル。いい感じに歪んでいないギター。重くうねうね動くベース。ただひたすらに素晴らしいガンボである。ボーカルも無駄に歌い上げず華を添えるに徹しているのが素晴らしい。
こういう突然変異ソングがあるからアニソン視聴はやめられない。どうやら作曲家はアニソン畑の人ではないようだが、ぜひこれからもアニソンを作っていただきたい。
5.Girlish Lover
ボーカルがかわいすぎる。
音程よりキャラを表現することを優先した歌い方はアニソンのお手本とすらいえよう。特に金元のほにゃほにゃした感じとかあいちゃんの「だめっ!」の部分とか何回聞いてもニヤニヤしてしまう。つか茅野は歌うと何か80年代アイドルっぽくて凄くいいんだよね!もっと歌歌えばいいのに!
音も基本はアイドルソングのマナーに沿ったポップスなんだが、まずドラムが重すぎて受ける。何アレ。何でフィルインあんながっつりしてんの!こんな存在感あるドラム聞いたのHELP!!!以来だわ!
ギターもブラスもとにかく古ーいアイドルソングっぽくてナイス。その引用の仕方は"LOVELOVELOVEのせいなのよ"のような2000年代前半の箸にも棒にかからないクソ萌えアニメ主題歌を想起させる。この作曲家が所属しているFirstCellというグループはあまりよく聞かないが、変猫なども聞く限りどうやら古き良きアニソンを愛している印象がある。
最近のアニソンは逆に何かの参照が激しすぎる感もあるので、ここらでそういうTHE アニソンを継承する人たちが出てくるのもなかなか面白い。期待です。
あとは"reunion"、"夢の続き"、月花"、"ギャグ"などなど。
最近配信で買ってるんだけどファイルのプロパティに作曲者とか入れてくれないもんかね。いちいちググるのめんどいんだよね…かといってCD買うほどのもんじゃないのも多いし。そこらへんやっぱり日本だなぁって思います。
春アニメも折り返し。
恒例中間報告です。
1.俺の妹がこんなに可愛いわけがない。
2.フォトカノ
3.はたらく魔王様!
4.翠星のガルガンティア
5.デートアライブ
今期はいいね!
あずれが久しぶりに二ケタ視聴継続してるのもよくわかる(俺は一ケタだが)。
とにかく粒ぞろい。どれもとても楽しめる。これほど平均値が高かったクールはいつぶりだ。毎週末が楽しくてしょうがない。ただ逆に頭一つ抜けるアニメがないというのもあるが…まあそれもこれから。
とりあえず各論!
1.俺の妹がこんなに可愛いわけがない。
きりりん氏と京介氏がかわいい。
もうそれだけとすらいえる。
もちろん細かい心理描写や軽快なギャグ、ぶっ飛んだキャラや崩れない作画声優の名演などなどアニメとしての品質も素晴らしいものであるのは間違いない。特にわかりにくいほど微妙なニュアンスの会話や仕草で気持ちを表現する感覚はここ数年のライトノベルにはなかなかないものであり、特筆すべきものだとは思う。
だがもうとりあえずきりりんと京介がかわいい!
あまりにもかわいい!デート回とか死ぬよね!「俺はシスコンだっ!」っていう宣言もいいし頭撫でて褒めるシーンも最高だし終わった後映画終わった時に注意されたことを怒って「もっと優しく言えばいいじゃん!」とか言っちゃうあの感じ!マジきりりん地雷女!しかもあんなこと言われた癖にすっげえへこんで階段前で待って腕までつかんで「彼氏いるのか?」とか聞いちゃう京介!ほんとやばい!この二人マジやばい!
京介の「お前が俺を嫌いなのは知ってるがそれでも俺は好きだ!」という開き直りにも似た愛情が美しすぎる。「え?お前俺のこと好きなの?俺は何とも思ってなかったけど?」とかいう馬鹿男が蔓延するラノベ業界でここまで尻に敷かれマンを描く伏見氏の根性には脱帽する。もちろんそれはきりりんが京介大好きという前提があってこそだが!それがなかったら最新話とかただの犯罪シスコン野郎だからw
ここ数年稀にみるベストカップル、その行く末を見守るただそれだけでこれだけ良作ばかりの今クールでなお1位に値する。楽しみでしょうがない?
