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冬アニメも大体折り返しということで恒例の。
1.ロボティクス・ノーツ
2.ビビッドレッド・オペレーション
3.さくら荘のペットな彼女
4.琴浦さん
5.絶園のテンペスト
今期はもうとにかくさくら荘とロボノの二強と言わざるを得ない。
回を追うごとに面白さがもううなぎ登りになっていく。明らかに2クール目から楽しめるような構成になってはいたと思うが…特にロボノ。1クールの地味さがまさに助走だと思わせてくれる素晴らしい流れ。
最近は何となくではあるがアニメ全体が1クールのコンパクトさに寄っていっている気がしていたが、決してどこぞの刑事アニメのような派手派手さに逃げることなくひたすら人物同士の関係を書き、だがそれだけでアゲてくるこの感覚はとても見てて「今のアニメだな」と思わせてくれた。
ビビオペは…うぐぅ。
1.ロボティクス・ノーツ
最新話の感想を見て驚いたのが「あきちゃんは不謹慎だ」という声がかなり多かったことだ。
といっても先に言いたいのは別に俺は「あきちゃんは不謹慎なんかじゃない!ロボを作ることこそ皆の思いであり正義だ!」と主張したいのではないということだ。
確かにあきちゃんは自分勝手だと思う。それはもちろん自覚している通りだし、さらに海くんが指摘している。そう、本人たちはわかっているのだ。
しかしあきちゃんは諦めない。いや、諦められない。姉へのコンプレックス、歴代ロボ部からの重責、巨大ロボットへの愛、みんなとの絆としてのガンツク製作…様々な理由があきちゃんに足を止めることを許さない。
ただ、今挙げた理由とは至って自分本位なものである。そのせいで怪我をした昴、息子に怪我をさせられた父親、迷惑がかかった教頭などに主張できるような理由では断じて無い。さらに言えば「上のような理由があるんだからあきちゃんを許せ」という主張は俺は間違っていると思うし、だからこそ最初書いたようにあきちゃんを許せない視聴者が多くいる。
なら俺はなぜそんなあきちゃんに惚れるのか。
それは「夢を貫くものは間違っていなくてはならない」と思うからだ。
最近夢を追い求め頑張る女の子を描くアニメが多い。どれとは言わないが言うまでもないだろう。今期だって沢山ある。そういうアニメは今かなり求められているし、俺自体そういうアニメは大好物である。
しかし俺には一つ気になるところがある。
その女の子が背負うリスクの問題である。
彼女は周りを巻き込み突き進む。立ちはだかる障害を乗り越え夢を追う。そこでは必ず何かが変わる。誰かの人生を曲げる。それがその人の本意にせよ違うにせよ、必ず誰かに影響を与え、時にはその影響がその人にとってマイナスになることもある。それが人に影響を与えるということであり、何かをなすということであり、夢を追うということである。
だが今、夢を追う女の子の周りには幸せしかないように思う。
何を為そうとも誰を巻き込もうとも誰一人不幸にならず、何も失うことなくただただ周りに笑顔が広がっていく。そんなアニメが多すぎる。
それはもちろんある意味では必要である。夢を追う少女、その輝きだけを描こうとするのであればその描き方は間違ってはいない。
しかしそれでは必ず描き方が浅くなる。障害も何もなくただ笑顔だけで突き進むような女の子に俺が感じるのは「自分勝手」の名の下に負うべきあらゆる責めを失くしたつまらないご都合主義だ。そこには確かに不幸はない。だがその代わりに棘もない。ただ笑えて萌えるだけのアニメである。
ロボノは驚くほどリアリティを追及する。高校生だけで巨大ロボットを作る可能性と不可能性について深く吟味し、出来ることだけをやらせて出来ないことは外部作用によって進め、そして本当にどうしようもないことはちゃんとどうしようもないように描く。
監督者のいないところで勝手にものを動かす。これ自体は高校生によくある勝手だ。しかしそれが巨大ロボットという高校生にはあり得ないものだったせいでこの悲劇は起きた。ロボノは高校生が巨大ロボットを作る不都合から決して逃げてはいないのだ。
それはつまり夢を追った犠牲である。あきちゃんはその信念で巨大ロボットという夢を作り上げた。高校生には身の丈に余るものを手にした。そのせいで昴は大怪我をしたのだ。そこで初めて彼女たちは夢というものの身勝手さに気づく。
俺はあの最新話を見てすぐに「猫の地球儀」の坊主の「夢とはかくも手前勝手なものだ」というセリフを思い出した。夢を追う幽のせいで楽が死んだその時のセリフである。
そしてあきちゃんはそれでも前に進むという。
その言葉の重さは今までのそれとは、他の頑張り系ヒロインのそれとは大きく違う。自分が傷ついても、他の人が傷ついても、それでも夢を追うという決意。それは非難されるリスクを負う。「自分勝手だ」と言われるのは間違いない。それでも戦うという信念こそ夢を追う者にある美しさなのだ。
夢を追う美しさが人を巻き込んでも許される正当性を与えるのではない。夢を追うというのは人を巻き込む汚さを含めて美しいのだ。そこに無自覚な正義信者があきちゃんを叩く。信念とは正義ではない。正当性なんてどこにも無くてもそれでも突き進む愚かさである。
そしてその愚かさを全て理解し、それでも寄り添う海くんの信念と愛もまた、一段と深みを持つ。
これはBD一巻冊子の原作者インタビューを読んでわかったのだが、みっちーや伊禮など大人はすべて夢を諦めた人たちだという。それを思うと今後がさらに楽しみになってくる。
アイマスのたった一年後に夢を追う者の挫折をこれほどしっかりと書いた作品に出会えるとは思ってもみなかった。
ちなみに今まで散々シナリオ(というか原作)の素晴らしさについて述べてきたが、野村和也の地味だがとてもしっかりした演出はこの心理描写が実に大事なシナリオにおいてとても素晴らしい働きをしていると思う。音楽もいいし作画もここにきてIG得意のリアルさが本領を発揮している。未だに顔は萌え絵書き慣れてないのか微妙な時もあるが、ここ最近のIGとしては稀にみる出来だと個人的には思っている。
あとはもうエンターテイメントとしてのラストだけあればいい。予想はしない。期待だけしてBDを買って待つ。これが1200枚しか売れないのはしょうがないが、全話見てなお貶すものがいるのであればそいつは馬鹿だと断定させてもらう。素晴らしい青春アニメである。
2.ビビッドレッド・オペレーション
うん。ぶっちゃけると全然面白くないね。
1、2話はすごい好きだったんだけど3話でうん?と思いつついやーでもでもあの高村監督だしぃー!とアンチの書き込みにファビョっていたが4話でうぐぐぅいやでもしょうがないしぃー!尺の問題だからこれからだしぃー!高村さんもHPで言ってたしぃー!と信じた5話で諦めました。はい。
少なくともシナリオはノリ一発の適当萌えバトルアニメ。シンフォギアと大差ない。
キャラデザかわいいしコンテも結構凝ってるとは思うんだけど…声優もやばいし。緑が有名だがさり気に青もやばくね?ていうか教官も何とも言えない。作画も落ちてきている。
本来であればベスト5にも入らない出来だが…それでも信じて2位。信じてるぞ!BD予約して待ってるぞ高村監督ー!
3.さくら荘のペットな彼女
最新話がとてもナイスだった。
とにかくこのマリーもかくやというエゴむき出し感がたまらない。これぞ青春!これぞ恋愛!これぞ少年少女の心理ぃ!という原作者の叫びが聞こえてきそうなシーンの数々。それが先行しすぎて突っ込みどころがバカスカ出てくるがもうそんなの関係ないね!そういう突っ込みどころすらも青春の一部よ!
