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ここは管理人u16の趣味雑記をのせたブログです
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Tell Your World -livetune feat.初音ミク

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結構な人は知ってるとは思うが,今のグーグルクロームのCMに使われている曲である(そういう意味でディスクではないのでディスクレビューじゃない)。
俺もそのCM…正確にはそれをアレンジした有志の動画(http://www.nicovideo.jp/watch/sm16824501)を見て,恥ずかしながら感動を覚えiTuneで買ってしまった。iTuneで曲を買ったのはこれが初めてだ。
そう聞いて鼻白む人もいるだろう。本当に初音ミクが好きな人であれば今更あんなCMごときで騒ぐなんてにわかもいいところだろうし,ミクなどから距離を置いてる人から見ればこんなハイプに乗せられるなんて…と思うのも無理はない。
実際のところ,自分も初音ミクの熱心なファンというわけではない。
前にブログでも書いたとおり月一でニコ動のランキングをチェックしたり,そこで気に入ったPがいればとらのあなでCDを買ったりもしているが,そんなのは熱心なファンから見れば大した事ではないだろう。
また,一音楽好きとして,ボカロの音楽がレベル高いかといわれるとまあNOだ。基本的に打ち込みなのはしょうがないにしても,一部の才人を除いて,アニソンやロキノン系に影響された稚拙な楽曲か,オリジナリティのないジャンルそのままのつまらない楽曲ばかりだし(もちろんマイナーなところではメルツバウのカバーなど面白そうな人がいるのは知っているが,それがボカロの層に受けないのでは意味が無い),基本的にはボカロのファンもPもオタク特有の閉塞性が強い。
よくボカロ厨が言う「ミクはAKBを超えた」とか「最早ワールドワイドのアイドル」みたいなミク自身を崇拝した妄言が端的にそれを表しているが,ああいう狂信的なファンが逆にボカロを他の層に受け入れ難くさせた要因でもあるだろう。もちろん俺自身ミクが神だのアイドルだのとは一切思わない。ミクはただ単に機械でありキャラであり,可愛いとは思うがミク自身に思い入れは無い。
俺がわざわざディスクレビューでこれを取り上げたのは,ボカロ周辺が文化として面白くなってきたからだ。
さっきはボカロの音楽性は低いといったがそれはあくまで平均値の話だ。それこそsupercellからwowaka,ハチなどは面白いと思うし,全体としても昔に比べあがってるとは思う。
また,特にクラブ音楽方面は,最早他と比べても大して遜色ないとすら言えるほどのレベルだ。
DECO27などはテクノ方面からでてきてそれこそ柴崎コウと組むほどになったし,今回紹介する曲「Tell Your World」の作曲家kzは,もちろんアニソンにも参加しているがかなりハードなクラブ系のアーティストであり,中田ヤスタカのパーティなどに参加していたりもする(中田ヤスタカかーいとか言わないでほしい)。