え?黒猫?黒猫チェルシー?あのなんきーんじょーをぬけー!
2.フォトカノ
恐るべきは最新話である。
クーツン後輩をバカ全開で笑わせる主人公という微笑ましい導入部分からイラ壁ファックのデートシーン、そして最後にスパイスのようなヒロインの過去描写からほんの少しの触れ合い、親密になった二人を表す最低限のシーンとともに美しいBGMからEDへのシームレスな流れ。
奇想天外なアングルは間違いなく演出湯浅政明氏の技だが、しかしそれでも決して絵を崩さないのは萌えアニメを描くという意思の表れだろう。作画がいいというわけではない。予算がかかっている感じはしない。だが決してそんなつまらない部分に依拠しない、発想と創造性をフルに使ったまさに演出というべき部分の美しさが尋常ではない。二人が橋を渡り帰るシーンとラストシーンはただひたすらに嘆息する素晴らしさである。
そしてそれを彩る水橋かおりの演技は驚愕としか言いようがない。ぜひヘッドホンで聞くことをお勧めする。決して表に出すことなく、だか言葉の端々に潜り込ませるその感情の機微は心が震わすに十二分だと断じさせてもらおう。彼女の実力はひだまりのみやちゃんですでに証明済みではあったが、にしてもここまでだとは。女性声優は中堅どころが一番腕があると思う。
とにかく全編にわたって演出が素晴らしい。しかも絶対に萌えとエロを忘れないというのがさらに素晴らしい。一つ心配があるとすれば脚本というか…これから一人ー話なの?ていうか最後誰になるの?最終話どう落とすの?とか色々不安はあるものの、まあもはやそういうのが物をいうアニメではない。欲を言えばあと一人くらいスーパー演出マン連れてきてくれたら満足。
しかしニャル子もそうだが、最近あまり無かった底辺(失礼)アニメへのスーパーマン参加というのが見られるようになって嬉しい。これぞ深夜アニメの醍醐味である。
3.はたらく魔王様!
意外とシリアス方面に重点を置いてるのはちょっとマイナスだった。
いや別に不出来というわけではないが…それでもギャグのほうが明らかに面白いので、できればこれからギャグだけで行ってほしい。どうせ最終話辺りでまたシリアスになるんだろうけど。
ただどんなにシリアスモードになっても絶対にユーモアを忘れないというのはいいと思う。あと勇者がいい。これだけ経っても主人公に全くデレないのがいい。ぜひ最後まで倦怠期のカップルみたいな関係性を維持し続けてほしい。
4.翠星のガルガンティア
レドちゃんかわいい!
ぶっちーにここまで堅実な話が描けるという事実に驚き。もちろん実力があるのはわかっていたが、もう笑っちゃうぐらいに普通の面白い話。何でこれを土曜五時枠にやらなかったのか。老若男女楽しめるアニメだと思うんだが。
特に世界観へのこだわりとその描写の仕方は最近のアニメにはない感じでナイスである。まさにSFアニメというか。でも決して押しつけがましくもないし。
ただ堅実すぎてちょっとつまんないかなーとは思うけど。いやこれからなのかな?宇宙怪獣に地球のみんなフルボッコなのかな?それとも地球を壊さなきゃ宇宙怪獣全滅できない的なあれかな?つってもあれだけ「今回はピュアホワイトな虚淵です!」って喧伝してるわけだから無茶はしないと思うんだけど…まあ素直に期待できる出来ではある。
5.デートアライブ
安田猛企画クソアニメで久しぶりの当たり。
いい意味でのノリ一発適当原作は白根さんのカラーにぴったりで、もちろんテンポ(だけ)がいい元永演出も相性ばっちり。笑えるし萌えるしまあそこそこ見どころもある。いいクソアニメの見本である。
とりあえず井上麻里奈の演技がまーかわいくて焦る。こんなかわいかったかなー…ラウラ見返したけど圧倒的に十夏のほうがかわいい。嘘。圧倒的ではない。でも十夏のほうがかわいい。よしのもかわいい。まさか野水声でかわいいと思うキャラが出てくるとは…絵がいいんだよね。古いタイプの萌え絵を綺麗に描いた感じ。
しかし鈴木貴昭はこのアニメで一体何をしているんだ…おとなしく脚本担当になればいいのになぁ。
ニャル子も素晴らしい。デートアライブとほぼ同点。
作画が安定してるのとまひろとニャル子の関係がなかなか面白いのがいい。近年稀に見るほど押せ押せのニャル子とそれに何となく距離を取りつつ惹かれていくまひろというのは意外とありそうでなかった感じ。あとEDの無駄に豪華なスタッフは何なんですかね。XEBECという会社は本当わからない。基本ただのエロアニメ会社なんだけどなぁー。
うたプリもナイス。馬鹿さ加減が素晴らしい。というか女性向けアニメでくだらないシリアスを見せないのってこれが初めてなんじゃないだろうか。あとヘタリアくらいか…あれもちょっと違うし。ついに女性向けもキャラのみで押し切るアニメが売れる時代になったのかなー。いいと思います!