うちの姉が最新話を見て「風香とましろが可哀想すぎて仁と空太ぶっ飛ばしたくなった」と言っていた。気持ちはとてもよくわかる。女側から見れば仁は姉をヤリ捨て妹に乗り換えたクズで空太は愛に付け込んで仕事をやらせるヒモ男である。それが男が書くとこうも美しくロマンチックな喧嘩シーンになるわけだ(爆笑)。これはあくまで予想だがマリーはこのシナリオを見て原稿燃やしたくなったんじゃないだろうか。少なくともマリーというか女には書けないタッチこじらせシナリオだ。
馬鹿にしているのではない。そここそが素晴らしいのだ。ここまで自分に酔える小説家が、吐き気のするほどむき出しにするエゴこそが今男に必要なものだと俺は思う。読み手の保護欲を満たす最強主人公だの批判から逃げたリスクゼロのハーレムシナリオではない。女や男からすら笑われ貶されるようなバカバカしいほど尖ったシナリオ。それの女版がマリーやゆゆこだったわけだが、ようやく男からそういうものを書こうとする人間が出てきたことに俺は感慨を覚える。今の男はどいつもこいつも傷つきたくない症候群の守られ体質だからねー…いいと思います。
何より話として普通に面白いし。ちゃんと続きが気になるようにできている。さすがにハチクロとかG戦場みたいな真っ黒展開は無理だろうと思うが、とにかく空太がどこまで打ちのめされるかがキモ。藤沢さんにボッコボコにされてほしい。そうやって傷ついてそれでも立ち上がる者たちを青春と呼ぶと俺は思うんだよ!ただ何かやりたいことやってるだけのアニメを青春とは呼ばないと思うんですよ俺は!わかるか吉田玲子!
ただ明らかに尺的には8巻までしかやれないのに最近9巻がでて「あー尻切れトンボ決定かー」ということで少し評価が下がってしまった。できればとらドラ方式にしてほしかったが…まあそりゃ無理ってもんですね。逆にアニメ終わったらそこから原作買うと思うな。これは結末が気になる。ラノベもまだまだ捨てたもんじゃないんだなー。一年に一つくらいいいの出てくる印象。
4.琴浦さん
覚えてる人なんてほとんどいないだろうがゆるゆり二期の評(http://u16n.3rin.net/Entry/180/)でイイハナシに見せかけてきっちりギャグにした太田監督を誉めたんだが、まさかそれがまた見られるとは思わなかった。
4話のあのシリアスからギャグの流れはどこか東村アキコを思い出した。
確かに琴浦はとても可哀想なわけだが、どこかそれが過剰すぎる印象は1話からあった。ひたすらに可哀想な人間がいい人に助けられる話というのは少女漫画の王道だし、事実俺たちは3話までそこに惹かれて琴浦さんを見ていたわけだが、しかしそれだけではあまりにも薄っぺらい。そんじょそこらのドラマや邦画と何ら変わらないただのイイハナシなわけだ。
そこであまつさえ副部長に「悲劇のヒロインごっこ」と言わせ、決して全てを解決させずにギャグで終わらせるという視点にはとても驚かされた。最後の琴浦のセリフに顕著だが、つまりこれは琴浦の成長物語だったわけだ。可哀想な悲劇のヒロインを助けてあげると見せかけて実はその被害者意識を指摘し笑う。そうやってメロドラマの嘘を暴く構図は「主に泣いています」を想起させる。
それはもちろん感動するようなものではないが、単純なイイハナシよりもずっと強度のある何とも言いようのない面白さを持つ。そしてそういう面白さをきっちり理解し、シリアスなところはちゃんとシリアスに、そこから全く甘さを残さずきっちりギャグにする太田監督の手腕は稀有なものだとも思う。この人はゆるゆりの前はみつどもえやってたんだな。道理で。
といってもやはり5話以降の普通のギャグ話にも少し物足りなさを感じてしまうのが正直なところだがまさか全編あんなNHKドラマみたいなことやってる訳にもいくまい。どうやら9話からはまたシリアスモードになるらしいし、それくらいがバランスとしてちょうどいいと思う。
個人的にはキャラデザはもうちょっとリアルな感じでよかったと思うけど、今の深夜アニメには貴重な視点を持ったアニメだと思う。
5.絶園のテンペスト
1クールの権謀術数?バトルもなかなか面白かったんだが、そこにまさかのラブコメを絡めだした2クール目の面白さはちょっと驚いた。
まずテンペストはキャラがいいなーと思っていて、ぼけっとしつつ実は頭良くていい性格してる吉野とヤンキーのくせに妹大好きな真広のコンビがすごく俺好み。そこに沢城声の男口調ヒロインに毒舌はなざーさんにナイス真面目ボケ力ちゃんまで絡んで適当に喋っているだけで笑える。
ましてやその関係性を発展させシリアスな方面にまで持っていく強引な流れは無茶苦茶ではあるんだが当然爆笑かつ爆萌えで、またこれが驚くべきことに一応それなりに筋は通っているのでそこそこにはハラハラさせられるという。
作画のクズさはこれがあのボンズの仕事かとどこか悲しくなるほどの出来ではあるが、キャラデザそれ自体は原作の女っぽさを決して殺さずさらにデッサンをよくするナイスなものでとても目の保養になるし、たまーに凄いいい立ち回りをする回があってそれも楽しい。
いやー思わぬ伏兵でした。普通に楽しいです。俺の好きなタイプのシナリオじゃないんでこれ以上の順位は期待できないだろうが、毎週楽しみに待てるのは多分間違いない。あと主題歌はあまりにも1クールのほうがよかったね!
あとは閃乱カグラがすごい好き。
エロ萌えがナイスなのは当然として、なかなかどうして普通に熱いバトルものになっててびっくり。最近バトルものといえばよくわからんクソラノベばかりで、ここまでまっすぐなものは久しぶりなのでとても好感が持てる。出来れば敵側と味方側声優交換してほしいとは思うが。キタエリ最高!
あとキューティクル探偵因幡も予想外の面白さ。確かにGファン臭は半端ないがそこまで腐押しというわけでもないしちゃんと女の子も出てくる(一人男の娘だけど!)し入野のツッコミは本当に秀逸でそれだけで楽しめる。満仲さんはギャグのほうが向いてると思うわ。まだわからんけど。
俺修羅は残念だった。あの亀井さんが萌えアニメと思って期待してたんだが…まあこれは完全に原作のせいでしょう。OPはすごい好きだよ!買おうと思ったらBD限定だよ!バーカ!
たまこまはクソ。けいおんから萌え減らして何かどうでもいいもの足しただけのアニメ。とりあえず山田尚子と吉田玲子はもうちょっとギャグセンス鍛えませんか!?もうね。クスリともできねーんですわ!ひたすらしおりちゃん目で追うだけのアニメですよ!馬鹿か!
あとはあー皆さん大好きな…なんでしたっけあれ。ラブ?ラブプラス?ラブバイブ?忘れちゃったけどあれはもうね。いいんじゃないですかね。すごい面白いですねほんと。みんなかわいいしね!作画もいいしね!3Dもかわいいしね!シナリオもちゃんと障害があってね!素晴らしいアニメですわー!非の打ちどころないわー!仲間になっていく過程が全然納得できないとかほのかちゃんの元気以外能が無いのが腹立つとか大体3話もAパートひたすらうみちゃんかわいい攻撃でフリ甘すぎるとか誰もいないんだから誰か言ってやれよとかあんだけ皆いい感じに反応してるのに来ないとか外道かよとかそれ以前に声優ゴミすぎとかもうそんなん気にならなくなっちゃうくらい最高ですねー!そういう細かいところツッコんだら負けですもんねーはいはい!にっこにっこにー♪
サイコパスは攻殻のパクリ!
そんなもんだろうか。とにかくロボノとさくら荘が最高すぎて笑っちゃう。まさかここまで期待に応えてくれるとは。あとはビビオペさえ最高だったら言うことないんですけど…きっとこれからですよね!信じてますよ高村さーん!