また,マルチネレコード周辺ともかなり親和性があり(ドミューンでの社長のDJでもボカロかけてた),モグラでのDJでは有名ボカロ曲のダブステやエレクトロニカMIXなどがあり,それらのクオリティもかなり高い。やはりDTMとして扱いやすいんだろうと思う(逆にロックとかだとやはりボーカルとして使うには弱いってのもあるが)。
また,どんどんオーバーグラウンドに上がってきている事は,最早異論は無いだろう。
今や新星堂ですらボカロのコーナーを作っている。アニメでもボカロPを登用している例は枚挙に暇が無いし,CMもかなり多い。決してネットだけの薄い文化ではなくなってきている。
それこそ上で言ったグーグルクロームでの抜擢が一番の証左だ。もちろんグーグルがミク厨引っ張り込むための方策だと言われれば返す言葉が無いが,他のグーグルクロームのCMで使われたのはレディーガガ,ジャスティンビーバーである。当然だろう。このCMは世界中で流れるのだから,それくらいの知名度でないと成り立たない。決してCMも上辺だけの作りではないし,このタイミングでミクを起用したグーグルには素直に賞賛を送りたい。
俺がCMで最も感動したのはその事実だ。今の時代でこれほど多くの人を巻き込んでいるDIY文化があるだろうか?アニソンのCDがVIPPERのおふざけでオリコンに入るのとは訳が違う。大メディアの支援を全く借りずに,ひたすらネットのコミュニティが一から作り上げた文化が,今それこそ世界中の人々に届いているのだ。このCM曲はアメリカのiTunesワールドチャートで一位になったという。ひたすら企業のしがらみに囚われ内に篭り続ける邦楽とは全く違う構造だ。
無論ある意味文化の周縁化とし受け入れられている部分も間違いなくある。さっきも言ったようにボカロで有名になる曲はいまだにアニソン然としているし,海外のボカロPは見た事が無い。
だからこそこれからに期待したい。どうも海外版のボカロというのはまだ無いらしい。クリプトンには早い所海外版を作ってもらい,海外のDTM文化,それこそチルウェイブやダブステのような洋楽と邦楽を繋ぐ線になってほしい。決してありえない話ではないと信じたい。ミクに合わせて踊る人がいるんだから,ミクを使う人だっているはずだ。
そして日本でボカロに期待したいことは,やはり更なるブレイクスルーだろうか。今はある程度のブレイクをしたせいで,逆に「これでいいや」と閉塞感が強くなっているように思う。その証拠にシーンの顔となるスターがいない。さすがに40mPや黒うさでは弱い。もう一度,supercellレベルのスターが現れてくれれば,そしてsupercellのようにボカロ文化から抜け出さずにきちんと文化を背負って戦ってくれれば,また上へいけるんじゃないだろうか。
それこそkzさんにそれを期待したいところだが…とりあえず3月にこの曲のパッケージ版がEPとしてでるので,ぜひそれを買っていただきたい。今のところ正規のフルはiTuneしかないし,こっちはあんまりお勧めしないので。
 