アザゼルさんは安定の黒さ(千和と逢坂にあんな役やらせるキャスティングが最高)。変猫はかわいいかわいいアニメ。絵も綺麗。
進撃はデスノートですね。まあいいんじゃないでしょうか。
面白いと思うなー今期は。
さっき言った通り頭一つ抜けてるアニメがないのが惜しいところかなとは思う。
しかし俺の記憶ではそれこそ2年前の夏(まどマギや電波女のころ)からずーっとある一つか二つの素晴らしいアニメに引っ張られるような形でアニメライフを過ごしてきたような気がして、ここまで全体として楽しく過ごせるというクールは本当に久しぶりだ。昔の点数づけで言えば変猫ですら9点はいくんじゃ。
何が大事って全アニメ個性があってかつやるべきことわかってるっていうところなんだよね。簡単なことなんだけど、それすらできてないアニメがいっぱいだったから。あとニャル子とかデートアライブ、アザゼルさんみたいな話題にはなりにくい中堅アニメの出来がいいっていうのも平均点上昇の理由だろうか。
今後が楽しみです!
ネタバレあります。
『聖☆おにいさん』の映画を見に行ってきました。
原作は一応読んではいるがあまりいい印象は持ってなかった。
基本的に俺はサブカル受けしてる漫画というのは好きではなく、これもまあ思ったよりサブカル臭はしなかったし内容自体はベタなギャグ漫画なのでそれほど嫌悪感があったわけではないがそれでもそんな騒がれるほどかねぇという感じが正直なところ。
しかもそれがアニメ映画化と聞いて沸いたファンはあまりいないんじゃないかな?こんな地味笑い漫画はせいぜい五分アニメが関の山で、90分の物語を作れるようなものじゃ断じてない。
ましてやその監督が高雄統子氏だ。
あの消失とアイマスの演出を担ったアニメ界屈指の物語演出をする彼女にこんな物語ゼロの原作をあてるとはどこのアホPだとニュースを聞いて憤慨したものだ。
主演も役者とミュージシャン。音楽も鈴木慶一。嫌な予感しかしない。完全に俺の嫌いな雰囲気サブカルアニメになる…まあ高雄さんの現在形を見ておくということにしようと思いながらスクリーンの前に座った。
果たして映画が終わり、考え込んでしまった。
基本的には全くもって原作通りだった。
エピソードを大きく4つに分け、基本小ネタで話を進めながら大オチで笑わせるという流れを繰り返す。小ネタの部分は地味演技地味演出地味作画で薄笑いさせるが大ネタではしっかり派手に演出してアニメならではの笑いにする。原作の良さを殺さず締まりもよくなるいい構成だったと思う。
また、まず背景の素晴らしさは特筆すべきことだろう。
精緻なだけでなく小物やアングル、撮影効果にこだわることで、まさに空気感としかいいようがないそこに居ると思わせる美しさは地味アニメである本作に絵的な華を添えていた。その感覚は消失でも見ることができて、ただ俺は京アニの進化なのかなと思っていたのだが、もしかしたら高雄さんの美学というのもあるのかもしれない。
また作画も、漫画だから許されるような微妙な表情や仕草のオンパレードである原作を忠実に再現する細やかな作画が終始続き、特に動くというわけではないが楽しかった。アニメ的な部分もかなりのレベルだったと思う。
ただ間に周辺住民との触れ合い的な妙なおセンチ話を挟んできたのはちょっといただけなかった。特に三ガキの話は視点まで変わってかなりの尺を使う癖に三流イイハナシで流れまで切ってしまっていて完全に逆効果だったと思う。何となく脚本である根津理香のせいなような気もするが…わからん。