ニュータイプの最新号でトリガーの新作が発表された。
監督が今石氏ということ以外ほとんど発表はない(五月に続報があるらしい)が、まあいつもの面々であろう。キービジュアルも大して驚きのあるものでもない。いつもの今石作品なのだろう。
それはトリガー設立発表の時点で俺が思った危惧だった。
グレンラガン、パンストというアクの強い作品を作った後の、そのスタッフでの新会社。ああ、彼らも才能を箱庭で育てるのか。嗜好の合った同志と同じ道をずっと突き進むだけなのか…そういう予想は裏切られることはなかった。
そんな箱庭は今アニメ界のあちこちにある。
UFOテーブル、PAワークス、京アニ、古くはIG、ボンズ、ゴンゾなどなど。
特に最初の三つはアニメに詳しいものであればよく知る名だろう。そこで作るアニメのスタッフのほとんどがアニメ会社所属であり、画面を一度見ればその会社であることがすぐにわかる数少ない会社である。またそれ故社員育成にも力を入れているのか、作画や撮影のレベルは恒常的に高く、固定ファンも多い。
特に京都アニメーションに関してはもはや誰もが知る超有名アニメ会社だろう。
彼らの作画レベルはもう逆に驚くほどでもなくなってしまうほどだ。全話全カットが他会社の力を入れた回かそれ以上に動くという奇跡。またその撮影技術も業界屈指のレベルであり、背景も美しい。アニメ会社というものにランクがあるのだとしたら間違いなくトップクラスに位置する会社だ。
ただ京アニにはもう一つ他の会社と違う特徴がある。
監督までほとんど内製なのだ。
石原立也、武本康弘、山田尚子、西屋太志…この四人がほぼ全ての作品の監督を担っている。要するに京アニというのは作画や撮影、背景スタッフのある程度の集合体というよくあるアニメ会社ではなく、ワンストップサービスとしてのアニメ制作を社是とする会社だといえる。確かに原作選びに関してもある種の戦略性が見え隠れしているし、グッズ展開も自社でやるあたり制作会社の域を超えようとする意志が感じられる。
それ自体はある意味で業界として画期的なことだとは思う。俺も今のような歪んだ制作現場を放置すべきだとは思わないし、雇用者としてのアニメ制作会社はもう少し労働環境を整えていくべきだろう。
だがそんなクリエイター側の視点ではなく一視聴者として、今の京アニが魅力的だとは思えない。
なぜかといえば単純で、その体制ゆえである。同じ人間が集まって作るとなれば確かにその品質は保証されるだろうが、逆に言えばどうしたって同じような作品しか作れないのは当然だ。
むろんシナリオに関しては全く違う題材を選んで多様性を作ろうとはしているがそのチョイスも先述したようなトータルコーディネートという社の方針からやはり一面的になっているし、何より演出に関してはもうどれも同じと言ってしまえるレベルだろう。
それがよく分かる形で現れたのが「たまこまーけっと」だ。
話の平坦さ、あくまでかわいさとギャグを主体とした話作り、女子的なキャラ作り…それはどれもけいおんで作り上げた方法論であり、絵作りもほとんど一緒だ。
彼らはけいおんとの差別化として商店街との触れ合いを入れ、けいおんのような萌豚に強く寄ったものではなく、それこそNHKの夕方アニメのような誰でも楽しめる作品にしようとしているんだろう。
だがそれは失敗といえる。いや、本当に夕方アニメを今の深夜アニメよりも楽しいと思えるような人からすれば大成功だと言える(しかも悲しいことにそういう人間は実在する!)だろうが、今の深夜アニメを見る多くの層はそう思わない。差別化のために押しやられ減った萌えを必死に吸出し何とか楽しむのが関の山だ。もちろん俺も例外ではない。
それはつまりつまらないクリエイターのプライドに囚われたけいおんスタッフ陣が間違えた形で売れ線から逃げた末路であり、さらに言ってしまえばヤマカンでありフラクタルである。
そしてそれが許される状況になってしまうのが最初に書いた箱庭の恐ろしさなのだ。
明らかなエゴ、作る本人以外誰も求めていないものをオリジナリティの名のもとに作り得てしまう恐怖。才人がその才能ゆえに周りを黙らせて独走してしまう悲劇。
アニメとは複合体である。特に今のアニメは監督一人の美学によって作られた作品はほとんど無い。それが多様性を生み、強度を生み、エンターテイメントとなる。
だがそれは時として商業製品を生む。誰でも作れるつまらない大衆迎合作品になる危険性を孕んでいる。それを作る苦しみはクリエイターの声に耳を傾ければ嫌というほどわかる。
そしてその苦しみに耐えかねた人たちは自分の箱庭を作る。同志だけで集まったスモールサークルオブフレンズ。そこには否定される恐怖はない。大衆の声を強要してくる人たちもいない。自分の作りたいものだけを作ることのできる楽園である。
もちろんジブリやグレンラガンのようにその箱庭で守られたエゴが時代に受け入られることもあるし、エヴァのように箱庭の人たちにしっかりとしたバランス感覚がある場合もあろう。箱庭製だからクソだというわけでは決してない。
だが得てして独りよがりになるのが創作の怖さである。どれだけ自分にバランス感覚があると自負していても、決してエゴだけの作品を作らないと誓っても、同じ人間と集まって作っていくうちに必ず段々と自家中毒に陥っていく。それは歴史が証明している。
GONZOが今何をしているか知っているものはいるか?ボンズの最新作は「絶園のテンペスト」である。そこに旧来のボンズにある輝きはもうない。IGの作る「サイコパス」その最新話の殴り合いシーンを見て笑ってしまった。あんなへなちょこな喧嘩シーンしか書けなくなってしまったのだ。IGは!