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言いたいことはなくなった - The Mirraz

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ミイラズとの出会いは数年前のスヌーザーで,「非邦楽の世代」という特集で今でいう日本のロックンロールリヴァイバルバンド…ボゥディーズ,シガヴェッツ,リリーズ&リメインズなど,洋楽の影響を受けた若手バンドを紹介した記事の一つとして見かけたのが始まりだった。
といってもその場ではそれほどピンと来なかったんだが,もう潰れた湘南台のCD屋でVeni Vida VIciousとのスプリットシングル「New Rock E.P」(アマゾンのマケプラでやたら高い値がついてた。失くしたんだよな…)が売っていて,「こんなショボいCD屋にミイラズが!?」と思わず買ってしまったのだ。
そこに入っていた,今でもライブの定番となっている代表曲「僕はスーパーマン」を聞いて俺はミイラズのファンになった。
といってもこの曲,聞いてもらえばわかるが完っ璧にArctic Monkeysの「Braianstorm」のパクリである。
というかまあ今さらミイラズの話をするときに言及するのもバカバカしくなるくらい周知の話だが,ミイラズの0stと呼ばれる「be buried alive」,そして1st「OUI!OUI!OUI!」(あと2ndの曲半分くらい)はもう参照というのも憚られるくらいまんまアクモンおよびKlaxonsその他その頃流行ってた有名洋楽バンドであり,それのせいでかなり長く…というより未だに叩かれてる(試しにグーグルでミイラズと検索してみればいい)。
その批判についてもちろんファンである俺は一応の反論は持っているが,正直自分としてもミイラズの一番の良さは曲だとは思っていない。
じゃあどこかと言われれば,恐らくミイラズのファンの大体がそうである通り詩である。
流行りものから自分のアンチ,レコード会社からそれこそ自分自身に至るまで四方八方に飛ばす批判,無駄に論理的な自己言及,そして結局答えも何も出ないことに対する怒り。ひたすら褒めて傷をなめあって作り笑いする今の邦楽においてそれは衝撃を受けるのに十分だった。
特に初期…1stの歌詞は全て素晴らしい。個人的には,怒る彼女をやたら科学的な弁明でなだめようとして意味がわからなくなってるラブソング「レディース&ジェントルメン」と,上でも書いた「僕はスーパーマン」。
世界への苛立ちを自嘲交じりにがなりたて,しかし結局は「真剣に拝承しないで」と舌をだしてナンセンスな歌詞で逃げる…そう,この無責任さが今のミイラズが失ってしまったものだ。
曲も,確かに有名洋楽バンドのパクリな訳だが,俺としてはこれはガラパゴス化して参照点も何ももうよくわかんなくなってる今の邦楽バンドへのアンチだと考えている。簡単に言えば「んなエモだかグランジだかJPOPだかわかんねえ音楽より洋楽のまんまパクリの方がかっこよくね?」ということだ。現にインタビューでそれに近い発言をしている。
そして2nd,3ndと進むにつれ,音楽的にはもう少しネタ元のセンスが上がったり自分なりに編集をするようになったりで,それなりに耳に耐えるようになっていった。
逆に詩としては,かなり棘のないラブソング…言ってしまえば売れ線の曲が増えるようになった。まあ個人的にはそれほど多いわけではなかったし,何より昔ながらの棘のある歌がしっかりあったので大して気にはしていなかったが,これを嫌がったファンも多かったんじゃないだろうか(ちなみにこの間にメンバーの脱退と加入,バンドのブレイクスルーや青森事件(このブログでも書いた)など色々あったのもまた昔からのファン離れに影響したのでは…いや知らんけど)。
と,やたら前置きが長くなってしまったが,3ndまではそれなりなマイナーチェンジを繰り返しながらも順当に進んでいったミイラズが初めて大胆な方向転換をしたのが今回の4th,「言いたいことはなくなった」である。
どう方向転換したのかと言えば,まず作詞面では,全曲完全に上で言う売れ線のラブソングになった。
しかも今までの売れ線曲のように,それでも一応ミイラズなりに凝った作りになっているわけでもない。一応インタビューでは「普通に見えて実は凝ってる」みたいなこと言ってるが,俺の目には正直ぜーんぶふっつーのラブソングである。まあさすがにJPOPみたいなクソ恥ずかしい詞ではないし言葉選びなどはさすがかなーと思うところもあるが,今までの曲のように作詞カード読んでて楽しめるようなものでは決して無い。
また曲部分も,本当に単純なロックンロール。どうやらそれは狙いらしいが,正直ミイラズにメロの才能はあまり無いので,単調な8ビートが十曲続いて飽きてしまう。
まあ…今までよりさらにメジャー感(笑)は出てると思う。下手したらこれでさらに売れるかもしれない。今までの売れ線曲が好きな人はこのアルバムを好きになるだろうし,それを全否定はもちろんしない。売れ線曲もミイラズの一部だし,別に毛嫌いするほど嫌いじゃない。
ただ…やはり俺の好きなミイラズは怒ってるミイラズだなとは思う。1,2曲はそういう曲を入れてほしかったというのが正直なところだ。
ミイラズの頭脳である畠山は「こんな時代に棘のある曲を作ってもしょうがない。愛のある曲で元気にしたい」というが,CAN~やCheck~でモッシュするファンを見て何も思わないのだろうか。彼らは決してノリがいいから踊ってるだけじゃない。自分たちの心の声を代弁してくれているその歌詞もまた,心を高揚させる一因になっているのは間違いないはずなのに…。
まあ何もこれがラストアルバムになるわけでもない。どうやらこういうモードは今回で終わりで,次はまた違うようなアルバムを作るらしい。それが俺の望むものかどうかはわからんが,人がそんな簡単に丸くなれるはずもないし,今回よりは棘のある曲を作ってくれるだろう。