しかし昨今の邦画のなかではかなり湿っぽくなかったといえる。原作に感動部分なんてゼロなわけだから当然だとは思うが、無理やりねじ込むアホスタッフがごろごろしてる今の日本で90分これほど原作の良さである地味ギャグに徹したことは勇敢といえるだろう。
ただそれは逆に言えば90分ほとんど話がないということでもあり、さすがにそれを手放しで褒めるほど俺もアニメに毒されてはいないつもりだ。劇場版けいおんは地上波であそこまでオフビートを貫いたからこその素晴らしさであって、同じものだとするわけにはいかない。原作ファンには全く文句が出ないだろうが、90分1800円を使わせるエンターテイメントとしてはかなり微妙なところだろう。原作を知らない人には勧められないとは思う。
まあしかし何度も言うように原作自体ただのギャグ漫画なわけだからそれと真摯に向かい合うんであればしょうがないかな…と自分の中でフォローして一人納得したその時。
星野源の曲ともにEDが流れた。
そこでなぜか俺は感動してしまったのだ。
最近かなり星野源の『エピソード』を聞いていて癒されていたので、ただその流れで曲に感動したということもある。あまり客観的理由を述べられるものではない。
ただ、何というか、けいおんと違って萌えすらなく、ただひたすらイケメンでもないおっさんが仲良く暮らすだけを90分やるという挑戦の意味をそこでようやく本当の意味で理解できたような気がした。
『神戸在住』や『よつばと』やそれこそ『けいおん』が評価され、『どうぶつの森』『トモダチコレクション』がバカ売れする今、いかに大衆が物語を必要としないのか。
逆に言えば「ただそこに在るだけ」ということに美しさを見出そうとするその試みはもう最近ゲップがでるほどやりつくされていて、正直俺は飽きていた。
そして劇場版『聖☆おにいさん』は間違いなくその系譜にあるわけだが、しかし共感薄笑いの中に湿っぽさと対極にあるベタなギャグを意外としっかりやる原作の味を決して殺すことなく120%にして表現しつつ、ドラマ性のあるコンテを書ける高雄氏が現代の潮流である日常の美しさを渾身のアニメ力を持って描き出した最後に、主人公二人とその周りを撮った特にどうということはない、だがやはり美しい映像とともに「くだらないの中に愛が 人は笑うように生きる」と歌った星野源が自身のポップネスを全開にした曲とともにこう歌うのだ。
馬鹿みたいだろう ただ笑うだろう
目の前を嘘と知って
誰かが作る 偽の心を
腹の底から信じて
インクが紙に滲んだ
涙では流れぬもの
このスタッフィングをしたプロデューサー陣(岩上氏がいたがチーフなのだろうか…今からパンフ買ってくっかな)には帽子を脱ぐしかない。
最後にまた言わせてもらうが決して褒めるようなものではないと思う。最後のほうの感想を理解できる人は少ないだろう。俺も書いてて意味が分からん。こんな意味不ポエムを強く主張する気はさらさらないし、ウンコアニメという人がいても反論はできない。
ただ、今作は涙にも笑いにも萌えにもサブカルにも依存していない。この距離感だけは間違いなく美しいと思う。
脚本家がもっと腕あればもっといい映画になったかな!たぶん!
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好きなアニメ:
パトレイバー劇場版2.瀬戸の花嫁
好きな音楽のアーティスト:
モグワイ,スピッツ
好きな漫画:
宮本から君へ,ガンスリンガーガール
好きなラノベ:
イリヤの空,UFOの夏