例え今は輝きを放っているとしても、時が経てば必ずその輝きは失われるだろう。ufotableも京アニも似たような作品しか作れないようになっていき、「あーそういうのねはいはい」と見捨てられ、次第に縮小再生産を繰り返すようになるだろう。まさに今そうなりかけているし。
そしてトリガーも間違いなくその末路を辿る。俺には彼らがグレンラガンのような作品以外作れるようには到底思えない。もしくはパンストのような飛び道具だけだろう。一人だけ恐ろしいバランス感覚を持っていた錦織敦史はトリガーに入らなかった。それはとても明示的に思える。
実は京アニにも一人そんな人がいた。高雄統子である。
消失のコンテにあった繊細さや力強さはもしかしたら京アニに新しい光をもたらしていたかもしれない。少なくともアイマスのコンテは山田尚子には決して描けないドラマ性があった。彼女が抜けてしまったのが悲劇なのか、それとも抜けてしまう必然があるほど京アニの硬直は進んでいるのか、それはまだわからない。
少なくとも俺は今の京アニやトリガーにヤマカンを馬鹿にする資格はないと思う。
俺が今一番注目しているアニメ会社はA-1Picuturesである。
別に何か特別な人脈があって形成された会社ではない。所属しているアニメーターも大した人はいない。監督の色によって何色にも染まるよくあるアニメ会社である。
ただ一つ言えることは金があるということである。
上にはアニプレがある。金に物を言わせてアニメ界をリードするアニメ配給会社である。その下にあるということはつまりつまらんエゴに走らせることを断固として許さず売れることを第一義とする拝金主義があるということだ。
それは重要である。今のようなアニメバブルのおいて未だ商品を作るという考えがきちんと根付いたクリエイターは少ない。そこにおいてしっかりと手綱を握るということはとても重要といえる。
また当然拝金主義ということは金があるということであり、それは当然才能ある人を引き寄せ、潤沢な人員をもたらし、クオリティを底上げする。A-1作品の作画平均はとても高い。
それはもちろん金による工業的な利点である。旧来の有名なアニメ会社のような人脈と才能による美術的な利点とは真逆に位置するものである。前者に魅了されてきた古いタイプのアニメファンはきっとA-1を笑うだろう。金があるだけのつまらん会社だと。
しかし今アニメはポップカルチャーであり、何よりアニメを作るには莫大な金額が必要になる。そんなものを作るにあたって金を考慮しないなど有り得ない。一部の才人たちによる仕事だけを楽しむような人種においてはどうでもいいかもしれないが、数あるアニメのその平均を楽しみたい俺のような人にとって金の問題とは大きな問題である。そこを解決している会社というのはとても魅力的に映るし、実際A-1は多くの人を魅了している。
アニプレにおいて大事なのは岩上氏や鳥羽氏のようなアニメをきちんと知っている企業人がいるということである。だからこそまどマギのような作品をプロデュースできるし、錦織監督や高村監督のような素晴らしいバランス感覚を持った人をきちんとフックアップしてオリジナル作品を作らせることができる。アニメをよく知る配給側と商売をよく知る制作側、言い換えれば作る側のことを知り、情熱をもって接することのできる売る側と、売る側のことを考え、何よりその先にいる視聴者のことを第一と考える作る側のタッグがあってこそ、決して一面的でなくかつエゴもまたしっかり持ったアイマスやビビオペのような作品が出来上がる。
ビビオペはまだわからないが、きっと楽しい作品が出来上がると信じている。俺は早く錦織監督の続報が聞きたい。そして高雄氏の作品が見たい。なぜか聖おにいさんとかいうクソ漫画やらされるそうでとてもかわいそうだ。そうではないしっかりとしたオリジナルアニメを作ってくれる日を心から待ち望んでいる。
アニメの未来は京アニやトリガーではない。A-1にある。そう信じている。
どうもu16です。
おかげさまでブログがついに1万ヒットを超えました(いや実は先週の時点でもう超えてたんですけどね。サマソニ第三弾発表で盛り上がってそれで記事にしちゃいました)。
というわけで今回は、まあ大したことないですが1万ヒット記念ということでブログ三年間の歴史を振り返ってみようかなと。
…といっても実はリピーターさん自体ほとんどいないのが現状なわけですが。
今は大体1日30~40PVというところで、リピーターさんはそのうち一割強。そのうち5人ほどは身内なので知らない人で定期的に見ていただいているのは片手で余るくらいというものでしょうか。そりゃクソ長い文章だけの週一更新ならそれでも身に余る話ですが。
ページごとのヒット数は上から五つがある限られたオタク系ページ、そっから下はディスクレビュー関係が続く感じで全体としては音楽関係のほうがヒットは多い印象。個人的には毎クールアニメベスト5がヒットしてほしいんですがあんまりヒットはしてませんね…悲しい。
とまあ現状確認はこれくらいにして言った通りまずこのブログを始めたきっかけから。
といっても結構うろ覚えなんですが、確か始める少し前に友人とサークルを作ったんですね。
それ自体はものの見事に空中分解したんですがそのサークルのページを作るときに忍者ブログさんに登録して、それもったいないなーと思って暇つぶしに始めたのがきっかけ。
最初は音楽を主体に毎日更新で適当に書いていこうかなと思っていたんですが、ブログをはじめて半年後くらいにツイッターも始めたのが運のつきで、ただでさえ書くことがない毎日に日々思うことはツイッターのほうで書いてしまうのでどんどんブログの意味がなくなってきて、たまーにいいCDを買ったとき感想を書くくらいの存在になってしまいました。
しかし段々文章を書くのにも慣れ、元来くだらないことについて延々考えまくる癖もあるせいで必然的に文章量が膨大になり始め、一年くらい経った時には今の毎週末にやたら長いコラム的なものを書くというスタイルに落ち着きました。
といっても最初は雑記としてぱっと思いついたのをグダグダ書いている(今もですが)のが主体だったんですが、そうじゃなく定期的に書くような記事である毎クールアニメベスト5を書くようになったのは友人のRがきっかけ。
2010年秋にスカイプでRと今期何が面白いか?という話になり、そこで二人で一つずつ比較してランキングを作った(http://u16n.3rin.net/Entry/80/)んですが、あーこれ面白いなと思って毎クールこれをやっていこうと思ったんですね。アニメ感想サイトってだいたいキャプ絵貼り付けてあれがかわいいこれがかわいい来週はどうなるんだろみたいな本当に感想だけで終わるところが多く、きっちり作品の評価をして優劣つけるっていうのはないかなーと思ったので。最近色々調べてみたらそういうサイトもあったけど信者の炎上に懲りてやめるケースが多いらしいですね。そこら辺うちみたいな弱小ブログは気楽です。
んでそのベスト5と思いついたときにアニメ作品単体での評価文、いいCDを聞いたりライブにいったらツイッターに乗せるには長すぎるくらいの文章でちらっと書く程度という流れで言ったのが2012年秋まで。何で最後のをディスクレビューっていうものにしたかというと、言いたいことがアニメ方面ばかりになるせいでどんどん音楽要素が減っていってしまったので、ベスト5のように定期的にやるものを音楽でも作ったほうがいいなと考えまして。今では明らかにディスクレビューの方がヒット多いんですけどね…。
毎日のヒット数としては最初は1人来るか来ないか、2011年には5,6人、2012年になると一応10人前後といったところでしょうか。もちろん先述した身内含めですが。
それが激変したのが2012年秋。エヴァの記事とエクシリア2の記事を書いた時です。
何と一日330PVという今までのこのブログからは考えられないヒット数が出たときはさすがに感動しました。グーグル検索で数あるエヴァ考察ブログの中でもそこそこ上位のほうに来ましたし、身内以外からコメントをもらったのはこれが初めてです。まったくありがたい話で。
ただエヴァの方はすぐ落ち着いたんですがエクシリア2に関しては結構長い間ヒット数を稼いでくれたのは印象的でした。やっぱり固定客のあるシリーズ物ゲームは違うんだなぁと。
この二つのおかげで他のページも検索エンジンで上位に来るようになり、最初に書いたようにまあブログを続けるモチベーションになるくらいには人が来ていただけるようになりました。
といってもほとんどはチラ見するだけですし見てほしいページと来るページに乖離があったりでまだまだ課題はたくさん…というか一日数十PVごときで課題云々いうことすらおこがましいのはわかってるんですが、自分の中で三年も続いたものというのはほとんど無い上始めたとき友達に「1000ヒットいけばすげーわw」くらい言われ自分としてもそのつもりでやっていたのでやはり感慨深くもあります。
といっても別にヒット数が増えるように記事の書き方を変えるつもりはありません。いつも通り死ぬほど読みにくいクソ長文でうだうだ書いていくだけです。
ランキングもやめませんしクソアニメはボロクソに叩きます。ネットを見てても書いたようにただの感想を上げるだけか何かよくわからん視点で謎考察してるかのどっちかしかないように思えます。あとはその集合体としてのまとめサイトか。