最後に,いまだ曲になっていない,バンドのブログに挙げられただけの歌詞を貼って終わろう。これを見たとき俺は本当に感動した。「イフタム!ヤー!シムシム!」に劣らない名曲になると信じている。

映画も雑誌も漫画も音楽も
ファッションもお笑いもテレビ番組も
なんでもかんでもニーズに答え過ぎ
まだ見ぬ答えを見つけて探して
提供すんのが作り手の仕事だよ
今ある答えなんてもういらないんだよ
それはもう終わった問題なんだよ
こんな時代なんだ 好きにやろう

天才になんてなれるわけないけど
生き延びるために生きるのはやめようぜ
新しい時代にマニュアルはないぜ
世の中不景気でも心は無関係
夢ならいつでも無料参加だ
どうせ見るならデかい夢見ようぜ
世の中変えるくらいのことしようぜ
明日死んでも構わないくらい今を生きよう

足でもRUNでもチャリでもカブでも
PINOでもバスでも小田急線でも
ロマンスカーでもつばめでものぞみでも
ひかりでもこだまでもカヌーでもフェリーでも
タイタニックでも海賊船でも
ANAでもJALでもスプートニクでも
ノアの方舟でもなんでもいいや

今ここからが新しい世界だ

                                 -New World-

あけおめことよろ。
今年は音楽にも力を入れていこうということでディスクレビューから。

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Cant,Neon Indianときて,いきなり大ネタです。
スピッツはそれこそ小学生の頃からとてつもなく好きなバンドで,初めて借りたのはあの悪名高い『Recycle』(バンドが認めてないほう)。それから出たアルバムは全部買っている。
あの頃はミスチルやバンプなど,まあ俺の年頃だったらかなりの人がはまってるであろうバンドが大好きだったんだが,今になっても全く愛が変わらないのはこのバンドくらい。最初は「まあ青春のバンドって奴かなー」くらいに思ってたが,意外とインディバンド好きからも評価が高いらしい。
実際さっき挙げた二つのバンドとは違い,色んな音楽を聴いた後にちゃんと聞いても全く色あせない音楽的な側面を持っているバンドである。出自がパンクということで随所にハードロックやパワーポップに影響された部分があるし,もちろんネオアコやフォーク,曲によってはシューゲイザーやサイケなど…曲ごとに見ればもっと多くの分野に挑戦しているし,しっかりバンドサウンドというものに音響面でも音質面でもこだわっている数少ないオリコンバンドだろう。それぞれのキャラもたってるし。
ただ音楽好きがスピッツを語ると大体初期…特にライドその他90年代頭のシューゲイザーに影響され,バンド自ら「ライド歌謡」と銘打ったとされる『名前をつけてやる』が金字塔に挙げられることが多いが(確かに「プール」と「胸に咲いた黄色い花」は名曲過ぎる),個人的にはやはり中期…『フェイクファー』,『ハヤブサ』,『三日月ロック』の三つを推したい。売れたことによるニーズから歌謡曲的メロディセンスを爆発させつつ,それでもポップだけに逃げずに果敢に色々な音楽要素を取り込もうとしたこの三作品は本当に素晴らしい。
その中で一つを選ぶとすれば…思い入れでは上の小学生の時期にでた,異様な暗さと重さと美しさをもった『三日月ロック』なのだが,やはり全体のスピッツというアーティストイメージを代表するという意味も考えると『フェイクファー』になるだろう。
全体としては「運命の人」,「スカーレット」など,明るくポップないわゆるスピッツなナンバーが並ぶ。だが,ハードロックな「スーパーノヴァ」,パワポな「ウィリー」,女性コーラスとブラスを入れたR&B的な「謝々!」,五拍子の「ただ春を待つ」など音楽的にも多様な側面がある。
また,メジャー的な力強い音響とメロディを持ちながら,どこか悲しい歌詞世界もここで完成を見ている。白眉はやはり「冷たい頬」だろうか。物悲しいアルペジオのヴァースからあまり盛り上がらないサビでマサムネはあの天使の歌声でこう歌う…力の無い歌声で。「壊れながらも君に近づいていく 近づいても遠くても知っていた それが全てで何も無い事」 そこには愛の喜びと諦観がある。湿り気のない平坦なメロディは余計にその切なさを誘う。
他にも「ただ春を待つのは哀しくも楽しく 見え隠れ夢の夢 あなたにも届いたなら」(「ただ春を待つ」),「誰にも言えずに夢見ていたくずれ落ちそうな言葉さえ ありのまま全てぶつけても君は微笑むかなぁ…」(「スカーレット」)。一貫して2人だけの世界の美しさと悲しみを描く。この時期のマサムネが書く詩は全て素晴らしい…。
そしてアルバムの終わりを飾る「フェイクファー」は,その上で鳴らされる最高のポップソングである。延々と続くヴァースとブリッジ。そこで呟かれる愛の喜び。HTTを思い出させる簡素なローファイバンドサウンドはきらめきだけを表現する。
そして最後の最後で強く歌われるサビ。
「今から箱の外へ 2人は箱の外へ 未来と別の世界 見つけた そんな気がした」
ただ幸せだけを信じた初恋の2人は,『ハヤブサ』,『三日月ロック』でよりサイケでヘヴィな世界に篭っていく。それもそれで美しいが,メジャーで売れたスピッツというオルタナバンドの,メジャーへと躍り出た喜びと戸惑いがつまったこのアルバムがやはり客観的にベストだと思う。