もちろんそれぞれに存在意義はありましょうが個人的には普通に面白いつまらないを判断してそれを面白い順に並べてその理由を書くというサイトがもっとあってもいいと思いますし、このサイトもそうありたいと思います。もちろんその意見はとても偏ってるでしょう。大手サイトの方のようにニチアサからOVAまで全部チェックなんて恐ろしい所業をしているわけでもありません。深夜アニメもクソはガンガン切ります。今季は俺修羅すら切ります。それはある意味で偏見だと言えます。全部見ないでクソだと切り捨てるわけですから。
ですが当たり前の話このブログは金もらってやってるわけではありません。いや欧米の音楽評論じゃあるアーティストの広告記事の隣にその作品をボロクソに叩くレビューが載っていたりしているのです。だというのに日本じゃ金もらってすらいない一ファンがなぜか周りを気にした感想ばかり書いています。それをしないのはたった一つ匿名の2chだけです。しかし2chはもちろんその言論に責任を持つ人間は一人としていません。
だからこそきちんと名前付きでクソアニメをクソと言う人たちが必要だと思うのです。これほど情報が集約整理される今こそそれは必要です。本来であれば雑誌媒体がそれを為すべきですが残念なことに今のアニメ雑誌はピンナップ集かインタビュー集のどちらかしかありません。であればいわゆるブロガーがそれに代わるしかない。
もちろん俺はブロガーですらありません。一日ウン十PVの弱小サイトが偉そうに語る愚かさは重々理解してるつもりです。未だけいおんは萌豚アニメでありスト魔女もアイマスも一部の好事家のものであり続けています。このブログの影響力などそれこそそこらの感想サイトや謎考察サイトにすら劣るゴミクズレベルです。
ただそれでも書くのを止める理由にはなりません。一応数十人の目には留まるわけですし、何よりこんな掃き溜めみたいな感情のやり場は他にありませんから。ツイッターじゃ明らかにうざいし友人に話すのも限度があります。暇つぶしとしてこれからも書き殴っていく所存です。
もしその書き殴りに共感したらその旨コメントに書いていただけるとありがたいです。ムカついてもその旨書いていただけるととてもありがたいです。
今年から社会人なので更新の頻度が減っていくかもしれませんが、意地でも続けていく所存なのでよろしくお願いします。
最後にこのブログの記事を書くネタをくれた三人の友人、Rとあずれと竹生に謝辞を。
特にRがいなかったら絶対こんな長文を書くサイトにはなっていなかったと思います。ありがとう。
サマソニがアーティストを発表。
個人的にまず第一弾でビビッと(見てるよな!国民の義務!)来た。
といってもMuseとMetallica…ミューズといえば中二丸出しバンド、今更メタリカというのもよくわからん…というのが一般洋楽リスナーの感想な気もする。
だが、俺はここから清水さんのコンセプトが何となく読み取れた。
そしてそれは第三弾のLinkin Parkで確信に変わった。そのコンセプトとはヘビーさである。
浮ついたへなちょこロックに飽き飽きした清水さんがサマソニこそ重低音に染めるべきと信じ、よく言われるような2006年の再来とばかりにあの頃の爆音ロック勢を呼び戻したのではないか。
それは俺の個人的流行ともリンクした。ヘビィでラウドな中二病ロックが聞きたい。バカみたいなキックとギーギーいうベース、アホみたいなディストーションギターとシャウトが放たれるスピーカーの前でモッシュしたい。
といっても売れ線バンドだけで終わらせるつもりもない。それが第二弾発表でのJake Buggでの意思表示だろう。表で爆音、裏で小粋。それこそ表でメタリカとリンキン裏でScritti PolttiとMassive Attackをやった2006年と同じである。決してラウパにするつもりもない…そういう気合も感じ取れる。
もう今年はサマソニ確定である。というわけでその勢いで今年のサマソニを予想してみました。
最初はてけとーに思いついたのだけツイッターに書こうと思ったんだけど考えるうちにどんどん膨らんでいって、最終的にはサマソニの過去ラインナップ調べたりここ最近のロッキンオン引っ張り出してまでの大予想になってしまった。
といってもまあよくある予想ではあると思うが…まずは鉄板から。
Arctic Monkeys
Asian Dub Foundation
HADOUKEN!
Kasabian
The Prodigy
Tame Impala
Grizzly Bear
ねごと
サカナクション
まずアクモンは100%来る。つか来い。
メタリカリンキンミューズときてアクモンが来ないとか許さねーから。メタリカもアクモン好きらしいし。メタリカフェスにも出てたし。ジェイクバグもアクモンと近いらしいし。ていうかはよあのシングル生で聴かせてくれや!フジでも見たけど客が妙にスカしててつまんなかったんだよ!やっぱソニックとかマウンテンくらいがいいと思うんだよ!もう二回呼んでるわけだし!頼むわ!
ADFはまあ…フジかなー。いやフジだと思うけどあえてここでね。Primal Screamも去年来たやん?頼むで!最近フジにも来てないし!どっちかっつーと都会の方が合いそうな音楽っぽいし!コンクリの上であのミクスチャーロック頼むで!
ハドーケンはEMD流れで何か海の向こうでそこそこウケてるようだ。日本では微妙だがだからこそ今!昔呼んだよしみでもう一回!来るとしたらダンスステージトリかソニマニか…。
カサビアンはもうね。毎年鉄板ていうかね。カサビアンのライブは欧米フェスの中継見ていつも楽しそうだなーと思うんでお願いします。"Vlad the Impaler"聞きたいっす。
プロディジーは…難しいとは思うんだが。もしブッキングされてたらとっくに発表してる気もするし。特に新譜出してないし。ただ最近来てない気がするしそろそろいいんじゃ…ソニマニあたりで。やっぱこういうメタル寄りのクラブアーティストはサマソニに合うと思う。
テームインパラとグリズリーベアーは鉄板というほど可能性高いとも思わないけど、どっちも昔サマソニに出て(特にインパラはEPしか出してない段階で)今結構評価高いってことでソニックの中盤あたりに来そうな予感。インパラはかなり固いと思うな…グリズリーベアーは来てもフジか単独な気もするしていうか新譜まだ聞いてないけど来たら買うよ!だから来て!
邦楽はまあどうでもいいかもしれないけどこの二組はかなり売れてるし昔サマソニに出たのにまだいい位置で来たことないので今年来るんじゃないかなーと。サカナクションはアイランドステージトリもあり得る人気だけど個人的にはソニックのトリ前とか頑張ってやってほしい。行かないかもしれないけど。サマソニそういうKYブッキング好きだし。
というわけでかなり自信がある予想を書いてみました。
次は来るかなー?来そうだけどなー。来てほしいなー。というレベルのものを。
The Killers
Rage Against The Machine
Sound Garden
Bruno Mars
Queens of The Stone Age
Massive Attack
The Fratellis
The Klaxons
Enter Shikari
The Qemists
Two Door Cinema Club
Deadmouth
65days of Static
The Rapture
Sleigh Bells
The xx
Foals
Iceage
Death Grips
Major Razor(Diplo)
The Shoes
Mutemath
The Mirraz
8otto
andymori
The telephones
電気グルーヴ
上二つはねーだろうな!とは思うが来てほしいな!という思いも強いので。
来てもフジだろうな…特にキラーズはフジが毎度ブッキングしてドタキャンして繰り返してると思うのでサマソニになんか来たら大騒ぎだわ…ていうか発表されても来ねえ可能性大。レイジも今年はフジの噂だし何よりこんな大物隠さないだろう。まあ期待するだけならタダなんで。
逆に次の二つは結構可能性高いとは思う…が正直来てほしいとは思わない。サウンドガーデン来るならAudio Slave再結成して…と思うのは俺だけかなやっぱ。ブルーノマーズは「夏に行くよ!」って言ったらしいし固いのでは。やっぱりどうでもいいけど。
QOTSAも今年のサマソニの色にはぴったりだが…去年ブッチしたしなぁ。サマソニ来る暇あるならフジ行けよ感ある。
マッシブアタックはかなり鉄板では?うーん新譜とか出してないんで難しいとは思うがフジで見たライブがすごい良かったのでかなり来てほしい。まさにRemember 2006!行ってねーけどね俺!
フラテリス~デッドマウスあたりは結構妥当な線だと思うんだがどうだろうか。来たことあるし最近来てないし。フラテリスは再結成したらしいからぜひフジかサマソニどっちかには来てほしい。エンターシカリも意外と最近サマソニには来てないんだよな…驚いた。どう考えてもサマソニっぽいのに。もしくはソニマニ。クラクソンズもケミスツも存在感薄いけど同じような感じで来てほしい。クラクソンズはそろそろ新譜出すらしいし
デッドマウスなんて売れる前にブッキングしてシカトこかれたんだぜ。今こそ来いよ!スクリレックスはフジにやるから!