今も今でいいとは思うが,『とげまる』はあまりに原点回帰すぎた気がする…音楽的に面白い部分もなかったし。まあまた亀田誠治とのハイファイ路線に突き進むのもつまらない。次回作は何とタイトルが『おるたな』,カヴァーなども含まれると聞いているので,スピッツのマイナーな部分が見られそうで非常に楽しみである。
 
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Era Extrana - Neon Indian

チルウェイブの代表格Neon Indianのセカンド。
ファーストはドチープなシンセの上でぼんやり歌う,言うなればSmall Blackからシューゲイザーを少し抜いたようなローファイ・サイケ・シンセポップをやっていたが,今回はかなりきっちりとした音像と曲構成で,シンセポップの部分を強く押してきたようなものになっている。
ファーストも他のチルウェイブ勢に比べればかなりまともに歌物をやっていたが,ローファイ加減がもはや楽器一つ一つの音色自体というレベルでなく,全体的にローファイサイケという印象を与えるためだけになってしまうレベルだったが(それはそれで美しいが),今回は低音もきっちりとなってグルーヴを感じさせる。
また,曲構成もだいたいヴァース,ブリッジ,サビというわかりやすいポップソング然としており,サビではちゃんと音数を増やして盛り上げてもいる。まさに全体としてポップになっていて,サイケ感でWashed OutやToro y moiなどに劣っていた分を巻き返してなかなか素晴らしい出来である。
ジャケも美しい…個人的に最近見た中でかなり上の方に入る。初回限定でポスターをもらったがこれはなかなか嬉しい。遠い夕焼けの景色のなか一人佇んでタバコに火をつける?男…レコーディングはスペインで行ったというが,チルウェイブ特有の厭世観は上に描いたようなポップさの中で逆に映えているようだ。
まるでキッチュな映画やクソッタレなパチアニメのような…分かっててやってるバカバカしいエンターティメントの美しさというか。ライブを見たが,彼…アラン・パラモは驚くほど情熱的に踊り,歌っていた。「Future Sick」で未来を憂う若者は,過去に憧憬を持ちつつ,今を謳歌するためにマイクに向かって叫ぶ…それは生産性なんて無いかもしれないが,とても共感できる美しい光景だった。

しかし正直チルウェイブはこれからどこにいくのだろうか…と思ってしまう面もある。
大体どのアーティストもそれなりのセカンドを作ってはいるが,これから先が楽しみに思えるようなものはあまりない。このまま永遠に似たような曲を作り続けていくのでは…そんな気すらしてしまう。
やはりグルーブに凝るでもなく全体としての音像を工夫するでもない,80`sシンセポップのパロディだけでやっていくのはなかなか難しいのではあるまいか。
かといってサイケデリックに振れるにしても,それを推し進めているチルウェイブユニットは…まあそれほど網羅してるわけでもないがあまり見当たらないし,源流であるパンダベアレベルの強靭なサイケポップを目指すのもそれなりに不毛な気はする。
あとはメロの力を強くする事だろうか(歌唱力上げるってのもね!)。そういう意味ではNeon Indianはまだポップに進んでも面白そうな才能を感じさせるので,もう少しだけ様子を見たい。ヒントは今聞いてるAtlas Soundの新作か…。いや,これもサイケすぎるな。MGMTの1stかな?

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Dreams Come True - Cant

毎週書くほどネタがないので少々真面目なディスクレビューでも始めてみようかと思います。

何故一発目がこれかというと,特に理由はない。強いて言えば最近ハマってるから。
CantはGrizzly Bearの中心人物であるChris Taylorのソロプロジェクトである。
…というよりGrizzly Bear自体最初はソロプロジェクトなわけで,Chris Taylorがソロを始めると聞いて真っ先に思い出したのがGrizzly Bearの1stだった。怖いほどの内省性と美しいメロディ…一気に肉体性を帯びた3rdでも根底には流れているが,あのような音楽をもう一度始めたくなったのかな…と勝手に思い,届いたCDをプレーヤーに入れた。
まず第一印象として暗い。そして美しい。と,ここまでは上の1stの感想と同じだが,ビートが明らかに違った。ダブステップに影響を受けたエレクトロニックなビートが,一気にこの作品にベッドルームにはない力強さを与えているのだ。
もちろんChrisが歌うあの驚くほど美麗なメロディはここでも遺憾なく発揮されているが,Grizzly Bearでは森の奥から聞こえてくるような神秘的なあの声が,ここではまるでディアンジェロのように色気のあるヴォーカルとして屹立している(なにせコーラスはほとんどないのだ)。
音も一つ一つがシンプルではあるが,しっかりと存在感を帯びて鳴らされている。このエレクトロニックな音像はChrisというよりはもう一人の共同制作者であるTwin ShadowのJeorge Luis Jrの影響が大きいのではないだろうか。
しかしあまりにウェルメイドになりすぎるなんてことも当然ない。ファンキーなベースが鳴り響くなかチャントのように同じ言葉を呟きながら盛り上がっていき,サビではヘビィなビートの上で叫び声とノイズが嵐のように飛び交う表題曲などは,それこそソロ版「I Live With You」ともいえる。
言うなればこれは,ブルックリンの鬼才が挑んだ最新型R&Bアルバムだ。Grizzly Bearのポップさですら飽き足らず,自らのルーツを維持しつつティンバランドやディアンジェロに真正面から喧嘩を売る驚くべきアヴァンギャルドポップ。美しさを得る代わりに色気を失う同郷の雄に対し突きつけるクールでセクシュアルなR&B。もしかしたらこのアルバムは,今の芳醇なUSインディにすら足りないものを持っているかもしれない。
(最後にライブのフルセットを。http://www.npr.org/2011/10/30/141797267/cant-in-concert-moogfest-2011 CDよりさらに気迫に満ちた演奏が聴けます)

これからもたまにやっていきます。最近発売したCDだけじゃなくて,時々は過去の名盤とかも取り上げていくつもりです。もちろんアニメについてもガンガンやりますけど。
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