65さんはもう常連ですしね。来て!
ラプチャーは2006年に来てるし最近来てないし。いいんじゃないすかね。どうでしょうかね。
スレイベルズやxxはアルバム出したのでフェスに来そうという単純な発想。スレイベルズはさっき言ったヘビィさにぴったしなのでぜひ来てほしいが最近来日キャンセルしたらしいんだよな。無理かな。
フォールズとアイスエイジも来年新譜だすので。アイスエイジは一昨年来たから難しいかな…今年はフジ!とか言いそう。フォールズも二回ともフジだし。まあフォールズはともかくアイスエイジはぜひ来てほしい。
デスグリップスは無理かな。怖すぎるか。OFWGATA的な感じでありかと思うんだけどこういうエグい系はフジの印象もあるなぁ。微妙。
メジャーレイザーもフジかなぁ。何かフジ予想みたいになってきたな。でもこういうアゲアゲアーティストは絶対サマソニのほうが合うと思うんだよなぁ。ソニマニとか。何がダメなのかしら。
シューズとミュートマスは過去のサマソニ見返して「あ、こんな奴いたな」と思ってなんとなく入れてみた。二人とも最近めっきり話を聞かないが…シューズは初サマソニの初アーティストだったのでぜひ個人的に来てほしい。
邦楽勢は昔サマソニのオープニングアクトやった人たちが売れ始めてて、そういう意味じゃサマソニってすごい見る目あるんだけど(ねごとやサカナクションもそう)、ただ逆にミイラズもアンディモリも一昨年来たからなぁ。テレフォンズは最近連続じゃねーか?だから逆に来そうだが。オットーはスマッシュとベッタリだし。いや気持ちはわかるけどさ…ミイラズとアンディモリとオットーどれか一つは来てほしい。
電気は最近精力的だし去年はフジだったから今年あるかな?と2006のInkと2005の電気×スチャダラを見て妄想。まあでも無理かな…ソニマニとかなら有り得そうだけど。最近マイ電気ブームが来てるのでぜひお願いしたい。
というわけでそこそこ来そうなアーティストを挙げてみました。
最後に来ねーよ!わかってるよ!わかってるけど一応ね!的なアーティストを。
Eminem
Justin Timberlake
drake
M.I.A
How To Destroy Angels
Daft Punk
Justice
Factory Floor
James Blake
The Draytones
120days
UVERWORLD
Nothing's Caved In Stone
Vola & The Oriental Machine
初音ミク関係
Killer Mike
The Joy Formidable
Wolfmother
Lou Reed
エミネムとか来たら完全に祭り。100%ねーけど。
ティンバーレイクも最近活動再開したけど…まー無理だろうな。すげえ来てほしいけど。SexyBack聞きたいけど。
ドレイクとMIA、HTDAはまさに微レ存だが…無理だろうなぁ。やっぱ大物はある程度以上は「もう発表してるはず」という論理で封じられるよね。でもNINのラストライブはサマソニだったわけだしコーチェラにでるし…無理か。ダフパンも結局噂だったし。
ジャスティス、ジェイムスブレイク、ファクトリーフロアはそこそこあり得るけど(最後はあり得ないか)何よりもまず去年フジで来たっていうのがネックで無理だろうな。JBとか超来てほしいけど無理だろうな。ジャスティスとか超盛り上がるだろうけど無理だろうな。ソニマニでも無理だろうな。うん。
ドレイトーンズと120デイズはサマソニでよくある謎新人枠のメンバーで今でも俺がそこそこ好きなバンドなので挙げてみた。まあ二組とも今何してるのかさっぱりわからんが…120デイズは2ndだしたらしいけど。来ねーだろうな。
邦楽勢としてはむかーしオープニングアクトででたウーバー様がまさかのリンキン前で降臨なされる可能性が…いや無理だろうけどちょっと生で"クオリア"と"Core Pride"聞きたい衝動がある。
逆にNCISはサマソニ超常連なんだけどさすがに去年来たからムリカナ?ムリダナ!でも期待したい!生で"Sprit Inspiration"聞きたい!
ボラはね…最近活動めっきりしてないからね…2009サマソニでその素晴らしさを知った自分としてはぜひ見たいんだけどね…ていうか今のとんがりまくったアヒトさんがこんなチャラフェス出るとは到底思えないという。ロッキンオン系でも出ないし。ぐぬぬ。
ミク様はあり得ると思うんだけどなー。パフュームにも少女時代にもケツを振れる清水さんなら全然余裕だろ。まあでも本領を見せるにはハードでもソフトでもあまりにハードルが高いからよほど本気でミク様出す気がないとロキノンフェスのようにミク縛りDJにミク絵のVJつけるお茶濁ししかないんだよなー…さすがにそれは意味がない。かといって本気でミク様出すならマジソニッククロージングとかの奇跡しかないわけでそれはやっぱ無理…かな?チラッチラッ
次の三つはまあ今俺がはまってるからというそれ以外の理由は何もないんですけどね。ええ。
ルー様はメタリカとのコラボがあったから召喚して!というツイートを見たので。そのアルバム聞いてもないけどね。
というわけで挙げてみました。まあこれだけ挙げればいくつかは当たるでしょうけど。
フジは半分がお馴染みだし残りのうちの半分も予想するだけ無駄な謎民族バンドだし何より全体の方針が決まってるので安心できる代わりに予想する面白さはない。
だがサマソニは毎年毎年結構方針が変わる。クラブ寄りだったりメタル寄りだったり懐かし系だったり。そして何より時代と寝る覚悟があるのが素晴らしい。ももクロを出せるその尻軽さは間違いなく驚嘆に値すべきものだと俺は思う。
もちろんそのせいで迷走する年もある。KY過ぎる流れもできる。だがそういうのを含め楽しめる多様性というか雑種性こそロック…いやポップミュージックの楽しさではないか。
確かにフジは素晴らしい。あれほど大きなフェスであそこまで時代に流されない、筋を通したラインナップをすることもまた勇気が必要なことである。またインディ関連はやはりフジが一歩上だと言わざるを得ない。正直去年アリバイ作りのようにブッキングされたSt.VincentやGrimesはかわいそうに思えてしまった。そこはちゃんと流れに沿ったインディアーティストを入れるなりポップに振り切れるなりすべきだっただろう(そういう意味で今年のヘビィというコンセプトにぴったりなインディアーティストのMars Voltaが解散に近い状況になってしまったのはとても悲しかった。もしその報が無ければアクモンの上に挙げていたのに)。
ただそのバランスの不安定さこそがまさにサマソニの魅力である。ミクがフジに出る可能性は0%だろう。だがサマソニなら1%の可能性がある。その差は大きい。固定されないダイナミックなフェスとして俺はサマソニを支持する。今回の予想は大外れかもしれないが、それでも今年はサマソニに行く。それがフェスそのものの良さというものだろう。
基本的ににわかですが許して。
1.じん(自然の敵P)
はい出ましたニワカ乙ーと思われそうですが色々考えてるんだって!
最近ボカロについて思うことがあって、それは「ボカロって何が大事なんだ?」ということ。
そりゃ曲だろというのはそれこそニワカである。はっきり言おう。曲ではない。
曲ももちろん大事な要素ではあるし曲単体が好きでボカロを聞く層があるのも事実だが、ボカロにおいて有名になったりよく聞かれたりするPにはある特徴がある。といっても他でもよく指摘されることなのだが、要するにそこに物語があるのである。
ボカロでは何とCDの特典でその「曲」の設定資料集が付いたりする。曲である。何じゃそりゃと思わずにはいられないが、もう今のボカロ曲のうちよく聞かれているものの半分…いやそれ以上がその曲に物語が込められている。試しに動画説明欄を見てみるといい。必ずといっていいほどそこに「歌詞にどういう意味があるか」なんてメッセージが載っている。
わざわざYoutubeでなくニコ動を貼ったのにも訳がある。
注目すべきはコメ欄だ。まーひどい。曲に合わせてコメントするなんてかわいいもんで、その曲の解釈について喧喧囂囂論議したりしている。何という痛さだろうか!だがこの痛さこそボカロの本質である!
思い出してほしい。今をときめくsupercell、その名曲"メルト"の動画説明欄を。
「「恋と戦争においてはあらゆる戦術が許される」 歌詞2発めです。最近違う自分が開花していくのがわかる・・」
これはひどい。今じゃ気取って一作曲家ぶっているが初期はしっかり痛いボカロPだったのである(いや別に今だって十分痛いとは思うけど)。
ブラックロックシューターの謎のマルチメディア展開もその痛さに共鳴した信者たちの暴走としか言いようがない。アニメ化までしたのだ。とんでもないことである。
その後にヒットしたPたち…wowaka、ハチなどなど全て何とも言えない痛さがにじみ出ている。もちろんDECO*27や八王子Pなどその限りではない、楽曲勝負のPもいる。だが信者がつく…つまりそのアーティスト性に価値を持つPは少なくとも俺の知る限り痛さ爆発させている人ばかりだ。
その現在形がじん(自然の敵P)である。
曲としてもナンバガ的なギャリギャリギターに性急なリズム、マイナーコードに文字数の多い歌詞とボカロの流行に沿っている。メロのよさや細かい楽器の鳴りなどは凝っている辺りさすが人気があるだけあるなとは思う。
だが何よりもその歌詞である。
もはや解釈どーの言うレベルではない。ほとんど一つの短編である。かといってわかりやすいオチがあるわけでもなく不条理、ループ、夏、閉塞性…ラノベやエロゲからの影響も伺える時代性のある物語だ。まどマギの影響などというのは無理やりとも思うが、この曲が若いオタクの心をつかむのはとてもよく理解できる。
そう、俺が他のナンバガフォロアー痛Pとじんを差別化する理由はそこにある。
しっかりとした物語と時代性のバランスとでも言おうか。
ブラックロックシューターの地上波アニメは成功する確率があったと思う。原曲は少し古いが未だに人気だし、制作陣も決して能無しではない。予算も潤沢にあったように見えた。だが結果は見ての通りどうしようもない痛いだけのアニメに終わり、売り上げも惨憺たる有様となった。
何故か?
理由はいくつもあろうが、俺はやはり「ブラックロックシューター」というコンテンツ自体の中身のなさ故だったと思う。
原曲の歌詞自体も抽象的すぎたし、キャラを確立した絵師も何か物語を考えたうえで書いたわけではなかった。そのせいで結局シナリオは岡田磨里のエゴを爆裂させたものにならざるを得ず、原作?信者の支持を勝ち取ることができなかったのではないか。
だが「カゲロウデイズ」は違う。
調べてみると、どうやらこの歌詞はある大きな物語の一部であり、他の曲とも世界観がリンクしているらしい。そしてその物語は最近小説となってかなり売れたという。
ちなみにずっこけられそうだがその小説は買っていない。あらすじを読んだが…デュラララとエロゲに影響されたワナビというか、まー難しいところだった(小説は体質的に合わないし…)。ただ漫画はちょっと欲しいなと思っている。
いや、その出来は問題ではないのだ。大事なのはコンテンツに中身(面白い面白くないではなく話がある)があること、そしてそれが支持されているということだ。「ブラックロックシューター」のようなイメージとキャラのみの産物ではない。もちろんイメージ先行な部分もあろう。曲しか聞いたことのないファンも沢山いるだろう。だがそれがアニメ化するとなったら?しかもそれが原曲者の考えた話を忠実に描いた歌詞通りのアニメだったら?それを支持しないというのであればそれこそファンではなかったということだろう。
物語性が重要なボカロ界で、今その先頭にいるのがじんである。他の曲もいくつか聞いたがどうやら音楽的素養も結構あるようだし、ボカロで生きていく心意気もあるように見える。彼の行く先はボカロ界のそれを左右すると思う。ぜひ注目していきたい。
い、いきなり長くなってもうた…。
2.ATOLS
あくまで自分なりの区別ではあるが、ボカロ曲は大きく二つに分けられる。
ロック系とクラブ系である。
ロック系とはそれこそさっき挙げたじんのような、ギターとベースとドラムで鳴らすバンド形式の曲だ。やたら早いリズムだったりディストーション効いてたりと正直何だか似たような曲が多くあまり音楽的には楽しくないが、ランキングではかなり多くの割合を占める。さっき言った痛いPは大体こっちである。
一方クラブ系は何故かダブステの影響をかなり受けた楽曲が多い。ベースやキックの効きも素晴らしくエディットもやたら凝っていたりと本当にそこらのEDMのような曲が多く、かなり音楽的には面白いと俺は思っている。
そこには訳がある。
よく言われる「プロの犯行」というやつである。
つまり宅録でDTMとしてアーティスト活動をやっていた人が暇つぶしにボカロで曲を書いてみたらやたら評価されましたということだ。確かにクラブ系のアーティストであればボカロを使うことは造作もないだろうし、ロボット声を使う抵抗もあまりないだろう。
さて、ここで議論すべき問題が一つ起きる。
そういうものをボカロ界に含めていいのだろうか?
そりゃ当然音楽的にはアマチュアよりずっといいものができるだろう。プロであれば機材も高いものが使えるし、曲作りの知識も経験も豊富だ。音楽としてみてとてもレベルの高いものが作れるのは当然といえる。
だがそれはただの暇つぶしである。それで食っていく気は…まあ売れたらあるかもしれないが基本的にはないだろうし、何よりボカロ界に魅力を感じてその一員となろうという考えは決してないだろう。単純に流行っているからボカロで曲を書いて、小銭を稼げたらそこまで。そういうアーティストを「ボカロ界の実力者」的な扱いをしていいものか?
難しい問題である。曲がいいのは間違いないし、動機が不純だからといってアーティストとして非難すべきかどうかも難しい。大体にして本当にボカロ界に魅力を感じてボカロ曲を書いているPが何人いるのかという話だ。
ただやはり自分としてはそういうのはボカロPとみるのは違うと考える。今のようにボカロというだけで注目される現状だからこそその線引きはしておかねばならない。
そしてその線引きの基準は、やはり「痛い」かどうかだと思う。
さて、前置きが長くなったがそこの境界線上にいるのが彼、ATOLSだ。
最初はエレクトロ系のアーティストとしてCDも数枚出したが、最近になってボカロ曲を作りニコ動にアップするようになった。まさに上でいう「プロの犯行」だ。
道理でその楽曲のレベルたるや半端なものではない。上で張った"ワンダラーズ"などもはやミニマルテクノの域にすら達している、他の曲もIDMとダブステを強く感じさせ、その音楽的素養の高さはボカロ全体でも屈指のレベルだろう。
しかしそれだけでは上の通りただのお遊びである。彼を取り上げた理由は他にある。
明らかに自分なりの世界観…誤解を承知でいえば物語があるのだ。
単純な歌詞の意味でも"バベル""エデン"などは言葉選びに情景描写があるし、それこそ"ワンダラーズ"も「あふれる世界で」というワードをリフレインさせるとさせないでは意味合いが全く違う。あくまで断片的、イメージを想起させるレベルに留めてはいるが、そこに独自の世界観があるのは間違いない…言うなれば「痛い」。
一部で有名になった「イルカの夢でさようなら」というまあ言うなれば恐怖サイトの作者だという噂があったり謎の19秒のアニメ動画を挙げたりと、決して表現を曲だけにこだわらない姿勢はボカロという文化と強くリンクしていると思う。
もちろんそれだけで彼がボカロ界に身を置くという断言はできないが、何よりもまずそこそこ人気があってかつ普通に素晴らしい曲を書くという時点でボカロ界ではかなり貴重である。かなり楽しみなPの一人である。
3.monaca:factory
王道、変化球ときてまあ普通な?Pを。
音楽的には相対性理論やくるりなど邦楽の良質な部分に影響されたバンド寄りのポップス。音の鳴りはいいしセンスもかなりよく、いいアーティストである。歌詞もバカみたいにわかりやすくもなくかといってイミフでもなく、微妙にセンチメンタルなところもあり好みな感じ。
つまんないっちゃつまんないんだけど、妙に痛いだけがボカロじゃないんだねという証明とでも言おうか。こういう普通のPがもっと売れるようになればボカロももっと広がりを持つとは思うんだけど…それじゃ意味ないか。
というか最近のボカロは本当に生音が多くてびっくりする。DTMの性能が上がってきてるだけなのかもしれないが、ある曲ではドラムやミキシングなどを外注していたりしてどんどんボカロ界のネットワークが広がっていくのを感じる。そりゃJPOPなんか聞かずボカロ曲聞くわけだ最近の若い衆は。
そういう意味じゃこの"ショコラと隕石"も象徴的だけど、JPOP丸出しな歌い上げ系は随分減った印象がある。そういう曲はボカロではどうしてもボーカルが弱くなってしまうから当然の成り行きといえばそうなんだけど逆に言えば少しずつミクその他ボカロのキャラというか神格化が薄れてきているともいえる。ただの楽器としか見ていないというか。
まあ要するにボカロ界の成熟部分の象徴とでもいう感じで選びました。
4.かめりあ
さっき書いたけど何でボカロってダブステというかブロステ好きなの?
クラブっぽい曲だとだいたいベースがビヨビヨなってるのは本当に謎。確かに今EDMは流行りだけど…EDMの他の部分はほとんどないし曲構成自体は至って普通なポップスなのになぜか隙あらばスクリレックスみたいなウォブリーベースが鳴り響く不思議。
その中でこれは!と思った一曲。
まず絵がエロイね!大事だよねそういうの!
んでメロがまたいい。さっきの書き方で言えばまさに歌い上げ系で聞いててすごく気持ちいい。大体こういう曲ってPerfumeみたいにあくまで添え物としてのボーカルしか乗ってなくてそこがつまらないんだけど、これは90sJPOPっぽい抑揚が楽しい。でも曲構成はちゃんとEDMのマナーに沿っていて、広がりのあるシンセから盛り上がり→フレーズのあとサビというのは卑怯だが素晴らしい。ヤスタカ臭さの薄いエレクトロというのは最近ほんと珍しいのでとても好感が持てる。かといってトランスでもないし。
歌詞も珍しくPとは違う人だけどいい感じにラブソングなのはグー。
本当にポップスとしていいなぁと。しかしこれはいったいどの層が聞いてるのかというか…コメ見てもスクリレックスすら知らん人が聞いているようだが、もし普通のボカロ層だとするなら中高生がこんな爆音ベースで楽しんでるわけか。素晴らしいことだ。ヤスタカとボカロで今の若者はクラブ音楽を楽しむわけだ。いいと思います!
5.初音階段
ラストはPとはちょっと違うが。
ノイズ界に名だたるあの非常階段が初音ミクとコラボ!…というわけで爆音ノイズの上でJUNKOさんの代わりにミクが歌うのかと思いきや(いやそういう曲もアルバムにはあるんだが)、なんと昭和歌謡カバー。しかもしっとりアレンジ。
なーんだ…と思いそうだがこれがまた異常にはまっててビビる。
まず歌詞が怖い。「あなたが森と思っているものは死んだ人の爪の跡 あなたが風と思っているものはまだ生まれない息子たちの声」。これを感情ゼロのミクボイスで歌われるとその恐ろしさは完全にホラー映画レベルになる。
アレンジはもちろん非常階段がやっており、決して邪魔にならない落ち着いた演奏。そして突然はさまれる非常階段の爆音ノイズ、そして当たり前だが抑揚の全くないミクの歌声が合わさって…俺はこれを聞いてゆら帝の"フランキーティアドロップ"のカバーを思い出した。
ちなみにアルバムにはタンゴのカヴァーも入っている。都会の冷たさをゆっくりと描いたあの歌は、今ミクが歌ってこそその真価が発揮される…JOJO広重さんの意図は俺には痛いほどよくわかる。
ミクは今富田勲や渋谷慶一郎など音楽界の重鎮からのラブコールを受けているが、俺にはそれらはどうも興味が湧かない。とても表面的なコラボレーションにしか見えないからだ。富田勲も渋谷慶一郎も、ミクやボカロをしっかりと向き合ったうえでコラボしているとは到底思えない。はっきり言ってしまえばサブカル連中を満足させるためだけの名前貸しのようにしか見えないのだ。
もちろんそれは非常階段も一緒だろう。JOJO広重さんがしっかりとミクを勉強したうえでこのアルバムを録ったとは俺も思わない(ミクのプログラミングもそこらのPに任せたらしいし)。
だがそういうことではない。このインタビュー(http://ototoy.jp/feature/index.php/2013011700)からは、彼なりにミクと向き合う姿勢が見られる。話題作りでもなく、ジャンル横断というお題目のためでもなく、単純な興味の上でミクとコラボしたという心が。大体にしてこの話自体ボカロのレコード会社側からのものだし、何よりこの二人のコラボがそんな金や話題になるなんて誰も思わないだろう。純粋に向き合い、それに合わせたコラボを考えたのだ。だから単純にノイズにミクを被せるなんてものではない、緑魔子やじゃがたらのカバーをさせるというアイディアに行き着いたのだと思う。
このコラボでボカロが文化的強度を持ったとは思わない。きっとこれはボカロ界に何の影響も及ぼさないだろう。だがミクの力がこんなアングラまで及び、そしてそれをしっかりとキャッチしたという証拠として、俺はこのアルバムを挙げる。
さて5曲。
あまりに偏った選曲過ぎて入門には大いに不適だろうが、ボカロという文化の多様性や面白さは伝えられたのではないかと思う。
最後に、なぜ俺がミクという文化に惹かれるかを書きたい。
もちろんオタクだからである。ボカロはオタクと近い(一緒では決して無いが)。そして俺は音楽が好きである。だから聞く。基本的にはそういうことだ。
だがもう一つある。それは何度も書くような「痛さ」のためである。
今「痛い」という価値観がオタク文化から消されそうになっていると思う。「中二病」と置き換えてもいい。
そういう価値観を相対化して、排除しようとする動きが見られる。あのラノベですらどうも最近痛さから逃げているような気がしてならない。
その中でボカロ界の痛さはあまりに異質である。何の保険も逃げ口上も用意せず、ただひたすらにミクを信じ、ボカロを信じ、熱狂している。
それを若いの一言で済ましてもいいかもしれないが、俺はむしろそこにボカロ文化の魅力を見る。
痛くたっていいじゃないか。何かを盲目的に信じていいじゃないか!それこそがオタクやロックの、ユースカルチャーの強みだったのではないか!何が中二病だ!何が痛いだ!そういうのが好きだからアニメ見て漫画読んでロック聞いてヒップホップ聞くんじゃないか!
もちろん文化に成熟は不可欠である。それほどまでにオタク文化やロックが成熟したといってもいいかもしれない(ただ単に受容者がおっさんになっただけともいえるが)。
だがそんな時こそ若さが必要なのだ。その呼び水としてボカロは間違いなく機能する。そう信じたいものである。
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
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好きなアニメ:
パトレイバー劇場版2.瀬戸の花嫁
好きな音楽のアーティスト:
モグワイ,スピッツ
好きな漫画:
宮本から君へ,ガンスリンガーガール
好きなラノベ:
イリヤの空,UFOの夏